年収防衛: 大恐慌時代に「自分防衛力」をつける (角川SSC新書 55)
- 角川SSコミュニケーションズ (2008年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784827550566
感想・レビュー・書評
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前作、年収崩壊の続き。一部重複。固定費を見直して、ほどほどの収入でも幸せに生きる方法を提案。201401
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森永氏が年収300万円といっていた時代には、「ドル換算で考えれば恵まれているので、年収に拘らず自分らしい生活をしよう!」という楽観的な視点から書かれていましたが、今はその年収をいかに防衛するか、年収が崩壊した場合に備えて何をすべきかという、悲観的な視点で書かれています。
この10年で、どんな会社に勤務していようとも無事に定年まで過ごすことが難しくなってきています、自分の親や少し上の先輩はそのような生活をできていたのに・・・という気持ちはありますが、時代が変わってしまったことを認識して、新たな気持ちで未来に対する備えをしていく必要がある時期に来ていると思いました。
以下はためになったポイントです。
・バブルが崩壊するのは、みんなが一斉に同じ投機対象に向かった後である(p18)
・先進国のなかで新自由主義の政策をとっている国は、日本・アメリカ・イギリスだけで、大陸ヨーロッパ諸国は社会民主主義である、新自由主義はグローバルスタンダードではない(p28)
・2006年日本の賞与も含めた正社員の平均時給は、2410円、これに対して非正社員パートタイマーの平均時給は、964円(正社員の4割)である(p31)
・明治政府は繰り返し、夜這い禁止令を出して、終身結婚制の道をとった、割烹着が満州事変後に一般家庭に普及したのは、着物が汚れるのではなく、夫以外の男性にあでやかな着物姿を見せないためのベールである(p40)
・メディチ家が利用した、お金と名声を交換するための道具が、芸術というあいまいな存在である、芸術家に作品を作らせて教会を飾れば、直接的な金品授与に当たらず当時の倫理に反しない(p44)
・2001年から2005年にかけて、営業余剰(企業利益)は10.1兆円増加している一方で、雇用者報酬が8.5兆円減少、配当金は2.8倍、役員報酬は1.9倍(p51)
・バイトを転々として30代になった人は、社会人としてのビジネスマナーを知っていないので、正社員に採用される確率が低い(p60)
・仕事効率関数という数式を使って計算すると、今の労働時間よりも2割少ない時間が、最も効率が良くなる(p76)
・ハイブリッド車はガソリン車比較で35万円割高、1リットル当たり燃費を10キロ改善しても、元をとるには、9.3万キロ走破する必要あり(p82)
・ネットオークションの成長に陰りが見えてきたのは、「すでに存在するものしか取引できない」という限界があるから(p110)
・一番の節約方法は、固定費である、家賃・住宅ローン・保険料・車の維持費・光熱費を減らす工夫をすること(p135)
・夫が35歳の必要保障額が4800万円でも、45歳では3200万円、55歳であれば1600万円でよくなる(p142)
・ANAマイレージに搭載されたエディを使うと、200円につき1マイルのマイレージがたまる(p155) -
テレビや雑誌でおなじみのモリタクの本。前著『年収崩壊』の補足版といった内容で、社会情勢の考え方、時代に合わせた働き方、発想術、資産運用、節約術などを書いてあります。
ただ、今となっては少し内容が古いのであえて新刊で買うほどの価値はありません。
同じ著者でも新しいものを求めて買いましょう。 -
この本は、2008年11月25日に発行されたものですが、直前の9月に破綻したリーマンブラザーズのことについては言及していませんでした。
森永卓郎さんの肩書は、経済アナリストですが、この本はどちらかと言うと、経済の専門家が論じた社会哲学のような感じで、新自由主義など、まるでマイケル・サンデル教授の講義かと思われるような言葉が出てきます。
ただ、サンデル教授が、これからリーダーになる人に向かって、社会を俯瞰した視点で話しているのに対し、森永さんは、私たち庶民の目線に立って、社会を見上げるように書いています。
リーマンショック、ギリシャ破綻、タイの洪水と世界経済を翻弄する事件も起こっていますし、日本は東日本大震災の後遺症に苦しんでいます。
この本は、まるで今の世界や日本の経済を予測していたように、そのような状況における私たちのありかたについて示唆を与えてくれます。 -
「年収崩壊」の使い回しが多いように感じた
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経済アナリストのモリタクさんの著書。
金融資本主義の限界について、ハゲタカ外資が日本を来襲し、サブプライムローン問題が
発生し、今に至るまでの流れをわかりやすく解説してくれてます。
そこそこ稼いで、ほどほどに暮らすという欧州スタイル、あこがれます。
年間総労働時間が500時間も欧州のほうが短いのに、
GDPはたいして変わらないって・・・・・日本はどんだけ非生産的な労働しちゃってるんでしょうかね。
夏休みも日本の1週間に対して1ヶ月とれるんだし、いいよなー。
森永氏の自論はおもしろい。恋愛が需要も供給も拡大させてさせてくれるとかってのは、読んでみると結構納得感あるかも。笑
モリタク流発想術と称して、巷でエコと言われている物が本当にエコなのかどうかなど。おもしろいのはハイブリッド車。
なにげに値段が普通車より高く、その分を燃費改善だけでまかなおうとすると10万kmは走らないといけないなど。
まあ、今だったらエコカー補助金あるけどね。
なんというか、経済の話、恋愛の話など多岐にわたるけどこの人の本はなかなかに
おもしろいと思う。
目次
第1章 「年収崩壊」から「年収防衛」へ
(金融資本主義が限界に金融資本主義の変質 ほか)
第2章 「年収防衛」時代の働き方
(一貫して増える非正社員増えたのは役員報酬と配当 ほか)
第3章 モリタク流発想術(エコは本当にエコ?
バイオ燃料の本当の目的 ほか)
第4章 モリタク流資産運用術
(株取引ゲームと株式投資知恵を使ってお金を守る ほか)
第5章 モリタク流節約術
(お金がなくても豊かに生きるお金が貯まる人は? ほか) -
[ 内容 ]
「年収崩壊」のヒットから1年。
私たちの暮らしは、アメリカに端を発する金融市場の崩壊から、ますます厳しいものになっている。
なぜ、「金融資本主義は限界に達したのか」、「この先どんな状況が待ち受けているのか」。
常に、さまざまな疑問をわかりやすく分析する著者が、お金に振り回されず、明るくたくましく生きのびる「年収防衛」時代の働き方や暮らし方を提唱する。
誰かに頼るのではなく、自分の幸せの形を見つける方法や人生を豊かにする高齢者の恋愛まで、盛りだくさんの一冊。
[ 目次 ]
第1章 「年収崩壊」から「年収防衛」へ(金融資本主義が限界に 金融資本主義の変質 ほか)
第2章 「年収防衛」時代の働き方(一貫して増える非正社員 増えたのは役員報酬と配当 ほか)
第3章 モリタク流発想術(エコは本当にエコ? バイオ燃料の本当の目的 ほか)
第4章 モリタク流資産運用術(株取引ゲームと株式投資 知恵を使ってお金を守る ほか)
第5章 モリタク流節約術(お金がなくても豊かに生きる お金が貯まる人は? ほか)
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[ 参考となる書評 ] -
多様化な社会について多種多様に書かれてます。
漠然と不安だけど何をすればよいかわからないという方に特におすすめ。