- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834018547
作品紹介・あらすじ
「げんじぬま」の主はトノサマガエルのサムライだ。ある日、目玉の光る化け物がアオガエルの背中に傷をつけた。平家ネコの仕業だと、「ともえ」が断定した。「合戦だ!」「いくさだ!」沼のサムライのカエルたちが集まった・・・・・・。豊かな想像力とユーモアあふれる文、繊細な筆致と壮大な場面の絵、『平家物語』を知らない子どもたちも存分に楽しめる一冊で、伝統と斬新さ、古典と創作をみごとに融合した傑作絵本である。
感想・レビュー・書評
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学童のお話会に向けて猛練習中の一冊。
読んでも見ても聞いても楽しいお話なので、学童と言わず幼児からでもどうぞ。約11分。
作者さんと挿絵画家さんは、【かえるをのんだととさん】と同じコンビ。
文章は七五調に近い語り物になっていて、リズミカルな楽しさがある。
語り手は、「げんじぬま」に棲む、がまがえるの「がまじいさん」。
「べんべんべん」と琵琶をかき鳴らして語ってくれるんである。
絵は、それはもう隅々まで描き込んだ明るい絵で、季節の花の名前を当てる楽しさもあるし、かえるたちの衣装や武具、合戦の場面までしっかり飽きさせない。
しかも、細かい部分を良く見ると、笑いがもれてしまう。
槍は草の茎だし、旗印は笹の葉だし、かえるさんが乗ってるのは馬じゃなくて「バッタ」。これじゃ怖くないよね。
歴史上の人物もちゃんと登場して、しかもその出し方が上手い。
ちょっと困ってしまうのは、源氏方はかえるたちだが、平家方が「黒猫」という設定。
あらら、この猫さん、そんなに悪い子じゃないといいなぁと読んでいくとやっぱり悪い(笑)
確かに、我が家の庭は毎年かえるさんのお墓がいっぱい建てられていて、しかも「犯猫」たちがその傍でぐうぐう寝ていたりする。
ごめんね、かえるさん。
でも猫たちもカラスに日々狙われて、真剣に生きてますから。
まぁ、お話の中では、賢い牛若丸に頭脳戦で破れることになっている。
一番おしまいのページでは、「げんじぬまのこもりうた」が登場する。
お話は終わっていても、ここもゆったり楽しみたい。
今の季節にお薦めなので、ぜひご家庭でもどうぞ。面白いですよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
◆【読み語り12分】絵:斎藤隆夫。◆源氏沼に暮らすかえるvs平家猫のおはなし。◆七五調の文体は心地よく、日本画で余白なく描きこまれた絵は美しく見ごたえがあり、かつ遊び心にあふれています。低音の名調子で読み語り、そのあとで絵に隠された遊び心の数々を子どもたちと確認できたらどんなに素敵でしょう。この本は、しっかり訓練して語りたい絵本です。◆低学年には難しいかと思いましたが、練習をそばで聞いていた次男(当時小3)が、お気に入りのフレーズを暗唱し、身振りも加え一緒に参加しだしたのに驚きました。対象年齢なし、かも。【2013/05/26】
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かえるがリアルではくりょくがあった。文章も、なんとなく昔っぽい。
かえるが源氏で、ねこが平氏、普通のお話とちがうのかなと思ったけど、義経が活やくしたり、平家がにが出てきたり、意外と本物っぽかったし、おもしろかった。(小5) -
「ユーモアあふれる文と繊細な筆致の絵で語るカエル版『平家物語』。「げんじぬま」住むカエルのサムライが、平家ネコに傷をつけられた。「合戦だ!」「いくさだ!」と沼のサムライが集まった……。」
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良かった
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リズムの良い文章で読んでいても、聴いている子ども達もとても楽しんでいます。特にがまじいさんをがまじいさんっぽく読むと良いです。子どももふと「ベンベンベン」と口ずさんでいたのが面白いです。
とにかく絵が細かくて綺麗です。娘は何度も眺めています。壇ノ浦の戦いにも興味が湧いたようです。
このシリーズの俵万智さんの『竹取ものがたり』もとても綺麗な絵本で素敵です。 -
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