森に消える道 (ベスト・チョイス)

著者 : ブロック・コール 中川千尋

• ベネッセコーポレーション (1992年9月25日発売)

感想・レビュー・書評

[times10さんの感想 · 2010年11月9日]

原題は『The Goats』（スケープゴートの「ヤギ」より）
１３歳のとある少年少女がいじめにより身ぐるみを全部剥がされ裸のまま、サマーキャンプ場に置き去りにされる

その後自力で島を脱出、空家にて服、車から小銭を失敬し逃げた。
逃避行の中で多くの人に会い怪訝な扱いを受けながら二人のきずなを深めていく。

いじめられていた二人が恋というにはあやふやなどこか倒錯的な感情を持て余しながらともに逃避行をしていく

[mario3さんの感想 · 2013年8月20日]

福武のベストチョイスのシリーズはハズレがないので、学生時代にかたっぱしから読んでいた。
今回手にとってみて、もしかしてその頃に読んだ本かも、と思ったけど、読み終えた今は、再読だったか自信がない。
というのも、とても抑えた表現の多い本で、ストーリーのわりに地味な印象だったからだ。
（とはいえ、ヤギにされて、のされたことの内容は非常に不快な嫌がらせだ。こんなことする奴らはひどい目にあうがよい・・・）
少年は、少女は、という書き方には最初のほうはかなりひっかかって、読みにくいと思えたけど、読み終えた今はあの表現のよさがわかった。

作家が違えば、もっとずっと派手に、感動的に描かれてしまいそうだけど、この作家のこういう演出に、ちょっと感動した。

ルイス・サッカーの「穴」とかを思い出す。
アメリカの子どものサマーキャンプってとてもポピュラーなイベントなんですね。