天秤の錯覚 (富士見ファンタジア文庫 30-3 ねこのめ 1)
- KADOKAWA(富士見書房) (1992年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829124482
作品紹介・あらすじ
ばかやろー。ウサギと間違えられるだけでも屈辱だっていうのに、こんなへんぴな惑星に無理矢理つれてこられて、そのうえ呼ばわりされて殺されそうになるなんて、いくらジゼルが猫だからって、あんまりだー。ジゼルは猫型生体機械。飼い主は、衰退をめざす銀河文明のなかでただひとつ発展をつづける巨体企業E・R・Fコーポレーションの会長夫妻の娘、なつめだ。身体の弱いなつめのために、銀河のあちこちを見てまわり、内蔵のレコード装置に記録しようと、勇んで旅に出たとたんにこの大騒ぎだ。わけのわからぬ宮廷内闘争にまきこまれるし、ジゼルはいったいどうなっちゃうんだろう。ねえ、アスラ、なんとかしてよー。『ねこたま』『まさかな』につづく小林めぐみの最新長編。煌きのコスミック・ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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文体が独特なので、好き嫌いは分かれそうなのです。私個人の好みで言えば「好みではない」「こういった文体は嫌い」なのですが、その個人の好みを超えたところで小林めぐみの書く小説はそこそこ好きです。といっても「君が夢、河を上りて」「大地をわたる声を聞け」そしてもう一作(ホラーだった覚えがあるけどタイトル覚えていない…)しか読んでいないので説得力に欠けている自覚はあります。
さて、本作。3巻で完結のねこのめ1巻「天秤の錯覚」。
「ねこのめ」は3冊ともひたすらタイトルが好みの真ん中を撃ち抜いてくるのでいつか読みたいと思いつつも、SF調ファンタジー(ファンタジー調SF?)は苦手なジャンルでもあったのでずっとずっとスルーしていました。
今回読みながらこの時代のラノベはやっぱり相性いいなと思います。私が齢を順調に重ねているからかもしれません、若い文化を受け止めがたくなっているのかも。
そんなことを思い巡らしつつも素直に楽しみました。
いったいいつ書かれた物語なんだと奥付を見ると、初版発行は平成4年。平成4年って何年前だよ、平成4年=1992年だから30年前か…って…30年前って何年前よ!?(錯乱詳細をみるコメント0件をすべて表示