トヨタの闇

  • ビジネス社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828413990

感想・レビュー・書評

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  • 著者、渡邉正裕さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    渡邉 正裕(わたなべ まさひろ、1972年 - )は、日本のジャーナリスト。MyNewsJapan代表取締役兼編集長。元日本経済新聞記者。

    ---引用終了


    そして、もう一人の著者、林克明さん、どのような方かというと、次のような記事を見つけました。

    ---引用開始

    1960年長野市生まれ。業界誌記者を経て週刊現代記者。1995年1月からモスクワに移りチェチェン戦争を取材、96年12月帰国。第一作『カフカスの小さな国』で小学館ノンフィクション賞優秀賞受賞。『ジャーナリストの誕生』で週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。

    ---引用終了


    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    2007年の生産台数世界一が確実となったトヨタ。年間1千億円超と、全上場企業でダントツの広告宣伝費の萎縮効果は抜群。本屋には「おべんちゃら本」が並び、雑誌は広告と区別がつかない記事を書いてスポンサーに媚を売る。しかしその実態は、欠陥車をどこよりも多く作り、どこよりも多くリコールされる不良品メーカーである。その労働現場は「自動車絶望工場」の時代を引き継ぎ、社員が工場内で若くして過労死しても労災すら認められず、正当な労組活動すら制限されるほど“思想統制”は行き届く。既存メディアがタブー視してきた、日本企業・日本社会の象徴としてのトヨタの本当の姿を伝える。

    ---引用終了

  • トヨタの闇 単行本 – 2007/11/7

    トヨタの闇を報道できない構造になっている既存メディアの穴の解説書
    2010年9月11日記述


    2007年(平成19年)11月の段階で、トヨタ自動車のリコールなどの問題がある事を取材の上で予測していたのは凄いと言える。

    もちろん「就職先はブラック企業」などのような他の書籍を読めば、トヨタ自動車以上に酷い経営をしている企業が日本中にあることも事実ではある。

    ただ、大企業などに対して広告収入で成り立つ既存のメディアは腰の引けた報道しか出来無くなってしまっているという事実を分かりやすく1章の部分で指摘しており、またその点が本書の中で一番重要な箇所ではないかと思う。

    2008年9月にいわゆるリーマン・ショックが起きて以来ますます広告収入が減り、既存の新聞、民放TV、雑誌が大変苦しい状況になっている。そういう意味において広告収入に依存せず誰にでも遠慮することなく報道できるメディアというのがますます重要になってきているのかもしれない。

  • ・内容はタイトルほどのインパクトはない。
    ・トヨタだけが抱えている問題ではなく、日本のどの大企業にもあてはまる。
    ・リコールの数が多い、という記述には説得力がない。(出荷台数も日本一多いところが考慮されていない)
    ・10万人以上いる従業員の中から過労死した人、うつになった人1人ずつの例をあげているが、この実例だけで会社を訴えるのは厳しそうだ。
    ・組合の弱さも指摘されているが、どこの企業内組合も似たり寄ったりのところ。組合の責任のなさを追及するには難しい。
    ・最終的に何を言いたかったのか、不明確。
    ・「自動車絶望工場」のほうが論点がはっきりしていてよい。

  •  ウォルマートでは社員全員で「W」とプリントされたTシャツをきて、万歳しながら合唱するらしいし、HPでは社交はほとんどが社員同士で外部とのかかわりは少ないらしいし、思想統制と社員管理なんて大企業では当たり前のこと。それでも、みんな望んで入社しているのは、優れた制度やシステムならば隷従してもいいと考えているから。 

     外国の労働者にはヒドイ仕打をしているトヨタだけど、トヨタの躍進に私達は民族的優越感をくすぐられてしまう。ヒドイ仕打は私じゃない誰かに向けられているから無関心でいられる。

     Just in timeとか言って在庫リスクから逃げたり、規模にかまけて下請けをいじめるトヨタはどうなのかなと思う。そして、悪いトヨタを報道しないマスコミもどうなのかなと思う。
     でも一番罪深いのは一般ピープルたち。プリウスを買う時にトヨタの清廉さなんて考えない。そこで私たちは悪意の知らんぷりをしている。

  • 現在、自動車会社の工場に勤めてる私にとっては、非常に身近に感じる内容だった。言葉がでないが、身に染みる思いをした。

    巨大な車を1分に1台作る自動車工場は、徹底した効率化とムダの排除が行われている。その分、何か大切なものが欠けている気もする。

    世界を牽引する日本の自動車会社。
    その裏側には決して妥協の許さない組織体制が成されている。

  • 鎌田慧の名著「自動車絶望工場」と比べると、抑えた記述となっている。
    トヨタは労務問題に関して、かなり問題の多い会社というのは知っていた。

    トヨタは、経済的成功によるヨイショ本氾濫や、その圧倒的な広告費によるマスコミ批判記事自粛などで、悪い点が隠されすぎてしまっている。

    まあ、大体予測できた内容なので★x 3

  • ゴミ本。友人の勧めに従って読んだが、こんな本を面白がってるんじゃ知性が疑われる。内容はトヨタの肥大化した労組について、閉鎖環境で独自の文化を築いている。しかし著者の余りにも拙い文書でまとまらない、分からない。

  • トヨタの下請会社で働いていた自分にとってこの本に入り込むのは時間がかからなかった。

    トヨタ式っていうのはこういう大人数の犠牲に近い労働によって出来上がったものです。
    トヨタの下請けはトヨタが休みじゃない限り休めないし、休みの日にこそ在庫を作らないとトヨタ様の希望に沿う生産ができない。

    トヨタの下請け会社はトヨタの右へ倣え。
    トヨタ様の言うことは絶対なのでさらに厳しかったです。
    こんなのまだマシじゃない!と思いながら読んでたりもしました。

    そんな中でも、トヨタ車を作っているという誇りを持って働いていた自分が健気に思えたり、その誇りがあるからこそ働けていたのだと思います。

    抜け出してみると「しんどかった」の一言に尽きます。

  • まだ読んでいる途中だけれど、「これ本当なの…?」と言いたくなるほど暗くドロドロしたトヨタの裏側、現実。トヨタ否定本が世の中に少ない理由、リコールが圧倒的に多くてもあまり世間に知られていない理由…広告料で殆どのマスコミ、大多数の企業は実質口封じされている状況。
    何を信じていいのかわからなくなる。
    (追記)読了したけれど、やはり後味が悪い。後編の労働組合の闘争にあった、「トヨタが変われば日本は変わる」が印象的。本書の内容が事実なら世の中に蔓延するブラック企業の世界的トップである。そりゃ、ここが変われば日本は良くなるだろうに。でも、いまだに信じられない。

  • 日本の自動車業界のみならず、経済界そのものの中核とさえ言えるトヨタの内情を知らしめる本。
    過重労働、危険な工場、多額の広告費によるメディア制御など、華やかなイメージとは対照的な闇がある。
    一寸先は闇という経済の中、清廉潔白な企業など稀有であろうことは想像に難くない。だが従業員、ひいては顧客の安全を軽視する言い訳にはなりえない。
    しかし、トヨタ以上に悪質な企業が多数存在するのも事実。クソみたいな国だ。

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著者プロフィール

渡邉 正裕(ワタナベ マサヒロ)
ニュースサイト『MyNewsJapan』(mynewsjapan.com)のオーナー、編集長、ジャーナリスト。
1972年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、日本経済新聞の記者、日本IBM(旧PwCコンサルティング)のコンサルタントを経て、インターネット新聞社を創業。一貫して「働く日本の生活者」の視点から、雇用・労働問題を取材、分析、提言。著書に『企業ミシュラン』シリーズのほか、『10年後に食える仕事 食えない仕事』『35歳までに読むキャリアの教科書』『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』『トヨタの闇』など多数。

「2020年 『10年後に食える仕事 食えない仕事 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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