新装版 運命を創る (安岡正篤人間学講話)

著者 :
  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833421256

感想・レビュー・書評

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  • 2020年6月14日記述

    運命を創る 新装版 人間学講座
    安岡正篤(やすおかまさひろ)氏による著作。
    2015年4月4日第1刷発行。
    この作品は1985年12月に発行されたものを新装版化しました。

    著者の安岡正篤氏は
    1898年(明治31年)、大阪市生まれ。
    大阪府立四條畷中学、第一高等学校を経て
    1922年(大正11年)東京帝国大学法学部政治学科卒業。
    東洋政治哲学・人物学を専攻。
    同年秋に東洋思想研究所、1927年(昭和2年)に(財)金鶏学院、
    1931年(昭和6年)に日本農士学校を設立。
    東洋思想の研究と人物の育成に従事。
    戦後、1949年(昭和24年)に師友会を設立。
    広く国民各層の啓発・教化につとめ
    1983年(昭和58年)12月鬼籍に入る。

    岩田松雄氏の著作の中で会社等の組織で上に行くにつれて徳、人格を磨いておくことの大切さを説いており、その中で「人を動かす」や松下幸之助氏などと並び読んでおくと人格面を磨く効果があると安岡正篤氏を薦めていた。
    それで初めて著者を知った。
    Wikipediaを参照する限り、当時かなりの影響力を持った思想家とも言える。
    ただ歴史教科書などで言及される事は無い。
    自分も中学校、高校、大学受験でも日本史を愛好していた。
    ただ全く知らなかった。
    他の著作に目を通さないと評価しきれない所はあると思う。
    ただ個人的には古いこともあってわかりにくいと思う箇所もあった。
    古代中国の思想家の考えも今ならもっと噛み砕いた本も出ているしそっちを参考にしても良いのかなと思う。
    あと本書は各地での講演をまとめた内容になっている事も本としては中途半端になっているのかなと感じた。
    あと最初の部分に出て来る旧満州だけの野望、独立に留めていたら問題は無くいったはずであるという部分はちょっとどうなんだと。
    結果を見れば旧日本軍、関東軍は制御できなかったし。
    明治時代までは良かったが・・・昭和はまるで駄目という感じは司馬史観とよく似ているなと。
    (もちろん昨今ますますカルト化している上念司氏や百田尚樹氏などのトンデモ歴史認識よりははるかに良い事は事実だ)
    睡眠や食事に気をつけ健康管理を重視せよという指摘はその通り。
    ナポレオンも負けた戦、悪い判断をした人生後半の時期はかなり体調が悪くなっていたのだという。

    印象に残った部分

    人に嫌われぬための五箇条
    1初対面に無心で接すること
    有能な人間ほど、とかく慢心や偏見がありまして、どうしても有心で接する。
    これはいけない。どんな人にも初対面に無心で接せねばならぬ。

    2批評癖を直し、悪口屋にならぬこと。

    3努めて、人の美点・良所を見ること。

    4世の中に隠れて案外善いことが行われているのに平生注意すること。
    これは自己を明るくし、社会観を明るくします。
    実存主義者の反対です。

    5好悪を問わず、人に誠を尽くすこと。


    学問というのは片輪ではいけない。
    今までのような専門なんてものにとらわれておっては行き詰まりだ。
    専門家になると、型が決まって非常に狭くなってしまって、その結果、あることについて深く知っているが、他のことは何も分からぬということになる。
    ほかのことが分からぬだけならいいのだけれども、
    他のことが分からぬと専門が行き詰まる。
    専門になるほど富士山のように裾野が広くなければならぬ。
    できるだけ、他の世界に関心をこまかに持たなければならぬ。

  • 明治維新以降、教育体制が整い、技術や教養を充分に教えられるようになった反面、「人間学(人間の精神に焦点を当てる学問)」が疎かになってしまった。そして、その人間学がどれほど大事かというものを、古代中国の偉人(孔子など)をあげて説明している。

    確かに、今コロナウイルスで外出できない中で「どう精神を良い状態に保つか」が結構大事になっている。自分の精神を良い状態に持っていく術を、普段からもっと考えるべきだなと思った。それが人生の充実に繋がるはず。

    教育には愛だけではなく、「敬」が必要であるというのがビビッときた。よく部活とかで、後輩から「厳しい先輩」とか「とっつきにくい先輩」と思われたくないというので、後輩に対して指摘したいことがあっても厳しく言えなかった。でも、それで甘やかすだけではいけない。社会人となり後輩を持ったときは「敬」の部分も意識してみようと思う。

  • 古臭いと言えば古臭いが、世代を超えて今の時代だからこそと思える様な教えが綴られている。
    改めて面と向かって年長者から語られたらスルーしてしまうかもしれないが、実は気にしたことがあっただろうかと考えさせられる。

  • 安岡正篤が生前に書いた文章や企業の入社式などで話した内容をまとめた書。漢学専門ではあるが、欧州や西洋社会への造詣も深そうに見える。ご本人も専門家が自分の専門に閉じこもってはダメで、色々な分野の人と混じり合って大いに刺激を受けるべき、若くして朽ちてはダメというのは非常に共感を覚えた。漢学や中国の昔の書の教養を積み重ねているのは素敵だと思う。もう少し読み進めてみようと思う。

  • 説教臭くておもんなかった

  • 何かの参考文献を見てこの本を知った。恥ずかしながら、著者の名前も…。座右の書にしたい一冊。買おうかな。

  •  
    ── 安岡 正篤《運命を創る(人間学講話)20150331 プレジデント社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4833412659
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19831213 耳よりの使者 ~ 細木誤録 ~
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20081111 誤録&諸辞苑 ~ 云いたがえの研究 ~
     
    …… 日本を全く骨抜きにするこの3R・5D・3S政策を、日本人はむしろ
    喜んで、これに応じ、これに迎合した、あるいは、これに乗じて野心家
    が輩出してきた。日教組というものがその代表的なものであります。
    そのほか悪質な労働組合、それから言論機関の頽廃、こういったものは
    皆、この政策から生まれたわけであります。(20150331 新装版)
     
    ── 安岡 正篤《運命を創る ~ 人間学講話 19851210‥ プレジデント社》P39
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4833421259
     
    (20100906)(20210321)
     

  • 勉強になった。

  • JT木村さん推薦のうちの1冊。歴史観等。『それでも日本人は戦争を選んだ』とセットで。

  • 安岡正篤の著述、講演を纏めたもの。珠玉の人生訓に溢れる。

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著者プロフィール

明治31年大阪市に生まれる。
大正11年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業
昭和2年に金鶏学院を設立。
陽明学者、東洋思想家。
終戦の詔の起草者の一人。
昭和58年死去

著書
『易學入門』『全訳 為政三部書』『東洋思想と人物』『暁鐘』『王陽明研究』『陽明学十講』『朝の論語』『東洋学発掘』『新編 経世瑣言』『新憂楽志』『老荘思想』『古典を読む』『人物・学問』『光明蔵』『政治と改革』『古典のことば』『この国を思う』『儒教と老荘』『旅とこころ』『王陽明と朱子』『人間維新Ⅲ』『憂楽秘帖』『明治の風韻』『天子論及び官吏論』(明徳出版社)

「2000年 『人間維新 III』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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