社長の器: 張富士夫の現場力御手洗冨士夫の説得力

  • ビジネス社
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828412009

感想・レビュー・書評

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  • 開始:20080907、完了:20080908

    トヨタとキャノンという2つのエクセレントカンパニーを取り上げた本。2人の社長のインタビューをベースに、トヨタとキャノンの強みを改めて整理している。従って、特に目新しさを感じるような内容がなかった。それと、トヨタとキャノンの共通項も、ビジョンと危機感がある、ぐらいものまでしか掘り下げられていない。最後に、「トヨタとキヤノンが合併する日」とあるが、モノづくり会社、というそもそも大きな概念でくくっているだけだ。以下、気になった言葉。松下は事業部ごとの独立性が強いが、実は中央で統制されていた。そのすべての情報をにぎっていたのが松下幸之助氏という構造。松下の経営構造のカギを握っていたのは「経理社員」と呼ばれる特殊な任務を帯びたメンバー。他の社員と採用経緯が異なり、入社後は「松下経理大学」という養成部署に配属。経理社員は事業部長の決断に対する拒否権をもっていた。経理社員はその立場を保障されていた。一時松下に6000人いた。日立は各工場が予算をすべて握っていた。ホンダの特徴のひとつは一般の従業員にいたるまでとてつもなく車好きの集団。張さん、東大剣道部。大野さんに「人間尊重」と「人間性尊重」は違うと教えられた。「人間尊重」とは言葉のとおり人間を尊重すること、「人間性尊重」とは人間の持っている「考える能力」を「尊重すること。そうあらねばならない。キヤノン、三自の精神、自助、自発、自治。右手にカメラ左手に事務機。アメリカでは定期預金の利子以上の利益を出せないようならそんなビジネスやめてしまえ。御手洗がアメリカでとった作戦はAE-1のテレビCMを大々的にうつこと。資金150万ドルは銀行融資で調達。キャノンUSAの年間広告予算にほぼ匹敵する金額。好調なときほどリストラを断行する。アメリカではどの優良企業も借金がなく自己資本比率がとても高い。キャノンUSAも無借金会社にした。アメリカにいかず日本にずっといたら危機感を感じることもなかった。パソコンはIBM、NEC、富士通、東芝と比較して将来どうがんばってもベスト3に入る力はないと判断せざるをえなかった。どの企業でも新たな事業を始めるときは抵抗は少ないが、既存事業をやめるとなると、その事業にかかわってきた人たちの思い入れもあるし、メンツもある。職場を替わることへの抵抗もあろう。そんな人間的なしがらみが壁となって、撤退の決断ができなかったり撤退できても時間がかかって傷口をひろげることなるといった事例はよく聞かれる。「この事業に命を懸けているから撤退を再考してほしい」という技術者もいた。説明したが理解しない。そこで最終的に「勝手に命を懸けてくれるな、迷惑な話だ」と言い渡した。仕事は目的ではない。利益を生み出す手段でしかない。利益を生まない仕事はほかと入れ替える。セル生産方式をソニーから導入。はるかに人間的。ベルトコンベアより。長浜キャノンでやった。相手が納得するまで説得を続けること。アメリカが長いから東京本社の派閥とかしがらみがなく、人を公平に見ることができた。借りものではない自らの思考と体験で作り上げた主張だけに説得力がある。

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