SHI-NO-シノ-空色の未来図 (富士見ミステリー文庫 76-8)

著者 :
  • 富士見書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784829164105

作品紹介・あらすじ

「キミは絶対、ボクのことを好きになる!」出会ったばかりの高2の春、僕に宣戦布告してきた大薙詩葉。予知能力者を言い張るイタイ女だ、なんて思ったけれど、僕はまんまとしてやられた。その言葉どおり、彼女を好きになってしまったのだから。詩葉には、本当に見えていたのかもしれない。彼女の死後、詩葉の名を騙った誰かが今の僕を故郷に呼び戻すということまでも-。詩葉はもうこの世に居ない。自殺したのだ-と言われている。僕は、彼女の死ときちんと向き合うために故郷へ戻ってきた。今度ばかりは、志乃ちゃんの手を借りるわけにはいかない。僕が自分で、詩葉と決別するのだ。この先、志乃ちゃんと一緒に生きて行く為に。-って、あれ?志乃ちゃん!どうしてこんなところにっっっ!?大学生の僕と、小学生の志乃ちゃんとの純愛系ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • “「じゃあ、予知ってのはなんや?」
    「二つある。一つは天気予報のように積み重ねられた過去のデータから計算された、確率論上にある最大値です」
    将棋や囲碁、チェスのような盤上ゲームのプレイヤーはその場での最善手を打っているわけではない。常に一手二手、更にもっと先を考えながら戦っているのだ。彼らの思考はその時、未来を進んでいる。相手の手を創造し、起こり得る現象を予測している。
    天気のようなマクロな世界では盤上とは比べ物にならないほどの可能性が生まれてしまうが、基本は同じだ。
    要は――『起こり得る事しか起こり得ない』のだから。
    「もう一つは想像。頭の中に生まれたイメージが形を生み出す」
    「失敗すれば妄想です。成功すれば現実。そして多くの場合、成功させるために予知能力者はあらゆる手段を行使します」
    盤上ゲームで言えば、相手を脅迫して負けさせるのだ。将棋なら二歩でも打たせてさっさと反則負けをさせてしまえば良い。天気を確実に操る術はないが、雨雲にロケットを打ち込み、無理やり雨を降らせるという手段もある。
    両者は全く異なる手法ではあるが、現象そのものに違いはない。トリックを観測する事が出来ないのなら、どちらも未来予知だ。
    昔から、占い師と呼ばれる人々は二つの手法を使い分けながら、多くの何も知らない民衆に崇められてきた。彼らが優れた知識を持っていた事に疑いの余地はないが、予知も予言も誰にだって可能なトリックに過ぎない。
    「大薙詩葉も何らかのトリックを使っとったって事か?」
    「そうです。つまりこれは、大薙詩葉が作り上げたゲーム。過去に死に、未来に生きる彼女からの挑戦状です」”

    僕の昔の掘り起こしとか。
    大薙詩葉によって仕組まれていたことが、長い年月を超えて、陽の目に当たるといった感じか。

    “「まぁ、けど……確かに一人前の顔をしとるで、今のアンタ」
    運転席へと乗り込んだキララ先輩がバックミラー越しに笑った。
    これってもしかして、キララ先輩に認められたのだろうか?
    何故だか無性に気恥ずかしくて、とっさに隣に座る少女へと視線を向けた。
    「志乃ちゃん。どう?」
    「……不細工」
    「ありがと」
    流石は志乃ちゃん。一刀両断させたら世界一だ。”

  • 電波的な彼女か、うそつきみーくんと壊れたまーちゃんが読みたい……

  • いままでのなかでは間違いなく一番のでき。
    おもしろいです。キャラもみんなよかった。
    四月の事件が気になる〜

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