膨張する金融資産のパラドックス

著者 :
  • ビジネス社
4.00
  • (3)
  • (3)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828418582

作品紹介・あらすじ

もうゴールドしか信用できない!?GDPに対して大きくなりすぎた金融資産が金融危機を引き起こすパラドックスに世界は突入した!膨大なデータから論証する世界経済の失速。超低金利国債バブル崩壊による金融危機に備えよ!そしてバブル崩壊の妊識はいつも遅れる!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 金融バブル→恐慌 バランスシートの縮小・適正化
    10年サイクル
    2008年リーマン・ショックから15年目に突入

  • マクロ経済,金融.面白いなあと思った.
    特に数十年を見越して金融資産をリスクにかける自分には大局的に市場を見る力が必要だなと思った.

    「誰かの資産は誰かの負債」

    マクロな視点から金融市場,経済の流れを見るいい本.
    元はメルマガで書いていたことをまとめていたようで本書も同じことを言っている箇所がいくつもある.

    ・金融恐慌は信用という風船の破裂.
    ・リーマンショックはなぜ起きたのか.
     ⇨デリバティブマクロ経済、金融

    金融資産が増えるということは誰かの負債が増えるということ

    ピケティのr>gは言い換えれば,金融資産(=誰かの負債)の増加率は所得の増加率を常に上回る
    ⇨所得で払いきれなくなった負債はデフォルト 信用の収縮

    誰か=世帯、企業、政府、海外

    金融危機への処方は全部一緒。財布が国債発行。中央銀行の利下げ、国債購入→量的緩和

    土地、ゴールドは誰の負債でもない資産

    株式会社の事業活動の利益は株主の物。経営者や労働者の働きではない。

    不動産バブル→地価下落開始から人々が認知するまで2,3年
    不動産業者も売れなくなるので下がるとはいえない→情報が出てきにくい。まだ上がると言い続ける。

    リーマンショックのカラクリ、デリバディブの仕組みがわかる。ブラックスワン、これからの正義の話をしようの金融恐慌部分とリンクするところが多い。
    リーマンショック→デリバディブ債権、実態にそぐわない格付け、互いがデリバディブ証券とMSBをモチモチにしていたのでダメージが連鎖的に広がる→アメリカ大手銀行が全て潰れる危機

    ハイパーインフレは生活に必要な物資の供給不足で発生。グローバルな生産とロジスティックシステムが作られた現代ではそう簡単に起きない

    ゼロ金利→預金課税、預金金利を銀行と債務者に所得移転するようなもの

    日銀ってジャスダックに上場しているの初めて知った...

    金融危機の本質→借りた主体の所得で利払いと返済が可能な額になるまで増えすぎた金融資産が縮小すること

    中国の元発効の準備試算はドルとドル国債→人民元の価値を裏付けるのは米ドル
    自国通貨が弱い国は外貨を後ろ盾にする→これからは金にシフト?
    日本円もドルの付属通貨

    株価=理論値+ブレ(VI ) ブレは上下20%

    長期的には本質的価値をもつ金、土地がいいか

    金etf→現物保有型と価格保証型、後者はペーパーゴールド

    先進国株を定期購入している自分は金保有がリスクヘッジになりそう。

    ドルが基軸通貨な理由→原油取引でドル使用が規定されてる。アメリカの軍事力と引き換え

    リーマンショックは一年前から兆候が出ていた。
    金融屋さんは自分たちの財務状況が芳しくないとき、それをできるだけ隠そうとする
    中央銀行が介入しとコントロールできない金利の異常な上昇は一つのサイン?,複雑に連鎖する金融機関

    ・世界の基軸通貨はドル,
    ・日本は金融緩和で国債を発行しすぎた.金利が少し上がれば日銀は純資産を上回る損失が発生.金利があげられない.

    ===
    ここ最近,ネットを見ていると日経平均株価やダウの高値更新と実体経済に乖離があるんじゃないかと思う.
    もう間も無く信用という風船が縮小するときではないだろうか.
    タネは発行しすぎた国債??

  • 数年前から、金の価格が上がる説を唱える人が増えてきたように感じていたが、それが何故そうなるのか?について自分の中でイメージが無かった。この本では、作りすぎた国債の金利負担に耐えきれなくなると、通貨を巻き込んだ信用収縮が起き、金の価格が上がると書かれていた。うーん、自分の腹落ちにはもうちょい読まないと分からない。


    また、住宅ローンの変動金利がいつ上がっていくのか? も気になっていて、これは、10年もの国債の利率と連動しているような話も聞いてはいたが、これも何故なのか?がよく分からなかった。まあ、分からなくても、予兆を検知できれば、ローン金利地獄にならないで済むかとは思っているので、それが少しわかった気がする。
    こちらも、国債の金利負担が国にとって深刻であり、金利をあげられない状態になっているらしい。金利が上がると、金利分の支払いが苦しくなるという事で、金利を上げる方向での動きは今後も少なそう。ただ、金利が上がると、金融危機が引き起こされるという事で、長期的に見て、金を買えという事らしい…

    この一月で米国発のきな臭い株価下落が始まった感もあるし、中間選挙で次は何か起きるぜというアメリカ人の同僚の発言も気になっていた所なので、色々と用心してかかった方が良さそうかな?と。

    http://www.bb.jbts.co.jp/marketdata/marketdata01.html

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1972年、東京大学卒業(専攻フランス哲学)。流通業勤務のあと経営とITのコンサルタント。87年に店舗統合管理システムと受発注ネットワークをグランドデザイン。経営、業務、システムの指導。95年~2000年は旧通産省の公募における情報システムの公募で4つのシステムを受託して開発。2000年、インターネットで論考の提供を開始。メールマガジン『ビジネス知識源プレミアム(有料版)』『ビジネス知識源(無料)』を約4万人の固定読者に配信。経営戦略、商品戦略、在庫管理、サプライチェーン、ロジスティクス、IT、経済、世界金融、時事分析の考察を公開し、好評を得る。主な著書に『臨界点を超える世界経済』『仮想通貨 金融革命の未来図』『米国が仕掛けるドルの終わり』『膨張する金融資産のパラドックス』『マネーと経済 これからの5年』『マネーの正体』(いずれもビジネス社)、『財政破綻からAI産業革命へ』(PHP研究所)、『ザ・プリンシプル:経営の100の原則』、『利益経営の技術と精神』(商業界)などがある。

「2020年 『アフターコロナ 次世代の投資戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田繁治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×