王法と仏法 (法蔵館文庫)

著者 :
制作 : 平 雅行 
  • 法藏館
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本棚登録 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784831826077

作品紹介・あらすじ

「中世は武士、そして鎌倉新仏教の時代である」。誰もが教科書で知るこうした歴史像は、決して正しいものではなかった――。

強靱な論理力と斬新な学説で中世史の構図を一変させ、「武士階級発展史観」にもとづく中世理解に鋭く修正を迫った黒田史学。「顕密体制論の立場」「「院政期」の表象」「中世における武勇と安穏」「「中世」の意味」など、その精髄を示す論考を収めた不朽の名著。解説=平雅行。

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黒田氏の論考は、私たちが懐いている歴史像のゆがみを、白日のもとにさらけ出す力をもっている。神話とは古事記や日本書紀だけの話ではない。私たちは今なお神話の時代を生きている。そしてゆがんだ神話が、さまざまな形で現代社会を拘束し、私たちの意識にも大きな影をおとしている。こうした現実への批判意識が、神話的歴史像の解体へと黒田氏を駆りたてつづけた。氏の研究は、学問のための学問から最も遠いところにある。私たちは氏の諸論考から学ぶだけでなく、何よりもその学問的姿勢を継承しなければならないはずだ。(「解説」より抜粋)
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※本書の「解説」は、2001年に法藏館より刊行いたしました『増補新版 王法と仏法:中世史の構図』に収録の「解題」をもとに、近年の議論を踏まえ、大幅に改訂したものです。

感想・レビュー・書評

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  • 新書で「寺社勢力」があったが、文庫版で黒田俊雄を読むことができるようになったのは、慶賀の至り。一般書だけに、論証が簡略化されていて、なぜそう言えるのだろうと疑問になる部分もあるが、顕密体制論のエッセンスを学ぶには最適の書であると思う。

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著者プロフィール

1926年富山県に生まれる。1948年京都大学文学部史学科卒業。1960年神戸大学教育学部助教授を経たのち、大阪大学教授、大谷大学教授を歴任。1993年歿。著書に『蒙古襲来』(中央公論社、1965年)、『荘園制社会』(社会評論社、1967年)、『日本中世の国家と宗教』(岩波書店、1975年)、『寺社勢力―もうひとつの中世社会』(岩波新書、1980年)、『日本中世の社会と宗教』(岩波書店、1990年)、『黒田俊雄著作集』全8巻(法藏館、1994~95年)など多数。

「1995年 『黒田俊雄著作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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