- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822255244
作品紹介・あらすじ
これからの日本にとって最も重要な国インドを知るための最適の1冊。
躍進著しいインドを理解するためのポイントを多面的に、わかりやすく解説。
インドの歴史、社会、宗教、文化、経済、政治、外交・安全保障、そして我が国との関係まで、
日本人が知っておきたいインドの基礎知識を網羅。
元・駐インド大使としての貴重な体験と知見に基づき、インドの実像が語られます。
感想・レビュー・書評
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戦後アメリカの統治を受けてアメリカ一辺倒になった日本、しかしアジアへ目を向ける必要がある。
その中でインドはとても大きい存在だろう。
先見のある人は早くからインドに目を向けていた。
インドは公平、真面目、親切な国とのこと。しかも親日。インドレストランで働く人からもそういう印象を受ける。
もっとインドについて知りたくなった。
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・我々は、インド人はアジア人だと考える。しかし、彼らのメンタリティーや思考回路は、欧米的である。
筆者に言わせれば、インド人は「欧米人をさらにシャープにした感じ」と思えばよい。
合理的で理詰めだ。自己主張も強い。宗教、言語など際立った多様性の中で生きている人々だ。大きな人口を有するインドは、欧米以上に競争が激しく、弱食強食の世界だ。
したがって、彼らの自己主張、自己の利益追及態度は欧米以上であり、また攻撃に対しても強く抵抗する。
・インド人は「沈黙は金」とは考えない。何も言わない人は、中身がないか、発信できない人という評価を受ける。
・インドでのビジネスは、大方トップダウンである。これはカースト制度の影響もある。
インドでのスピード感は日本を上回るので、迅速な決定が必要な場合が多い。 -
平林元駐インド大使が綴る、インドへの向き合い方。
基本的な論調は、インドは難しいが、親日国であるということ。対中国において感じている危機感、産業構造と違う宗教的な人的構造、さらにカースト含めた独自の文化。こうした表層的に描かれるインドの難しさは、その国にコミットし、勝負している人からすれば全くかけ離れたものになる。スズキやトヨタなどインドをマーケットとして捉えて勝負をしている民間企業、そのレセプションやヒアリングを通じた生に近いインドの姿。大使であることで感じるインドという国のもつある種の高貴な感覚は、おそらく一般的には無いものに違いない。
特別、戦略的、グローバルな対話という新たなステージに入ったインドは、首相が毎年行き来する数少ない国である。インドにとってはロシアについで、日本にとっては初めての試み。各産業から、困っていることを聞いて、政府にぶつけるセッションをもつこの対話は、首相というトップ対話に加えて、それに付随するデリゲーションの豪華さもある。地政学的にも大事になるインドと日本の関係は、もはや対中国にとどまらず、中東やヨーロッパとの向き合い方にも大きく影響する。インドを守れば、中国が出てくる。中国が、インドの周辺国であるパキスタンやスリランカに触手を広げ、今やお金を巻いてズブズブ状態に。インフラをいくら安く持って行こうとも、無視してくれるインドとは対照的だが、そこには文化的な親日感情があるという。
示唆に富むストーリーと、考察に、さすがは大使だなと感じる一冊。 -
東2法経図・開架 302.25A/H63s//K