うっかりものの まほうつかい (世界傑作絵本シリーズ・ロシアの絵本)
- 福音館書店 (2010年1月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834024845
感想・レビュー・書評
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絵本にしては意外に文章が長く、翻訳のせいかい子ども向けではないような表現も出てくる。
何より、このタイトルと内容が合致していなくて、特にラストが意外性があり、これでいいのかと突っ込みたくなる。
子ども向けの絵本は、元に戻ってすっきりしたり安心したりするものだが、これは違う。
それでも話の流れが面白いのだ。
「うっかりもののまほうつかい」なのは、学者さんのイワン・イワーノビッチ・シードロフで、機会作りの名人。
自分で作った家庭用の犬型ロボット、ロボ君が特にお気に入り。
可笑しいのはこのロボ君で、夜は自分で自分をばらばらにして眠るという。
しかも、驚くほどの万能ぶり。これは、子どもが憧れるだろうな。
さて、ある日散歩の途中に荷車をひいた馬に会って、この馬を猫に変えられるかと聞かれるが・・
ここからの展開が、実に可笑しい。
「そんな、まさか」で、最後まで引っ張っていく。
不思議な魅力のあるお話だ。
ところで最後の1行は「こうして、うまとねこたちはすっかりなかよくなって、いちばんのともだちになりました」となっている。
このラストにむかって、まほうつかいは一切登場しなくなるのだ。
それでも、このタイトル。なんともトボケていて可笑しいですよね。
オリガ・ヤクトーヴィチによる挿し絵の水彩がとても美しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いやぁすごい。話は、まあありがちと言えばありがちなうっかりさんの失敗話。
ただ横でフォローするのが、しっかりものの奥さんや口やかましいお隣さんでなく、このうっかりさんが、造り上げたロボット犬なのです。
で、なにがすごいって、この犬がアイボかと思う姿形、他にこのうっかりさんが発明した機械が、《掃除をする機械》・《ひとが話すことを書いてくれる機械》・《コーヒ豆をひいてコーヒーをいれてくれる機械》
これらのものって、実現されてますよね。
このお話は、1945年、当時のソビエトで発表されたもの。
いまから70年前に、こんな機械考えていた人がいたという事実、そして、それらが実現されている現在、どちらもすごいです -
よかった
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エヴゲーニイ・シュワルツ (著), オリガ・ヤクトーヴィチ (イラスト), 松谷さやか (翻訳)
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わりと現実っぽくて面白かった。
うっかり者の魔法使いにほのぼのした。 -
イワン・イワーノヴィチは魔法使いであり、機械作りの名人です。ある日散歩に出かけたイワン・イワーノヴィチは魔法のレンズで馬を猫に変えてしまい、元に戻らなくなってしまいます。馬はだんだん猫のように暮らすようになってしまい・・・。(約11分)
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[江戸川区図書館]
図書館でせがまれてその場で読んだ本。やや幼児に対しては字が多過ぎる感もあったが、4歳の息子は楽しんで読んでいた。
まほうつかい&科学者のすごさとうっかりぶりを描く前半が少し冗長に感じたが、子どもは発明品の紹介がされるたびに「これだ!」と指さしたりして飽きなかったみたい。 -
いくつもうっかり。
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2011年12月20日
<Рассеяный волшебник>
<Magic of a Careless Wizard>
装丁/辻村益朗、オーノリュウスケ -
10分前後。
話は面白いし、猫になった馬がそのまま馬車を引いたり、馬に戻ったのに、猫のような行動をするところとか、ビジュアル的な面白さが絵本向き。