球詠(11) (まんがタイムKR フォワードコミックス)

  • 芳文社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784832273535

作品紹介・あらすじ

秋大会、埼玉県ベスト8にコマを進める新越谷ナイン。次戦の相手は、夏の県代表・咲桜高校。苦戦が予想される中、詠深はなんと三回まで走者一人許さない完璧な投球をみせる。しかし、当の詠深は味方さえ寄せ付けぬ空気を纏い…!?

TVアニメ化もされた本格美少女野球物語、第11巻!!

感想・レビュー・書評

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  • 「異様な雰囲気の中みんなはいつも通りを選んだ」過去の新越谷への嫌味・悪口で怒りに駆られる詠深を訝しみながら強豪校と相対するという今までと違った異様な雰囲気の中で試合が展開されていくが、珠姫を始めとしたナイン各々が詠深を気遣いオールフォーワンの気持ちで勝ちに行く姿を見て、改めて素直にとても良いチームだなと思わせてくれました。あと野球やめたら何する?の会話の中で、タマちゃんが当然のようにヨミちゃんと同じ部活に入る前提で話をするのを見て、既に私の正妻力測定スカウターがぶっ壊れていました。

  • 完全に○す気で投げてたヨミちゃん。タマちゃんのおかげでダークサイドから無事生還することができました。で、結局前回の県代表相手にパーフェクトリレー。完全に噛ませ犬になっちゃった埼玉西武ライオンズ、もとい咲桜高校。まさか1冊で試合終わっちゃうと思わなかったよ。もっとも、この試合に関しては描きたかったのは試合じゃないんだろうけども。とりあえずタマちゃんと希の負のパワーでスカウターが故障することはわかった。でも、タマちゃんがロッカーで聞いたヨミちゃんの聞き捨てならない言葉ってなんだったのだろう。

  • 前巻ラストで突如闇堕ちしたかに見えた詠深、その理由は中学時代の同窓に出会った為かと予想していたんだけど、今もまだ尾を引き続ける過去の不祥事への憤りが根底に有ったのか……
    というより、今の部を愛しているからこそ何処へ行っても停部の件を持ち出される事に怒りが爆発したと見るべきか

    過去の不祥事を払拭し今の野球部を認めさせる為にはそれこそ不祥事の後に入部した新世代が力を見せつけなければならない。だからこそ詠深は一人で奮闘することにしたのか
    そこで力の限りの投球を始めた詠深の底力がトンデモなかったのだけど……。投げる球の軌道は黒一色、投げられたバッターは顔を引き攣らせ、周囲にはプレッシャーを振りまき……
    それは鬼神と評するに相応しい姿。そもそもからして強豪校相手に完全試合を成立させようとした時点で普通じゃないし、それで実際に相手の打線を完封できていたのだから可怪しいのだけど

    味方にとっても想定外の光景。これに対して驚き慄くだけに終わらず寄り添おうとする姿がいいなぁ。特に2回表が終わった際に詠深の異変に気付きつつも余計な事を言わず隣に座った怜と理沙の姿は良かったな
    あれで暴走しつつも詠深は一人でないと感じられた

    その姿が示すように野球は一人でやるスポーツではないんだよね。どれだけ許せない事が有ったとしても、どれだけ打倒したい相手が居たとしても一人で出来る事なんてたかが知れている
    バッティングでも好調を見せようとするなら、その調子の維持には限度がある。そうして崩れ始めた詠深をサポートするようにチームメイト達がシフト守備によってカバーを始めた。なら詠深はそれに応えなければ本当に一人になってしまうというわけで
    松井との勝負シーンで意地を捨てて変化球に切り替えた詠深はようやくにして憤りよりも信頼を優先できたという事だったのだろうね

    その状態の詠深であれば珠姫は話せる事がある。というより、詠深と珠姫は互いの為に野球を続けていたわけなんだから、一人で野球をしていた詠深を野球部に連れ戻した時のように、今回だって一人で頑張ろうとしていた詠深を皆の中に戻せるのはやっぱり珠姫だけの役割なんだよね

    そして詠深が強攻を辞めてしまったら咲桜打線に捕らえられるかと思いきや、打たせて捕る戦法へと様変わり。また、序盤では鬼神のようなプレッシャーを放っていた詠深が慈愛に満ちたオーラを放つ変化を見せたのは驚きの光景だったかも
    最終的に先輩組が攻守を引き継ぐ形になって試合を決定的にしたのも印象的な展開


    試合には無事に勝てて準決勝進出。でもそれ以上に部内に蟠っていた過去への憤りに踏ん切りが付けられたという面で大きな意味を持つ試合になったんじゃなかろうか

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