まどのむこうの くだもの なあに? (こどものとも絵本)

著者 :
  • 福音館書店
4.15
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本棚登録 : 508
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834085686

作品紹介・あらすじ

果物をじっくり見たことはありますか? イチゴのつぶつぶ、メロンの編み目、スイカのしましま、パイナップルのでこぼこ。荒井真紀さんの手にかかると「果物ってこんなにも神秘的な植物だったんだ」と驚嘆します。拡大された果物を、一部、全体、断面と、段階的に見ることによって新たな発見があります。どうぞ果物の宇宙を感じてみてください。

感想・レビュー・書評

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  •  月刊「こどものとも年中向き」(2019年)が原書となる、この絵本は、対象年齢にぴったりな、親子で一緒に読み聞かせしながら楽しむのに、最適な絵本だと思います。

     「まどのむこうの くだもの なあに?」の言葉通り、最初のページ片面の真ん中に四角く穴が開いていて、そこから見える情報だけで、何の果物なのかを当てるゲーム性には、子どもが夢中になるものがあると感じ、捲ってみると、果物全体が現れて答え合わせといった具合で、正解ならば、用意していたそれをご馳走するというのも楽しそう。

     更に、その答えの裏のページに、今度は、その果物の断面図が現れて、普段、大人でも(大人の方がか)ちゃんと見ることのない、それには思わず「へぇ~っ」と、その計算されたかのように形作られた神秘性に見入ってしまい、改めて、果物も植物で生きているんだということを実感させられますし、一度読み終えたら、今度は折り返して、一部の断面図から当てる難易度アップのゲームに様変わりするので、是非お試し下さい。


     本書を描かれた、荒井真紀さんは、自然をテーマとした雑誌や書籍の挿絵の仕事をしているとのことで、本書の果物の細密画には、果物本来の存在感を教えてくれているようで、とても印象深いものがありました。

     例えばそれは、苺の葉っぱのこと細かい葉脈や、一粒一粒の種(実は果実。種はその中にある)から出ている細い毛のようなもの(雌しべの名残だとか)、光の当たり具合に加えて、下方の白みがかった描写(うどんこ病?)まで再現した忠実さであり、更に、その裏の断面図の、幾何学的に形成された様は、まるで創作アートのような美しさ。

     また、私が意外に思ったのは、パイナップルで、その表面の固そうなデザインが、まるでピーマンのヘタが並んだような、複雑さに見えたと思ったら、断面図の、繊維質がぎっしりと詰まった、その果汁が溢れ出てきそうな瑞々しさには、思わず、囓りたくなってしまうような素晴らしさです。

     その他にも、スイカのコンコンと良い音がなりそうな描写や、みかんの表面にある、ひとつひとつの点々模様の細密さと、その断面図の繊維質が絡み合ったジューシーな果肉の、それぞれに見せてくれる違った表情に、人間の個性のようなものを感じさせられたことに加えて、あまりじっくりと見たことのないキウイの、まるで種の入った羽根飾りを全方位に広げたような断面図の美しさも凄い。

     それから、最後の果物については私も分からず、どちらかというと、子どもの頃に、よく親しんでいたもので、この断面図も改めて見てみると、まるで皆それぞれ必死に生きていますといったようにも感じられて、改めて、果物がこの世界に生まれてきてくれたことへの、感謝の気持ちも芽生えてきます。

  • ブクログレビューを拝見し、図書館で借りてみた。

    部分的アップは、意外とわからないものなんだなぁ。

    絵本の作りが面白い。

  • 精密に描かれた果物の表面と断面。
    穴あきのしかけ絵本で、窓からその絵の一部を見て当てるあってっこ絵本です。
    小さな窓からのぞくことで細部に気づかされます。
    表紙から読むと果物の表面を見て当てる、裏表紙から読むと果物の断面を見て当てると両方から楽しむことができます。
    窓から小さく切り取る見せ方がとってもおもしろいと思いました。

    難易度は『やさいのおなか』くらいかなと思いましたが、どうでしょうか?

  • 黒いページに四角い穴。そこからのぞく果物なんだ?台詞のない絵本。荒井真紀さんの超リアルな、おいしそうな絵の魅力爆発です。後ろから読むとまた楽しい。傑作!

  • まどのむこうのくだものなあに
    2歳7か月
    最後の果物難しい!このちょっと難しいのが少し入っているというのが良いのです。
    絵もリアルできれい。

  • いろいろなくだものを 四角の窓から見ます。
    窓から見る果物は わかりやすいものもあれば「ザクロ」なんてレアなものもあって
    大人も子供も???と考えながら 楽しめます。

    窓を開けると 大きな果物丸ごとの絵 次のページは半分に切った絵。
    ことばはついていないけど きっとあれこれと話が盛り上がる素敵な絵本でした。
    そして 最後まで行くと・・・あらっ さっきの窓の中に半分に切った何かの種が。

    おすすめの1冊です。

  • くだものの一部をみて当てる絵本。

    前からも後ろからも楽しめます。
    ざくろが珍しかったようです。

  • ちいさな窓の隙間から見えるくだものを当てる絵本。大ヒット。なぜかパイナップルのところだけ「ぷるぷる」とか「ぱいなっぷるぷる」と小声で囁くように教えてくれる。後ろからも読める。購入検討。

  • 2歳9か月 すごいリアルで素敵な絵。キュウイ以外はわかったみたい。自分でめくって楽しそう。

  • 窓から果物の一部が見えていて、何かな?と当てっこ出来る絵本。

    写真みたいな色鉛筆画で、親が見ても綺麗で面白い。
    果物の外側で当てっこしたあとに逆から開いていくと、果物の断面が窓から見えて当てっこしていくのも楽しかったです。
    外側は分かるのに断面は分からないとか、逆もあったりして息子も「え?本当?そうなのー!」と楽しそうでした。
    りんごの断面が意外だったみたいです。
    種とか芯は取って食卓に出してしまうから知らなかったんですね。

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著者プロフィール

荒井真紀 1965年、東京都生まれ。16歳より故・熊田千佳慕氏に師事する。自然科学専門の編集プロダクション勤務を経て、フリーのイラストレーターに。自然をテーマにした雑誌や書籍の挿絵の仕事をしている。絵本に『あずき』『じゃがいも』(ともに福音館書店)『あさがお』『ひまわり』『たんぽぽ』(以上、金の星社)『チューリップ』(小学館)などがある。2017年『たんぽぽ』でブラティスラヴァ世界絵本原画展・金のりんご賞受賞。

「2020年 『まどのむこうの くだもの なあに?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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