- Amazon.co.jp ・本 (39ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834024494
作品紹介・あらすじ
アフリカ・ケニア北西に位置するエンザロ村ではかまどとぞうりが大はやり。日本人の生活の知恵であるこのふたつが、遠くはなれたアフリカの村でなぜ流行しているのでしょう?
感想・レビュー・書評
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娘の選書。
ちょっと文字数多めで長いけど、面白かったな。日本の人が、日本の知恵が、海外での暮らしをこんなに豊かにしてくれていたなんて。
最新の機器じゃなくて、現地にあるもので、現地の人が作れて使えるもの。
なんでもかんでも新しいものが良いって訳じゃない。
日本にいると忘れてしまう大切な事に気づかされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[台東区図書館]
リサイクル本コーナーで。
一見幼児向けする本だなと手にとったが、やや字が多く、一瞬ためらった。
が、中をざっと読んでみると、単にケニア現地の話、というわけではなく、日本かケニアのナイロビへの援助の話。
岸田袈裟さんという、30年ケニア在住の方が、「ケニアの人たちが本当に必要としていて、しかも自分たちで作れるものは何か」を考え、故郷岩手県遠野のかまどをヒントに試作を重ねて完成させた、エンザロ・ジコと呼ばれる三ツ口かまど。電気もガスもなく、それまでは地面に石で囲った焚火だけが調理手段だった現地の人にとって、料理が楽になっただけでなく、安心な水を入手する手段ともなった。その伝承も含め、いかに現地で重宝され、どのように生活に根付いているのかを紹介した本。後半では更に、足のケガから病気になりやすかった靴のない生活を心配し、安価で手軽に自ら作れるわらじの普及についても紹介されている。
書かれた内容に"身近(日本)"なことが入ってくるし、書かれた内容を事前に把握していれば要点だけを伝えることで幼児にも、日本の昔を勉強したい低学年にも、世界のことを知りたい高学年にも、海外協力を考える青年や大人にも。幅広い層に訴えるものがある、使える本だと思う。 -
日本の昔の生活の知恵がはるか彼方の地で生きています。挿絵を描かれた沢田としきさんのご冥福を祈って、再読。
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ケニアから離れた村、エンザロ村。そこに行ってみると、岸田袈裟さんという女性が村の人たちの役に立つカマドや、ある事やある事を教える活動をしていました。
やがてそれは隣り村、隣り村へと広がっていくのです。
アフリカで実際に活動されている方を絵本に仕立てた本。日本の昔ながらの知恵が、アフリカの物のない村人たちの命を救っている。
こう言う方達には頭が下がります。本当にすごい。(図) -
岸田袈裟さんのかまどは、とても参考になる
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エンザロ村にはかまどがある。
岸田袈裟さんが、村の人と会話を重ね、遠野で過ごした子ども時代の思い出のかまどがよいと、作り方を伝えたのだ。
地面に並べた3つの石の上になべをかけていた頃は、火をおこすこと、火を保つことが大変で、煮沸した水を用意できず、病気になる子、それで命を落とす子が多かったのだ。
・なべをかける口が3つある
・かまどの製作にお金がかからない
・子どもが火傷しない
・薪が四分の一ですむ
・飲み水の消毒が簡単
・かがまなくてよい
そして、各家庭で工夫されたかまどがある。
その土地のもので作るというのは大切なんだなあと。定着してひろがる結果につながっている。
あんがい、現代のエネルギー生活時代以前の暮らしに、SDGs のヒントがあるのかも。
2004年の作品。今、かまどはどうなっているのかな? -
JICAでケニアに渡り、日本式のかまどをアレンジした「エンザロ・ジコ」のほか、天然の浄水装置や御出身地の岩手県遠野の藁草履づくりを伝承した岸田袈裟女史の偉業を学ぶ絵本。娘と触れる夏の一冊。
かまどができてからの五年間に生まれた赤ちゃんのうち五歳までに死亡したのは135人のうち1人。それまでは7人に1人は死んでいた(熱殺菌の簡易化)という変化は確実に現地社会を変えている。
世界は広い。課題は山積みだ。 -
エンザロ・ジコ
岸田袈裟さんが故郷遠野での子ども時代の思い出から思いついたかまど。
電気も水道もないところに最新の機械や技術を持って行っても役に立たない。そこで暮らす人が、自分達の手で作ることができて、メンテナンスも行えること。それが一番大事なことだと岸田さんは知っていたのですね。
これこそ、地に足のついた国際協力です。
P4~5の絵と「どうしてアフリカ?どうして図書館?」の口絵カラー写真と比べて見てください! -
たまたま、さくまゆみこさんの講演をお聞きする機会があり、
その時にケニアにあるエンザロ村を映像で見せていただきました。
なので、この絵本には愛着があります。
エンザロ村は、水道も電気もガスもない所ですが、
どの家にもエンザロ・ジコとよばれる手作りのかまどがあって、生活に役立っています。
そのかまどは、なんと岸田さんという日本人女性が考えたもの。
一度に3つの煮炊きができ、たきぎの量も従来の4分の1ですみ、
わかした水が飲めるので赤ちゃんの死亡率が減ったり、など大活躍です。
人々は、さらに工夫を加え、それぞれの家ご自慢のかまどを作っています。
岸田さんはエンザロ村の人たちが本当に必要としているものを見極め、
さらにその生活にあったエンザロ・ジコを考えつきました。
岸田さんはまた、身近な材料で作れるわらぞうりを伝えました。
この遠野から伝わったぞうりは、パティパティとよばれています。
おかげで、けがや病気がぐんと減ったそうです。
ボランティアで本当に大切はことを何かを教えてくれるすてきな絵本だと思います。 -
アフリカ、ケニアの話。
アフリカ子どもの本プロジェクトの発足のきっかけとなった絵本。
日本のかまどの技術で、水を蒸留させて、感染症などの防止に役立ったことや、わら草履を伝えたりしたこと(これも感染症の予防に一役かったらしい)
よく、子どもたちにもわかりやすい内容でよかった。