- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835628530
作品紹介・あらすじ
ガイドブックには載らない神戸案内。街、店、人、そして失われた風景。"ロック漫筆家"による、神戸エッセイ。
感想・レビュー・書評
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「神戸には「赤ちゃん」という名前の洋食店が数軒存在する。これまた、なんと素晴らしいネーミングだろう。時には、強面のおっさんも違和感なく「赤ちゃん、行こか」と口にするだろう。想像するだけで嬉しくなってくる。京都に住む友人の辻井タカヒロさんは、産まれてきた娘をいつまでも "あかちゃん" と呼びたいがために、"あかり" という名前をつけたくらいだ。その気持はよくわかる」(p.38)
「元町商店街で浮浪者が毎日、同じ柱の前に寝床を作るのを見て、 "家" の概念を学んだ。東遊園地の噴水の前でナイター中継を携帯ラジオで聞いた。まだウォークマンはなかった。遅くまで開いているレコード屋が東門街にあった。酔っ払いが歩きながら道にばらまく札を拾い集めて、その足でビートルズの再発盤を買いに行った。キャンディーズのアルバムを万引きして捕まったりもした。生田神社の奥の森では、近くのキャバレーのバンドマンがテナー・サックスのスケールを何度も練習していた。夜はいたずらに長かった」(p.229) -
紹介されている神戸のお店はかなりコアで、昔ながらにすんでいる常連ではないといけないようなと思わせるお店のチョイス。丸玉食堂のローメンは懐かしいと思った!連れて行ってもらって1度しか食べていないけども「ローメン」という名前にびっくりして、美味しくほおばった記憶がある。昭和の時代の懐かしい思い出。
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目次を見ただけで懐かしい場所が飛び込んでくる。生まれる少し前の神戸、聞き覚えがあるけど行ったことのないところとか昔を思い出して懐かしかった。
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偶然、ジュンク堂で手にした本。まずタイトルにしびれた。前川清が眼前に立ち昇る。自虐的なタイトルもいい!著者は安田謙一さん。齢五十三。滝川高卒だから僕の先輩だ。谷川永世名人のご学友かも?
さて、本書。神戸ガイドブックには載らない神戸案内。とはいえ、この本を携えての神戸歩きはまずないだろうなぁ。例えて言うなら、FM COCOLO世代の神戸人が激しく懐かしむ「喪われた神戸」が鮮明に蘇る一冊。
本書のおかげで積年の謎が解けた。幼稚園の頃、実家のある福原で映画の撮影があった。それも実家の横の路地で。なべおさみが路地から駆け出してくるというシーンを僕は祖母の手を握り、桜筋の貝のつぼ焼きの大谷あたりから眺めていた記憶がある。それが何の映画だったか、ようやく判明。1668年の松竹映画「吹けば飛ぶような男だが」。この映画には、この他トルコ風(かつてはこう呼んだ)の新富、高級お好み焼き店の美丁(震災後閉店し、現在は新開地の「一ソ十」が味を引き継いでいる)に、湊川公園に燦然と建っていた神戸タワーも映っているそうな。僕にとっては郷愁と眼福の2つが味わえる映画。何としても観ないと。
まぁ、とにかくこんな感じで、僕の場合は映画だったが、ある人にとっては喫茶店や居酒屋かもしれないし、書店かもしれない。すっかりセピア色に退色した数々の神戸の想い出がじわぁ〜と呼び起こされる一冊。超オススメ! -
新聞に紹介されていたので読んでみたが、おもしろくも何ともない本だった。何より、文体(語り口)がよくない。こういう書き方なら、まだ写真入りのガイドブックの方が随分マシであろう。
とりあえず、今まで知らなかったお店の紹介もされていたので、オマケの★1つ。 -
もーすべてが懐かしかったー色々な風景場面がよみがえった
和田岬のアミカ行ってたし、新開地もよく遊んでたし
この本の中には出てこなかったけど、三ノ宮センター街から元町に行く途中ひとつ西の通りにドルメンって言うパン屋さんがあって、そこの塩パンが美味しくってそれを持って三劇で映画見ながら食べたり、食パンもトーストで食べても絶品だったなー
それと、京町筋から西に旧居留置のビルの2階にゴムクラブって喫茶店があつてワゴン押してコーヒー運んでくるんだよあか赤ちゃんのトンカツもテイクアウトして食べてたし
もーねきりがない
よう、とうが神戸の方言だったとは知らんかった
私はボビーコールドウエルの曲が聴こえてきます