本のれきし5000年 (たくさんのふしぎ傑作集)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 253
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834011395

作品紹介・あらすじ

わたしたちがふだん目にする本は、ほとんどが紙でできています。紙はわたしたちのまわりにたくさんあるので、その大切さをうっかりわすれそうですが、もし紙がきゅうになくなったとしたら、本屋さんのたなはからっぽになることでしょう。では、大むかし、紙がなかった時代には、本もなかったのでしょうか。また、もしあったとすれば、それはどんなものだったのでしょう。小学中級むき。

感想・レビュー・書評

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  • 本好きの下剋上にどハマり中の娘は目を輝かせながら、ふんふん、ほぉー!っと食いつき方が凄かった。

  • 紙が発明されるずっと前、粘土板に何らかの文字や記号を刻みつけるという行為は、DNAをRNAに、あるいはRNAをDNAに転写するという生命の誕生における営みとそっくりだと思った。

    それを、地球における生命の極限形態である人類が行っているということが面白い。

    さて、本書によると、かつてはエジプトのパピルスが本の材料として用いられていたそうだけれど、アレキサンドリアの巨大図書館に似せて、ペルガモンでも図書館を作ろうとしたところ、アレキサンドリア図書館から司書を引き抜こうとしたことにエジプトの王が怒り、パピルスの輸出を禁止してしまったことが、羊皮紙の始まり。

    これが西洋における紙の主流になっていく。
    そう、羊皮紙といえば西洋という印象が強いけれど、しかし中国ではすでに2世紀に紙が発明されていた。

    日本では7世紀には紙の生産がさかんになりだしたようだが、なんと西洋では、中国で誕生した紙が伝わるまでに1500年くらいかかったという。
    とても興味深い。

    とはいえ西洋の人々が紙を知らなかったはずはないと思うのだ。仮に当時はそれほど交通の便が発達していなかったと仮定しても、噂が伝わらなかったはずがない。

    ただ必要がなかったのだと私などは推測する。ではなぜか。そこを調べてみたらさらに面白いことになりそうな予感。つまり、なぜ羊皮紙でなければならかったのか問題。

  • 紙が発明される前の本から活字印刷本まで、書物の歴史を解説した一冊。
    丁寧な説明と綺麗で大きなイラストや図により、年齢を問わず本の変遷について楽しく知ることができます。
    本が粘土板や石板やパピルスを媒体に甲骨文字や楔形文字などで始まったことくらい知っているよという方は多いと思いますが、粘土板にびっしりと書かれた楔形文字や粘土の封筒や木簡の封印など…驚きの発見があるはずです。
    殺生を禁じるアジアの国々で作られたヤシの本、現存する世界最古の印刷物である日本の百万塔陀羅尼など、他にも素敵だなと思える情報が盛り込まれています。
    ペーパーレスの時代に突入しましたが、紙の存在があまりにも重要で長く使われてきたため、瞬時に移行することは不可能だろうと思っています。
    電子媒体のインフラが完全に整った暁に人類文明がどうなっているのか想像できませんが、紙の便利さはまだまだ捨て難いものですよね。

  • 文字、紙、本を刷る方法という、本に欠かせない要素の歴史のさわりを教えてくれる1冊。

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    この本は1989年にはじめて発行され、その後1992年に「たくさんのふしぎ傑作集」としてこの本の形で出版されています。

    今から30年近く前の本にも関わらず、内容はとても古びることなく、本の歴史にはじめて触れるための1冊としては、とても読みやすいです。

    小学校中級からとなっていますが、社会の教科書の画面構成に似ているため、本を読み慣れていない子は、最初は堅苦しく感じてしまうかもしれません。

    その場合は、ぜひ親子で少しずつ、読み進めてみられるといいかと思います。

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    古代の文字とそれを記した“紙”についてから始まり、粘度や木簡、木の葉などの“紙”、羊皮紙が誕生した歴史背景、そして印刷についてまでが歴史の流れとともに、要所要所をピックアップされて書かれています。

    写真も多く、文章も読みやすいのですが、ときどき文章だけでモノの説明がされているところがあり、写真がないためそのモノを想像するのが難しいときがありました。

    なぜ本を“冊”と数えるのか?その理由も、この本を読めばマメ知識として知ることができます。

    本の歴史は文字の歴史でもあり、紙の歴史でもあり、印刷や流通の歴史でもあるんだなと感じさせてくれ、その要素それぞれについてもっと調べてみたくなります。

    欲を言えば、さらに文字、紙、印刷について調べてみたくなったら、どんな本がオススメなのだろう??というところまで、子どもでも読めるオススメ資料を紹介してくれていたらいいなと思いました。

  • 「書物の歴史」挿絵からよみがえる記憶 辻村益朗(子どものころの本の思い出)
    C001-05 of Sola_Web
    http://sola.mon.macserver.jp/clm/c001/c001-05.html

    本のれきし5000年|福音館書店
    https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=01-1139

    本のれきし5000年|福音館書店
    https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=4271

  • 本が今の形になるまでの歴史が、美しい写真と文章で説明されています。粘土やパピルスなどの素材、ヒエログリフや甲骨文字、木版や活字など、本を構成する様々な事柄について知ることができます。

  • 古今東西の“書物”の写真が豊富。
    粘土板の封筒や最古の地図、木の葉のお経の本、いろんな印刷の方法など楽しい。
    掲載されている羊皮紙の楽譜の写真、他でも見たことがある。有名なものなんでしょうね!
    筒状のハンコをクルクルと粘土に押しつけて印刷するのやってみたい…。

  • 福音館書店 「たくさんのふしぎ」 傑作集

    福音館書店の傑作集よき
    大好きな本の5000年の歴史がわかりやすい


    「本の起源」 今から5000年ほど前
    世界でもっとも古い文明
    ナイル川のほとりのエジプト
    ティグリス川、ユーフラテス川のほとりのメソポタミア
    黄河のほとりの中国
    それぞれ自分たちの文字を持っていて、さまざまな記録を書きとめていた。
    エジプト 草(パピルス)でつくられた巻き物の本、象形文字「ヒエログリフ」
    メソポタミア 粘土でつくられた本、楔形文字

    紀元前2世紀のベルガモン(トルコ) エジプトからパピルスの輸出を禁止され、ヒツジやヤギの皮から作る羊皮紙(パーチメント)ができる
     子ウシの皮から作ったものはヴェラム

    アジアのインド、スリランカ、タイなど 木の葉にかかれた本

    中国 木のふだにかかれた本(木簡、竹簡)
     骨やこうら、銅、石、木、竹、絹など多くのものに文字や絵をしるしてきた
    3千数百年前には、甲骨文字(漢字の祖先)をきざんだ
    木簡や竹簡が重いため発明されたのが「紙」であったといわれる

    2世紀に生まれかわった製紙術は、1500年もかかってヨーロッパじゅうに伝わった

    活字印刷の発明 15世紀 ドイツ グーデンスベルク
     印刷の源 ①ハンコ(印章) ②拓本 ③型をつかってもようをそめる

    世界でいちばん古い印刷物 日本の764年~770年で100万枚印刷されたお経

  • 児童書なので基礎のキという感じだけどわかりやすかった。
    さすが児童書で、情報が多くないので、もっと知りたいという気持ちになる。
    羊皮紙はどうやって作ってるんだろう、とか、印刷の道具や機械を見てみたいなぁと思いながら読んだ

  • 紙の発明前・後、そして印刷技術の誕生と、今当たり前のように存在している本のルーツを知ることができます。
    今やタブレットの時代とは!

    ・世界で一番古い印刷物は日本の8世紀のもの
    ・和紙は8〜9世紀に誕生した

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著者プロフィール

辻村益朗 辻村益朗(つじむら ますろう)ブックデザイナー。愛知学芸大学(現教育大)美術科卒。本の装丁や割付、挿絵など、デザインの仕事は多岐にわたる。木版や手動機で刷られた東西の絵入り本や写本の研究、蒐集をしている。著書に『本のれきし5000年』『伝承おりがみ』(いずれも小社刊)など。

「2015年 『かいぶつ ぞろぞろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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