- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784827340617
感想・レビュー・書評
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上下巻まとめて。最初に出されたのは1973年だそうですが、全然古さを感じないと言うか、面白い、ただ一言に尽きます。「はじめに」の章で、本書のポジションやスタイルについてはっきり書いてくれているので、その丁寧さもこれから本を読む上で心構えがきちんと作れます。12人の人物をピックアップして各章で説明し、あくまで「平家物語」をベース(史実はその後)にした形であり、そこから関わりのある事件や人物を掘り下げてくれるのでとてもわかりやすい。当時の感覚や一般的な思想などもサラッと説明してくれているのでとても親切。正直建礼門院の章についても、以前呼んだ建礼門院本よりもページ数がずっと少ないのに理解しやすかったと言うか…。事情により後白河法皇の章を設けることが出来なかった本書ですが、ちょいちょい他のキャラの章で絡んでくるので存在感抜群ですが、それでも一章「後白河法皇」があれば嬉しかったなぁ…と思います。でも、このピックアップされた12人のキャラやそのほかのキャラを改めて知ることが出来、平家物語の魅力、人物の生き様、そんなものに気付かされた気がします。著者の言葉…「『平家物語』が一つの歴史叙述である以上、その主人公は時代そのもの 」「義仲の言葉は、事実でないにしても真実といってよいもの」他にもたくさん、とても響くものが多いです。
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[ 内容 ]
平家滅亡八百年、ロマンのヴェールを剥ぎとる。
『物語』の筋と歴史の流れに沿って、清盛、重盛等六名の主人公をとりあげ、各人物の実像と時代の実相に迫る。
[ 目次 ]
1 平清盛―猛き者の滅び
2 平重盛―死を望んだ知識人
3 源頼政―虚構の埋れ木
4 文覚―よき王法をめざす快僧
5 小督―乱世にもてあそばれた数奇の佳人
6 源義仲―法皇への怒りを爆発させた武将
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
「平家物語」の登場人物評?
当時の資料などを踏まえて「平家」との人物像のギャップやどういう役割を演じているのかなど面白く語られています。
源義経や平知盛はモチロンのこと平宗盛や熊谷直実といった人物まで書かれています。