- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834081978
作品紹介・あらすじ
寄宿学校で教師をしている「わたし」は、ある晴れた夏の日、学校近くの三日月湖、マッドガイド・ウォーターに浮かべたボートの上で、ふわふわの毛につつまれた、二足歩行するハリネズミのようなふしぎな生きものと出会います。そして、一粒のミルクキャンディーがきっかけとなり、「ヤービ」と名乗るその生きものと「わたし」の交流がはじまります。ヤービの語る彼らの暮らしは、穏やかだけれど、静かな驚きに満ちていました。
感想・レビュー・書評
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坦々と話が進んでく、ものがたりだった。
カラー挿絵もあって良い雰囲気。
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ファンタジーの初級編でファンタジーに入り込めない私でも容易にその世界を覗く事ができた。
入り込めないのにこの作家の書く世界は穏やかで難解だけど優しい気持ちになれるので読んでいるがこの本からレベルを上げていけば梨木氏に近づけるかも知れない。 -
優しい世界。私もヤービに会いたい。
環境問題のメッセージも込められているなと思った。 -
「寄宿学校で教師をしている「わたし」は、ある晴れた夏の日、学校近くの三日月湖、マッドガイド・ウォーターに浮かべたボートの上で、ふわふわの毛につつまれた、二足歩行するハリネズミのようなふしぎな生きものと出会います。そして、一粒のミルクキャンディーがきっかけとなり、「ヤービ」と名乗るその生きものと「わたし」の交流がはじまります。ヤービの語る彼らの暮らしは、穏やかだけれど、静かな驚きに満ちていました。」
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この人ってベジタリアンだっけ ムーミンにはなれんわ
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ヤービは三日月湖の岸辺に住む小さい生き物。主人公がヤービに出会った場所も人間による環境変化で小さい生き物達が住みにくい所となった。へこたれずに自分を取り巻く世界に向かって「がんばれ」と励ますヤービの姿が好印象。
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「ヤービ」という、架空の動物の生態と、マッドガイド・ウォーターの岸辺に棲む、実在する鳥や虫、動物や植物の生き生きとした姿を、見事に同居させながら、薫り高い自然の息吹をも感じさせてくれる、この作品は、さながら、ファンタジーを塗した、「センス・オブ・ワンダー」といったところでしょうか。
それから、小沢さかえさんの画ですが、以前に読んだ「チャーちゃん」とは、全く異なる感じなのが、また印象的で、「チャーちゃん」の哀愁を感じさせる幻想的な美しさに対して、ヤービの画には現実感があり、架空の動物に血肉を与えたような、自然な佇まいには違和感がなく、実在するかのようです。
そんなファンタジー要素を含んだ世界であるのに、現実感の強い本書を読みながら、私自身もマッドガイド・ウォーターの、たそがれ川のボートの上にいて、ヤービとともに、クジャクチョウを眺めたり、湿原の冷たくて気持ちよい風を感じたりと、自然の素晴らしさを追体験しているようで、なんて素敵で心地好い場所なんでしょう。
ただ、そんな場所にも、人間の環境破壊を思わせる描写があることには、胸が痛む思いがしましたが、もしかすると、読者がヤービの暮らしを見ることで、自然保護の大切さを考えるきっかけになるのかもしれませんね。
そうした思いから、是非、多くの子供たちに読んで欲しいです(児童書なんですけど、内容的にはやや渋く、大人も楽しめるのは、梨木香歩さんがこの作品を、「永遠の子どもたちに」 捧げていることからも窺える)。 -
西の魔女が死んだ」で有名な梨木香歩さんの児童書。海外の翻訳物のような雰囲気を持つ1冊でした。 岸辺に住む小さな生き物ヤービと、人間との交流。そしてヤービの冒険や成長の物語です。 優しくて癒されます。挿絵もかわいくて、全体を通して雰囲気がステキな1冊☺️
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図書館の方に勧められて読みました。
子供向けだけれど、私は好き!
ちょっと、ムーミンみたいな世界観だなぁ、と思いながら読みました。
登場人物は多くないのに、カタカナの名前が覚えられないのは、年齢のせいかな?とか思いながら、楽しく読めました。そこだけが残念でした。
最近梨木香歩さんにはまっています。 -
ディストピア物を読んだ後なので、本当に癒された。
まだ豊かな自然が残る湖沼地帯に住む小さな生き物たちを取り巻く物語。
こうやって、今あるものを大切に、互いを思いやり、出来る限りを尽くそうとする気持ち。
大きな人(人間)が、忘れ掛けてしまっているものを思い起こさせてくれる。
決して批判的でなく、戒め的な厳しさもなく、優しさで包まれるような物語。
それでも、やはり大きな人たちの経済活動の影響が見え隠れする。
続編も読みたい。
2021.12.19