SHI-NO支倉志乃の敗北 (富士見ミステリー文庫 76-6)
- KADOKAWA(富士見書房) (2007年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829164037
作品紹介・あらすじ
「これは、死体の絵です」絵画展で、志乃ちゃんがあるクイズに答えたことがきっかけで、僕らは画家のアトリエに招待されることになった。なりゆきとはいえ、志乃ちゃんとの旅行は初めてのことだ。普通の女の子らしさを見せてくれるようになった志乃ちゃんとも、最近はだいぶ近い距離でつきあえるようになった。ずっと一緒に居たいし、一緒に居て欲しい。こうやって少しずつ、僕は志乃ちゃんの家族になっていけると思っていた。あせらず、ゆっくりと僕らのスピードで。その先にある幸福を信じて明日を生きて行こうと。だけど、僕は思い知らされるのだ。それがただの夢にすぎなかったことを-。大学生の僕と小学生の志乃ちゃんとの純愛系ミステリー。二人に緩やかな変化の時が訪れる。
感想・レビュー・書評
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画家のアトリエで起こった連続殺人事件。
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“「いや、才能は絶対の論理なんかじゃないよ」
「そうでしょうか?才能は、容易に努力を駆逐するものですよ。よく、努力すればどうにかなるなんて考えている人がいますけど、それは間違いです。だってそうでしょう?もし才能の無い人が、他人の何十倍も努力するのだとして、どうして才能のある人が同じだけの努力をしないと言い切れるんですか?凡人は才能の怠惰を望まなければ勝てないんです」
少年向け漫画誌の登場人物達は強大な敵を倒すために修行とかするわけだけど……それで勝てる彼らは、天才なんかじゃないのだろう。ゲーム上で世界を滅ぼさんとする大魔王を倒すためにレベル上げにいそしむプレイヤーもまた、凡人でしかない。
本当の天才は強大な敵であり悪の大魔王だ。
だから漫画の登場人物もゲームのプレイヤーも、彼らが努力しない事を祈るしかない。
強靭な敵が同じように修行していない事を望むしかない。
最初の街を出た瞬間にエンカウントしない事を信じるしかない。
そうする事でしか、僕らは才能を超えられない。”
だんだんとグロさが増している気がする。
“「曰く、『布団は最も身近な悪魔である』」
「……それは誰の言葉?」
言うまでもなく、ぐーたら大学生が勝手に作った言葉である。
自分で言っておいてなんだが、志乃ちゃんが真似しない事を祈るばかりだ。
ちなみに大学のとある友人は、「布団が悪魔なんてとんでもない!彼女はツンデレ天使なんだよ!最初は冷たくするけど、やがて優しく暖めてくれるんだ!」と熱く語っていた。” -
うはー・・・。なんか後味がよろしくないなぁ;
死体描写はリアルに想像するとおえってなりそう。
志乃ちゃんが普通の女の子みたいになったらちょっと物足りないなぁ。
もってるのはここまで。 -
転換点。
なんだかshi-noらしくない話ですが、いまんとここれが一番おもしろかったです。
動機や着地まできれいに仕上がっているかと。
ラストのアレは、気にせずにはおれない。。