SHI-NO愛の証明 (富士見ミステリー文庫 76-4)
- KADOKAWA(富士見書房) (2006年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829163795
作品紹介・あらすじ
「最悪-貴方だけは生き残る」志乃ちゃんの、闇に沈み込むような口調に、ゾクリと魂が-身体ではなく心でもなく、僕という存在そのものが震えた。デパートに閉じこめられ、あと二時間で時限爆弾が爆発するという状況で志乃ちゃんは平然とそんなことを言う。もしも、爆弾も解体できず、犯人も見つけられず、二時間のタイムリミットが迫るという最悪の状況になったとしたら-。あの日、銀色の髪の少女が言ったように、志乃ちゃんは本当に犯人もろとも僕以外の人々を殺してしまうんだろうか。必要とあらば、キララ先輩や自分自身でさえも?いや、そんなのは駄目だ。志乃ちゃんは誰も殺さない。誰も殺させたりなんかしない。僕らは、まだどうしようもないほどに他人かもしれないけれど、僕はこれからもずっと志乃ちゃんの傍で生きていきたいんだ。いつか、彼女の本当の家族になるために-。ダークな魂を持つ小学生の志乃ちゃんと大学生の僕との純愛系ミステリー第四弾。
感想・レビュー・書評
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“「きっちり一秒間隔……」先輩が腕時計で確認しながら、掠れた声で呟く「こら、間違いないわ」
「間違いないって、何がですか?」
もちろん、僕だって全く創造がつかないというわけではない。上半分の存在は謎だが、少なくとも下半分のそれらは――そのタイマー表示からどの様な意味を持つものであるかなんて、凡そ常識的な想像力をもっている人間なら誰にだって分かるだろう。
ただ、納得し難い心情があるだけで。
それはこの場にいる誰にも共通する思いだったのだおる。ゴクリという唾を飲み込む音さえ聞こえてきそうな静寂の中で、先輩は微妙に引き攣った笑みを浮かべながら、それを宣言する大役を見事に果たしてみせた。
「時限、爆弾や」”
先輩なら時限爆弾くらい解体できそうなものなんだけど。
うーん。
主人公たち落ち着きすぎではないかと少し疑問に思ったり。
犯人を欺くための工作がそこからだとは思わなかったり。
“生まれてきた意味を求め、生き続ける意味を求め、死なない理由を探し、死にたくない理由を探し、ただただ無為に生きる人々を見つめ、その在り様に絶望し、愚かしく思い、それでも最後に辿り着いたのが、この解答。
人はただ、生きていたいだけなんだという願いなのだとしたら。
世界には、生きたいと願う人間だけが生きている。それが答えなのだとしたら。
『だが、悲しい事に――生きたいという人間の意志は、しかし、死によってのみ完結される』
彼らの嘆きは、僕らが感じているものよりもずっと、深かったのかもしれない。”詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
志乃と僕の目指すものが提示されました。
ああ、自分はこれがみたかったのだなぁ。と自覚。
「殺人者」の志乃を抑え込む僕との純愛。
ミステリーよりラブストーリーとして読むなら相当秀逸なんじゃ。
なかなかに今回はミステリー部分もしっかりしてましたし。 -
2007.3.23
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シノシノはいつも通りかわいくて、主人公(名前なんだけ・・・;)は大学生であり一般人なのに撃たれて、真白たんは中学生のくせにコスプレして、なんか・・・イイ!!!