生きる力ってなんですか?

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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822273835

作品紹介・あらすじ

「勉強ができるだけじゃダメ!」「じゃあ、何が必要なの?」「…」答えられない大人のために、7人の識者が語りました。大人気シリーズ第2弾。親子で読んで語り合えるように、子ども用のページと大人用のページに分け、ほとんど同じ内容を、子ども用にはできるだけやさしく、大人用には詳しく書いている。

感想・レビュー・書評

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  • 7人の識者に、「生きる力ってなんですか?」とインタビュー。内田樹さんとC・W・ニコルさんの話が気になって、彼らの本を他のものも読んでみたいと思った。内田樹さんの話は不完全燃焼感があり、C・W・ニコルさんの話は自分に一番刺さった。

    メモ

    内田樹 できあいのシステムが壊れても生き延びていける力。楽観的で、先入観にとらわれず、ふところが広い(使えるものは全部使おうという臨機応変さ)、ローカルなパターンを発見する知性。

    乙武洋匡 自分で考える力

    西原理恵子 (引用)頭の中に貯金をすることがいちばんだというのです。子どもに知識と経験を与えるためなら、そして今お金があるのなら、湯水のようにお金を使いなさいと教えられました。

    C・W・ニコル (引用)イヌイットの長老は「人生でいちばんつらいことは、無数の生き物の魂を背負って歩かなければならないことだ」と教えてくれました。生き物が死んで、それが自分になるのですから。地球の生物は、植物も含めて全部きょうだいです。人間は生きるために、野生動物を殺したり、家畜を殺したりしますが、本来それはうれしいことではありません。でもそれが生きることの本質です。そのことを常に意識してきなければいけないと思います。

    (引用)どんな状況でもなんとか工夫して生き延びるスキルと、自分が船の一部であるという感覚を同時に持つこと
    ※海軍で、船に乗ったらみんな運命共同体で人は皆船の一部になること、乗組員が自分のことを最優先することになったら船は沈んでしまうことを学んだ。

    (引用)自然を大切にしない人は「生きる力」がない
    現在の自分の利益のために自然を食いつぶすという行為は、未来からものを盗むようなことです。結局自分たちの首を絞める自殺行為です。

    (引用)子どもが健全に育つためには自然の力が不可欠
    頭だけで考えるのではダメです。感覚が伴わなければ。そのためには体験が必要です。
    日本各地でいろいろな団体が自然と触れ合う活動をしていますから、なんでもいいので、家族で参加してみたらいいと思います。

    椎名誠 地球を守ること、親を助けること(世界的に見たら絶対安全な状態で子ども時代を過ごせる子どもはマイノリティ、それが恵まれすぎている不幸でもある)、頭の良さと感情と教養。

    高濱正伸 安心安全の中の子育てでは子どもは揉まれず、社会の荒波の中で生きていく力(人間関係の力)が身につかない。

    (引用)僕にとっての「エリート」の定義は、「人をより多く幸せにした人」です。

    三浦雄一郎 (引用)大きな夢を持つことで、自分が本来持っている「生きる力」を最大限に引き出すことができるようになるのです。

    おわりに
    時代によって必要なスキルは変わる。その場その場で生きていくうえで必要なものを自分で見極めて、それを手にするために努力を続け、学び続ける力が「生きる力」の正体ではないか。子どもに教え授けるばかりでは、かえって生きる力を削いでしまうかも。

  • 内田樹、西原理恵子、CWニコルなどが語る『生きる力』とは? - ネタりか
    http://netallica.yahoo.co.jp/news/20140508-00000004-excitebit

    日経BP社のPR
    http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/231520.html

  • 「生きる力」について7人の識者が語る。なかなかの人たちが集まっているのでどの人もおもしろかったが、内田樹が一番響いた。自力でシステムを作り出すこと。その通りだな。
    ほとんど同じ内容を子ども用のページと大人用のページに分け、子ども用にはできるだけやさしく、大人用には詳しく書いているが、内田さんだけは区別なし。大人も子どもも同じ言葉。だな。それでいい気がする。

  • 昔教科書で見た内田樹さんが含まれていたので手にとった。生きる力とはをテーマに7人の著名人が各々の主張を提示。

    個人的には高濱さんが主張する「もめごとは肥やし科」と「異性を学ぶ科」が現在自分に内在する不安を最も解消した。私は失敗が怖い、負の感情に苦しみたくないという理由でもめごとを事前に避ける傾向がある。高濱さんが言うところの"つまらない大人"になっている。けど高濱さんが主張するように、避けていつまでも外に原因を求めていては問題を解決することも自己成長することもできない。不器用でも問題に立ち向かえば少なくとも問題解決の可能性が高まる。結果的に「生きる力」も高められる。もめごと発生の確率を下げるための対策だけでなく、もめごとが発生した場合に自分はどう行動するかも考え想像し、その状況に陥った場合に対処できるようにしたい。

  • 7人の識者が、こども向け、大人向けに書いた。生きる力。

  • お試し。
    う~ん、セットにしようか悩むなぁ。

  • 今社会の様々な分野で活躍している7名の方が「生きる力とは」というアプローチでそれぞれの考えを述べている。中でも、偏った家庭で育った西原恵理子さんの価値観が独特。賛否両論あるとは思うけど、昔の良妻賢母論だけでなく彼女のような現実を生き抜く価値観を堂々と言える人がもっと増えて欲しい。

  • 各界著名人による生きる力の再定義。
    同じ内容を、子ども向け、大人向けの両方で書かれている。
    結局、生きる力って、最後の最後、自分で人生を決める力なんだよな。

  • 「7人の識者に聞きました」と書いてあるように、作家や教育者冒険家などの方々にまずは子どもたちに向けて「生きる力とは?」にそれぞれが思うところを述べている。難しい言葉遣いや言い回しもあるが、子供向けの文章にはルビがふってある・行間が広め、フォントサイズが大きめ、なので読みやすい。私自身が学習指導要領に書かれている「生きる力」とは、結局どういうことが言いたいのか?と疑問を持ったので、書名に惹かれて読んでみた。指導要領に書かれていることを学校でどのように教えていくのかという事はわからなかったが、「生きる力」をどのように捉えるか、については概ね自分が考えていることと一致しており、ちょっとほっとした。

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著者プロフィール

おおたとしまさ:教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートで雑誌編集に携わり、2005年に独立後、数々の育児・教育誌のデスク・監修・企画・編集を務め、現在は教育に関する書籍執筆および新聞・雑誌・webメディアへの寄稿を行う。テレビ・ラジオなどへの出演や講演も多数。心理カウンセラーとしての活動経験、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。著書は『ルポ名門校』(ちくま新書)、『勇者たちの中学受験』(大和書房)、『不登校でも学べる』(集英社新書)など80冊以上。オフィシャルサイト:http://toshimasaota.jp


「2024年 『学校に染まるな!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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