信長が見た戦国京都 (法蔵館文庫)

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  • 法藏館
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784831826145

作品紹介・あらすじ

信長はなぜ京で討たれたのか

戦火による都市の縮小、治安悪化にともない横行する犯罪と頻発する喧嘩、惣構を設け「城塞」と化した都市で自衛・自治する町人たち――。上洛した織田信長が見た京都は、応仁・文明の乱と度重なる政争を経て、かつてとまったく異なる姿に変貌していた!

同時代史料から、「町」が社会集団として成熟していくさまや、戦国期京都がたどった激動の軌跡を尋ね、都市民らの視線を通して信長と京都の関係を捉え直した斬新な戦国都市論。

【本書の内容】
はじめに 「異形」の者たちの上洛
第一章 若き信長と城塞都市京都
1 上京・下京と洛中洛外
2 惣構に囲まれた上京・下京
第二章 自衛・自治する町と町人
1 惣構の中の都市世界
2 惣町・町組・町の成立
第三章 林立する日蓮宗寺院と信長
1 惣構の一角を占める日蓮宗寺院
2 信長と敵対していなかった日蓮宗寺院
第四章 信長と京都の深い溝
1 足利義昭と再上洛した信長
2 義昭の謀叛と上京焼き討ち
終 章 信長、京都に死す
略年表
参考文献/あとがき/文庫版あとがき

※本書は2010年に洋泉社より刊行された書籍の文庫版です。文庫化に当たっては文章を改め、「略年表」を追加しました。

感想・レビュー・書評

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  •  応仁・文明の乱以降、戦乱の巷と化した京都というイメージで語られてきたことが実際どうであったのか、著者は、信長の見た京都という視点から掘り下げていく。

     特に、第二章の「自衛・自治する町と町人」は、社会集団、共同体としての町、町組、惣町の成立、関係等について具体的に説明されており、大変参考になった。両側町の成り立ちなども、碁盤目状の都市だからこそなのかと、腑に落ちた次第である。

     都である京都が平安京としてできて以降、実はかなり変貌を遂げ、現在の京都になっている、その時間的経過と都市景観の変化を主題としている一般書を最近何冊か読んでー本書もその一冊となるがー、実際、京都に行って、自分の眼で確認してみたいと切望している。


     本書の元版は洋泉社歴史新書yである。今はなきかつてのラインナップを見て、現在の自分の関心にドンピシャで、今読めたらなあと思うこと頻りであるが、こうして新たな形で読む機会が得られて、感謝の念で一杯である。


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著者プロフィール

1963年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。奈良大学文学部教授。主な著書に『中世京都の都市と宗教』『祇園祭の中世』(以上、思文閣出版)、『絵画史料が語る祇園祭』(淡交社)、『戦国仏教と京都』『室町時代の祇園祭』『信長が見た戦国京都』(以上、法藏館)などがある。

「2021年 『改訂 祇園祭と戦国京都』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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