かさもって おむかえ

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 387
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834005103

感想・レビュー・書評

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  • 『今宵も喫茶ドードーのキッチンで』の中に出てくる絵本だが、この内容を知らなかったので図書館で借りる。
    最初に書かれているのが、雨の詩なのかなぁ。
    知らなくてもなんとなく節をつけて歌ってしまいそう。

    雨が降り出したのでおとうさんを迎えに駅まで行ったかおる。
    電車は、次々とくるのにおとうさんの姿は見えず。
    そこへおれんじいろのとらねこが、地下鉄から乗り換える駅まで案内すると連れて言ってくれる。
    緑色の電車の中は動物ばかりという不思議な体験をしながらおとうさんの乗ってる電車に。
    おとうさんを見つけたとたんに涙。
    ほっとした涙やね。

    不安な気持ちって哀しくさせる。

    かなり古い本だが、今の時代にはなんとなく書かないような…。
    たとえおはなしの世界でねこが連れてってくれるとしてもついて行くことはないだろうというのが、現代。

  • 少し前に読んだ小説の中に登場した絵本。
    実際にあると分かり気になっていたところ、最近雨が続き、傘を持って我が子をお迎えに行くことが続いたので良い機会かもと購入。

    タイトルから、親が子のお迎えに行くお話だと勝手に想像しましたが逆でした。しかし我が子にはヒットしたようで家に届いたその日から寝る前の読み聞かせリクエストは毎晩この絵本。

    子どもの目線からすると、
    ■子どもが親を迎えに行く
    ■動物と行動を共にする
    ■ワクワクと不安が入り交じる
    などなど、惹き付けられる要素がたくさんあります。

    そして親の目線では
    ■目的地まではあと×分ではなく「口の中のドロップが溶けて、あめふりのうたを2回歌っ」たら着く、待ち時間は電車が○本到着した、というのが子どもにとっての時間認識であること
    ■親に無事に会えた喜びと安堵は、いつもしている誰かに「ありがとう」や「さようなら」という挨拶をすることを忘れさせてしまうものであること
    を教えてくれます。

    かおるは果たして本当に動物も電車に乗る世界に行ったのでしょうか?それとも待ちくたびれて空想と現実が混ざってしまったのでしょうか?

    その答えは永遠に分からないけど、こういったお話の世界が時に子ども達の心の支えとなったり、想像力を養ったり、大人になってしまった親の心を鎮めたりほぐしたりするのかなと思います。

    1969年発行の絵本ですが、全く古さを感じません。
    色鮮やかな絵も魅力的な1冊です。

  • 『今宵も喫茶ドードーのキッチンで』で、ある親子がこの本を読んでいたため読んでみた。雨の日に、女の子(かおる)が駅までお父さんを迎えに行くお話。雨のシーズンに読みたい絵本だ。原色が鮮やか。
    かおるがドロップをなめながら駅に向かうのがいい(あの缶入りのドロップ、なくなってしまうのだろうか)。
    動物たちの緑の車両で、動物たちが人間みたいに座席にきちんと座っているのがかわいかった。
    かおるが、お父さんが見つからない、と思って泣き始めて、お父さんと会えたときにまた泣いちゃう。わかるなぁと思った。

  • 登録番号:0142062、請求記号:E/か

  • 傘を持ってお迎えに行った駅で、待っても待ってもお父さんに会えないかおるちゃんに話しかけたのはオレンジ色のトラネコ。
    一緒にお父さんの乗り換えの駅まで行くことになり、乗った緑色の電車はなんと動物専用車で…。
    子どもが迷い込むちょっと不思議な世界。
    トラネコとのお別れがかなりあっさりに感じたけれど、早くお父さんに会いたいかおるちゃんの心細さがピークだったんだな。無事会えてよかった。
    4歳8ヶ月の息子が気にしていたのは未知の食べ物〈ドロップ〉。
    女の子の名前もドロップも母には時代を感じる懐かしさ。

  • 夕方になって急に雨が降り始めたので、かおるは傘を持って出なかったお父さんのために駅へ。なかなか帰ってこないお父さんに待ちくたびれてしまった頃、かおるの目の前に1匹のトラ猫が現れます。
    「いつもお父さんが乗り換える駅まで一緒に行かない?」
    楽しくなってきたかおるは、トラ猫と一緒にホームへ。そこで1両だけ色の違う車両に乗り込んでみると――……。

    当方、小さい子どもが傘持ってお迎えに行く系のお話が得意でないのです。もうもうもう、不安になりすぎてしまって。大切な人がなかなか現れないのは怖いし、積極的に探しに行くのも帰ってこれなくなりそうで怖いし。
    かおるがお父さんを無事に発見した時は心底ホッとして、トラ猫のことは忘れていました。

    動物専用車両はもっと楽しい気持ちで乗りたいなあ。

  • 30年度  仲よし高学年 2-3
    5分

  • 【長新太の脳内地図展】を訪れたので再読。
    『かさもって おむかえ』は、私が初めて手にした長新太の挿絵が入った絵本です。表紙に描かれているクロクマのことがとてもとても好きです。顔の形も耳も目も鼻もまんまる。毛はほわほわしてそう。ひとことも喋らないのに、じわじわと迫ってくる地味な魅力。ああ見えてクロクマも毎日あくせく働いているのかもしれません。
    雨の日の夕方。駅のホームにいつもは見かけない緑色の車両が停まっていたら乗りこむのです。それで、隣にクロクマが来ますようにと念じてみれば、湿っぽい気分もきっと晴れ晴れ!

  • 不思議なオレンジ色の猫。

  • [江戸川区図書館]

    家庭学習週間で一人で読んだ本。

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著者プロフィール

征矢清 1935~2008年。長野県に生まれる。早稲田大学第二文学部露文科卒業。絵本に『はっぱのおうち』『おおきくなりたい こりすの もぐ』、童話に『やまぐにほいくえん』(以上、福音館書店)『かおるのたからもの』(あかね書房)『ガラスのうま』(偕成社・新美南吉児童文学賞、野間児童文芸賞)などがある。

「2017年 『ひよこさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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