ビジネス・フォー・パンクス

制作 : 楠木 建(解説) 
  • 日経BP
4.05
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822251703

感想・レビュー・書評

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  • Yotsuya

  • brewdogというイギリスのクラフトビールの創業者が書いた経営哲学書

    2007年創業で世界中に展開している。日本の六本木にもbarがある。

    パンクというだけあり刺々しい表現で描かれている。情熱が最も大事です。財務は必須です。仲間は慎重に選ぼう。

  • 僕のビジネスのバイブル

  • イギリスのクラフトビールの会社をわずか7年で売上70億円にし「経営の根幹は"パンクの哲学"」と語る創業者の著書。

    小規模企業やスタートアップが長期計画を立てても実現するわけがなく必要な変数をすべて把握し続けることなど不可能と言い切り、賞味期限切れの計画書をいちいち確認するより、瞬間的に判断する方が重要。だから先の計画なんて立てず、今、全力を尽くすことだという言葉はビールのごとく痛快で爽快。

    また「事実だとか論理だとかの堅い話にいくら説得力があっても、人が腹をきめるときというのは感情に従う」「適度な無秩序や内輪揉めが起こらないのは、全力を尽くしていない証拠。混乱も騒乱も、いかれた旅の相棒になる。」とあり、まさにパンクロックのごとく破壊的で創造的。

    一方、組織の成長やチーム作りにおいてては慎重かつ情理的。社員は自分が成長してると感じているときに、最高のパフォーマンスを発揮し、問題が起こると自分の力を発揮し世界に自分の能力を示すチャンスがきたと考える。問題など問題でない。問題に対する人の姿勢こそ、本当の問題だと説く。チームは方針やルールではなく、価値観と文化で動いていく。

  • ・商品に集中する
    ・隠さず、誠実に
    ・価格競争はしない

  • 普遍の本質

    経営戦略論やマーケティング戦略といったMBA的理論を否定するようなトーンで打ち出し、実際に内容の語り口もそのようなテイストになっている、が。
    ドラッガーやポーター、コトラーなどを読み込んでいくと見えてくる論理の本質のようなものが、本書の中にも見ることが出来る。
    自分自身で考え抜き、行動し尽くす、そこから得られることの本質は普遍ということなのか?と、思わず嬉しくなる。

  • 「Punk IPA」、「Hardcore IPA」等、ロックマナーに照らした独自のクラフトビールで知られるBrewDogの創業者が語る独自の経営哲学。

    Brewdogのビールが強烈に名前に残っているのは、アルコール16.5%の「Tokyo」を飲んだことがあったからである。それまで、「Punk IPA」や「Hardcore IPA」も好きで飲んでいたが、ビールの平均的なアルコール度数を軽く超えたこれを飲んだときに、クラフトビールの面白さを実感したものだった。

    本書はUK伝統のパンクスのマナーに則るBrewdogの破天荒な経営哲学、マーケティング論、組織論、アカウンティング論等がまとめられており、どれもこれもその破天荒さが大変心地よい。大量生産の不味いビールを世にはびこらせた伝統的な大企業ブリュワリー、胡散臭い「モチベーター講演家」などが、又吉イエスの如く「魔女のように火あぶりにすべき」とターゲットに挙げられる。

    そういえば、六本木にはBrewdogの直営バーがあるのに、まだ行ったことがなかった。早いうちに行ってみないと。

  • スコットランドの人気クラフトビールBrew Dogの創設者の本。
    ちょっとPunkネタに走り過ぎている感もあるが、相応に誠実なスタートアップの社長が書いた本、という評価が適切ではないかと思われる。主にマーケティングで突拍子もないことをやっていたりするものの、一方で財務は命であるということを口を酸っぱくして言っていることには好感が持てる。

  • ・ どうせ細かいところまで完璧に計画したところで、ハイスピードで物事が動き、それが絡み合って変化を生む今の世界では、計画など実行する暇もないまま、無用の長物になるだけだ
    ・ 既存の経路や手順、助言に頼れば、既存の体制への依存が増幅する。パンクのDIY精神を実践するということは、それらを当てにしないということだ
    ・ 小さく使い、大きく考えよう。すべてを使ってレバレッジをかけるのだ。
    ・ 自分の会社を手助けすることで、彼らのキャリアにどんなプラスがあるかを想像させ、夢を見させるのだ
    ・ 価格を下げて短期的な売上が異様に伸びると、それに目がくらんで長期的な影響のことを一瞬考えられなくなる
    ・ 自分のすることは自分で決めていい。他人が決めるのは、買うかどうかだ。
    ・ 客層が広ければ、価格で強い姿勢を取るのに有利だ
    ・ より高価な選択肢を作ると、顧客が元々ほしがっていた商品の中から高い方を選ぶ可能性が生まれ、売上が自動的に増える
    ・ ブランドとは、自分で操ることのできない、人の頭の中にある感情的な反応のこと。つまり認知の問題なのだ。顧客たち、または潜在顧客たちがそのブランドからなにをイメージするかだけが重要なのだ。
    ・ 今の時代、ブランドを築く唯一の方法は、自分がブランドを体現することだ。人間はより大きなものに参加しているという感覚を求める。あなたのブランドはそのチャンスを与えなければならない。
    ・ 派手なパフォーマンスが実際に高価を発揮するには、それが本質的な部分で氏名と結びついていることと、既に揺るぎない指示と信頼できるブランドが確立できていることが条件になる
    ・ 世界戦略では企業向けと個人向けのマーケティングを結びつけるべきだ(個人のニーズを顕在化させて、そのニーズから企業が好条件で動くようにしむける)
    ・ 使命を掲げて人を引きつけるためには、本を読んで、自分の使命について集中して学び、それを伝えよう。商品ではなく、情報を売るつもりでいよう。まずは顧客への情報提供で競争相手を上回ることだ。そうすれば、自然と売上でも優位に立てる。顧客の知識が深まるほど、正しい判断をしてくれるようになる。丁寧に情報を与え、あふれるほど情熱を伝えれば、顧客はあなたのすばらしい商品やサービスを進んで買い求めるようになる。そうなれば顧客はもう革命に加わったも同然だ。情報には人を引き寄せる力があり、知識には力がある。
    ・ 情報は出さなすぎるより、出しすぎる方がずっといい。ビジネスのミライは、共有の中から開けてくる。
    ・ 企業文化・品質・粗利は相互依存関係にある
    ・ 企業文化は、誰にも見られていないと思った時の行動に現れる
    ・ 受け継いでほしいと思う行動を、リーダーたちが本気でやってみせなければならない
    ・ 社員が自分たちの仕事を愛さなければ、顧客が愛してくれることは絶対にない。
    ・ 現代は「リアクション型ワークフローの罠」にはまりやすい時代だ。いつでも多くの方法論を仕入れられるが、それはリアクション型ワークフローの悪循環に飲み込まれる可能性が非常に高いということでもある。リアクションに対してリアクションするだけで手一杯になり、前に進めなくなる。
    ・ ブリュードッグでは経営陣5人に「50-50ルール」を定めている。経営陣は日々の仕事を回すための業務や現在進行形の問題の解決、既にある問題への対応には、自分が働いている半分までしか使ってはいけないことにして、会社を改善し、成長させ、発展させる方法や、次の成長の段階に進ませる方法を考えることに残り半分を使うのだ
    ・ 落ち着いた場所からでかい発想がわいてくることは、まずない。落ち着かない場所を自分で作らなければならない。知っている範囲、わかっている範囲の外側を考えるべきだ。
    ・ 見えないものを神事、足を踏み出せば、二つの結果が生まれる。次に取るべき行動がわかること、そして実際に新たな行動が生まれることだ。行動する分か、素早く動く文化を社内に創り出さなければならない。
    ・ ハイスピードで動くことができれば、競争相手が気づいてさえ以内チャンスを見つけ、いかせる。アイデアを試す余裕ができ、そのアイデアを想像ではなく、実地で得た知識によって形にしていくことができる。
    ・ 1回に5つずつ、うっとうしい問題を並べる、困っている順に5つ書き出して、チームを集めて話し合い、解決する。そうしたら、また次の5つを書き出す。(5つは解決される、という安心感が大事かも)
    ・ 最高の人材は問題が起こると、自分の力を発揮し、資質を証明し、世界に自分の能力を示すチャンスがきたと考える。
    ・ コミュニケーションのポイントは、はっきり伝えること、ありのままを話すこと、興味のわく話し方をすることだ。曖昧さや誤解を閉め出さなければ、一緒に疑いも招くことになる。
    ・ ピータードラッカーは「測定できるものは管理できる」とはっきり言っている。何かに深く注意を向けると、それまであり得なかったところに思考回路がつながり、以前なら絶対に見えなかったものが見えるようになり、会社の行方を左右するようなことを、それまでより簡単に改善できるようになる。
    ・ 相手が満足だと感じ、意欲的になれる解決策や仕組み、条件を見つけ出そう。そうしながら、自分たちが望むものを最優先した契約を作るのだ

  • ▷失敗から学べるのは、実力が足りないということと、もっと実力が必要だということだけだ。はっきり言って、意味のある学びは成功の中にしかない。
    ▷ニッチこそ、新たな本流になる。成功の可能性をつかみたければ、誰も気づいていない、中心から大きく外れた、厳しい環境の中を歩き始めなければならない。

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著者プロフィール

ブリュードッグは2007年、ジェームズ・ワットとマーティン・ディッキーにより設立されると同時にクラフトビール革命を始めた。2人で始めたこの会社は、4大陸にまたがる600人超の従業員を抱える会社に成長し、飲食業界で最も成長の早い会社の一つとなる。事実、サンデータイムズ紙「成長の早い会社リスト」に5年連続で載った唯一の会社である。ビールの品質において国際的な評価を得、世界60カ国に輸出し、成長を続ける50のブリュードッグバーのネットワークを築いている。

「2019年 『クラフトビール フォア ザ ピープル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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