- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822264116
感想・レビュー・書評
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星野社長が手本にしている教科書が、何なのか知りたくて手にとりました。
軽井沢の温泉旅館の4代目で、米国に留学していた異色の経営者で、グロービスにもよく顔をだされていて興味深かったです。
5部構成で
1 教科書の生かし方
2 教科書通りの戦略
3 教科書通りのマーケティング
4 教科書通りのリーダーシップ
5 教科書通りに人を鍛える
サービスを基軸に、視野を広げられる方によろしいかと詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の、今の会社の実例が読めるというところがこの本のポイント
だと思います。
以前姉妹編の書籍「星野リゾートの事件簿」
という本を読んだ時には読み切れなかったのですが、
いざ単独で読んだら最後までさらっと読み切ることができました。
星野リゾートの事件簿の方は、本当に起きた問題からそれをどうやって
解決していくのかという「物語」調だったので、本当にただただ
楽しく読めた本ですが、
こちらの本は、そういった「物語」を生むために、経営本を「そのまま」
実践したという本です。
「書店に1冊しかないような古典的な本ほど役に立つ」
とはまさにその通りだと思っていて、そんな中でも何を読もうかな、
と思った際に、この本があるとケーススタディーと共に読めるというのは
効果が大きいと思います。
なにせ、こういった経営の本のケーススタディーはアメリカンなもので、
さらに古典的な本になると、ケーススタディーで取り上げられている
業種、会社へのイメージが湧きにくいことが多いのです。
ということで冒頭に上げました
「日本の、今の会社の実例が読める」
ことは大きな価値があると思います。 -
星野社長が、経営課題に向き合う際に参考とした書籍から、どのような成果を上げたのかを垣間見る事が出来る、興味深いアプローチから書かれた書籍。
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ちょっとだけ感動した。僕が学んだことは、教科書は経営の役に立つということと、教科書はその意味がわかるまで読むということ
内村鑑三が出てくるのに驚き。ビジネスと宗教/生き方というのは遠からずと感じる。特に高い目線を持った経営者はそれだけ人格者であり、人生についても深く考えているのかもしれない。好意的に捉えればそうなる。もしくは星野氏がそうというだけかもしれない。
さて、大成功している企業が、教科書的な考え方、をしているというのは、当然のようでもあり、しかし意外である。教科書というのは、虚学であり、観念であり、抽象であって、個別具体的なカオスが支配する現実世界では使えない。むしろゼロから自分で考える力が重要である。こんなふうに、ややもすれば考えがちだ。
教科書があればいいというわけではないし、この本を読めば星野氏が単なる公式当てはめおじさんではないことがわかる。しかし、確かに教科書をしっかり読み込んで、その「公式」の意味を考え、丁寧に実践するというのは、端的に言えば、良い教師のもとでよく考え、その導きの元で教えをよく実践する、という、当たり前ながらなかなかできない学習と実践のプロセスを丁寧に行うことだ。
しかもそれが役に立つ、ということの実例を紹介してくれるから、丁寧な勉強と実践をやらない理由はない。
また個別の事例は深くまではわからないものの星野リゾートの経営の特徴を察することができる。gよく考える社長の取り組みの姿は自分のあるべき姿の参考になる。
そして、各種の本の非常に簡潔だが良質なイントロダクションともなっている。こんな課題に対してこんな本があるのか、という、日常の課題ベースで参考書を教えてくれる本でもある。 -
文字通り星野社長が経営の教科書にした書籍の数々を紹介したもの。教科書はその通り忠実になぞらなければいけない。一部を美味しいとこ取りでは意味が無いと言う話と解るまで何度も読むという下りが一番為になった。
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星野リゾートの教科書
著者は中沢康彦氏で、書籍販売当時「日経トップリーダー」副編集長だった方(現在の情報はとっていないです)。
星野リゾートと言えば、各地でリゾート施設を運営する日本有数の企業。しかし、その発祥は軽井沢の老舗温泉旅館であるというから驚きである。そして、その成長の背景には、星野佳路社長が実践した「教書通りの経営」があるという。本書では、星野社長が戦略やマーケティング、リーダーシップの参考にしたネタ本30冊と、それらの本から学んだ理論の実践事例が紹介されている。
ところで、皆さんは「教科書」と聞くとどのような印象を抱くでしょうか。
正直なところ、学校の勉強が苦手だった私はあまりいい印象がありません。むしろ、「教科書通りの人生なんてない!」「丸暗記じゃだめだ!」「マニュアル人間になるな!!」などと言われて来たことが多い気がします。
これらの中で使われている「教科書」という言葉は、どちらかというと「これをやっていれば大丈夫」といった受け身の対象として使われているように思います。
リゾートの運営、というまさに現場での臨機応変な対応が求められる仕事には、まったくそぐわない言葉だなというのが本を読む前の感想でした。
しかし、本書で言われている「教科書」という言葉は少し捉え方が違うのかなと考えます。
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根拠や基準となる理論があるとぶれなくなる
理論をつまみぐいしないで100%教科書通りにやってみる
自分の直感力を信じられないときに教科書は自らの経営判断の根拠となり自信を持って頑張る勇気を与えてくれる
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ここでの意味は「基礎」と「基準」。自分が主体的に動く際に立ち返る場所、より高いレベルで実践していくために基礎や基準を作るためのもの、として話されているように感じます。
確かに行動していて、それに熱中してどんどん進んでいるときはいいのですが、ふと立ち止まり周りを見渡した時に迷子になっているときがあります。そんな時に、立ち返る場所として各名著を「教科書」として使っていたということのようです。
なるほど、とこの考え方を学べた時点で結構満足(笑)でもあるのですが、もう少しだけ本書を紹介したいと思います。
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現場のスタッフの判断の質こそが、会社全体に対するお客様の評価を決める
真実の瞬間の質を引き上げることで企業の競争力を高める
ワンツーワンマーケティング
個別の要望に合わせて製品やサービスを提供する考え
星野社長もこの理論は時間とコストをかけて必死に追い求めるだけの価値がると確信している。お客様一人ひとりに100%満足していただくためにはそれだけの取り組みが必要だ
サービスを徹底するためには手間がかかったとしても、スタッフが顔を合わせて話し合うことが大切だ
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この辺りが、神髄なのかなと思いました。いかにお客様の満足度を高めるか、そのためには何ができるか、を突き詰めていくということは、私自身はもちろんのこと、仕事をしてお金を対価としていただいている人であれば全員が意識しておくべきことだと考えています。
そしてそのためのコミュニケーションとしては
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言いたい時に言いたいことを言いたい人に言う
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を大事にされているようです。確かに直接的なコミュニケーションは仕事という面だけでなく、人間関係全体の質とスピードを高めてくれるため、私も日々意識しています。
そして、”言いたいことを言い合えるだけのしっかりとした関係性を築く”こと自体が大切だ、という背景あるのかなと思います。
最後に星野リゾートの”成功の秘訣”として書かれているものをメモしておきます。
正直、これだけではよくわからないと思うので、気になる方はぜひ本書に目を通してみてください。
経営だけでなく、生きるうえで大切なことが多く含まれています。
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成功の秘訣-内村鑑三 大正15年7月28日 為:星野温泉 若主人
1.自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
1.本を固うすべし、然らば事業は自ずから発展すべし。
1.急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
1.成功本位の米国主義に倣うべからず、誠実本位の日本主義に則るべし。
1.濫費は罪悪なりと知るべし。
1.能く天の命に聴いて行うべし、自ら己が運命を作らんと欲すべからず。
1.雇人は兄弟と思うべし、客人は家族として扱うべし。
1.誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
1.清潔、整頓、堅実を主とすべし。
1.人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや、
人生の目的は金銭を得るに 非ず、品性を完成するに在り。
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私自身も、学びを実践し、経験として蓄積していきます。 -
2022年1月7日 再読
ついつい、定期的に読みたくなる。メモ。
キーワード
・教科書通り
・経営の定石⇔正しい経営判断の確率に差が出る
行動のブレが少なく、決断に自信を持ち、判断理由を明確に説明できる
・思い切った判断に勇気をもって踏み出せる
⇔何も買えられないことが一番のリスク
・書かれている理論を理解すると同時に、自社にどのように当てはめればいいのか、どこを変える必要があるのかと考えながら読む。頭の中が次第に整理され、やがてうつべき対策が見えてくる。
2018年
経営全般に関して、必読書が網羅的に記載されている。その書籍が企業経営においてどのようなシュチュエーションで必要かも理解することができる。
企業経営や、企業の戦略立案に携わることになった人は、最初何をすべきか、何をヒントにすべきかさえ、分からないと思う。
この本の中にある、教科書を熟読し、実行すれば、少なくとも、星野さんの発想と、業績には近づけるのかもしれない。
3度目くらいの読み返し。自分の会社のビジネスにとっての今の課題と、どこから手を付けていけばいいのか。まずは、実績に直結するMKTに集中して取り組みたい。