もっと! 京大変人講座 (単行本)

  • 三笠書房
3.72
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本棚登録 : 148
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784837928232

作品紹介・あらすじ

◎世界が仰天する発想は、ここから生まれる!
 京都大学発! 大人気の公開講座の書籍化、待望の第2弾!

<熱帯生態学の教室> アリ社会の仁義なき掟 
 市岡孝朗(人間・環境学研究科 教授)

<科学哲学の教室> 曖昧という真実
 伊勢田哲治(文学研究科 准教授) 

<アート&テクノロジー学の教室> アートはサイエンスだ! 
 土佐尚子(大学院 総合生存学館 アートイノベーション産学共同教授)

<宇宙物理学の教室> そうだ! 宇宙に行こう! 
 嶺重慎(理学研究科 教授 宇宙総合学研究ユニット長)

<SUKIる学の教室> 「できない」から「できる」んだ 
 富田直秀(大学院 工学研究科 教授)

特別鼎談、京大における「変人」とは? 酒井敏(講座発起人)×伊勢田哲治×越前屋俵太(ディレクター兼ナビゲーター)を収録!

感想・レビュー・書評

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  • 【最変人】
    すばらしい。変人ぷりがすばらしい。

    人と違うことをしている人には魅力を感じます。
    最新技術をアートにする。この考え方すごいです!

    「全員が人とかぶらないで違うことを行ったら」どうなるのでしょうか。
    ・コミュニケーションが取れない
    ・グループで目標に向かうことできない
    デメリットとしてはこれぐらいでしょうか。

    ただ、その人の考え方を容認すれば、コミュニケーションが取れないことはないと考えます。私の考え方も一つ、あなたの考え方も一つというようにそれぞれの考え方が存在することを認めれば問題ありません。

    グループで成し遂げることは、結局、ひとりの人間が考えたことをその他まわりが共感して進めることが多く、全員が違うことを行うという意味ではグループによる達成は難しいと思います。しかし、ひとりの先駆者に賛同してしまう人が現れるのも事実で、全員違うことを行うという定義の方が成り立たないということになります。

    労働はAIにまかせて、全員アーティストになりましょう!!

  • 変人のキーワードは
    “Be yourself!”
    あなた自身たれ!

    ええ言葉や。。。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50200160

  • [第1刷]2020年4月15日

  • 文学部は、教養部の2年が4年間続く…!

  • 将来について心配していない人は、大体研究がうまくいく。
    ⇆逆に心配している人はせっかくチャンスがあっても、うまくいくかどうかをいつも気にしているから研究にハマれない。何事にもハマるにはあんまり考えすぎてはダメ!

    ・失敗を表に出さないアート、表に出す学問
    ・何かを捨てないと新しいものは得られない
    ・色んな雑務段取りごとに追われていると、自分の声が消えてしまう→自分の心底にある気持ちを聞くことは大事

    「分からない」という自覚が全ての出発点
    分かったつもりになると、その後の理解が進まなくなるので、「分からないので教えてください」と素直に聞く。

    生きることの意味-唯一性-他人事では無い「自分事」

    他者がいなければ孤立しますが、あまりに強すぎる他者がいて、仮面を演じることができない場合にも孤立が生じる

    矛盾が適度にあるからこそ「オレはオレだ」が成立する
    矛盾しているからこそ、その孤独の中にも「わたし」がいるのかもしれない
    矛盾したモノやコトが同時にあることを「即」

  • 有り 002.7/イ/20 棚:1

  • 富田先生も執筆された1冊。
    相変わらず、何言ってるかわからんが(笑)、他人事になっている世の中、そして、オレはオレだ、という情熱が暴力にならないように、他者がいて、私が成り立つ、つまり自分の言葉で表現すると、多様性を認める、ということをますます意識したいと感じた。
    酒井先生はなんだか見透かされているようでとっつき難いと感じたが、とても素敵な世界を見られている先生だと感じた。

  • イノベーションのヒントを教えてくれる1冊です。生物学や哲学、美術などのそれぞれの専門分野の研究の中から、ビジネスにつながる考え方のヒントを学ぶことができます。

    【特に印象に残ったフレーズ】
    「とりあえず『疑ってみる』ことが大切。疑ってみて、考えることが重要。より深く考える機会になり、理解が深まる。」
    「無理にどちらかだと割り切らず、グレーゾーンとしてそのままに捉えたほうが、両方の側面をバランスよく捉えることができる。曖昧さをなくすと、微妙な存在に目が向かなくなる」
    「偉大な発明は、絶対につながらないような遠いもの・意外なものをつなげることによって誕生している。この『遠いものをつなげる力』のもととなるのは知識。知識だけでは不十分で、両者をつなげるための『飛び越えて考える力』が欠かせない。これからはこの「飛び越えて考える力」がますます重要になる。」

    【本のハイライト】

    ・「わからない」というのりしろの部分こそが、知的欲求を深める上で大切なのかもしれない。
    ・何かにこだわりを持ち、追及するものがあれば、周りと違っていてもかまわない。
    ・生物には「普通」も「変なヤツ」もいる。変なヤツが、進化をもたらす。今は変でも、将来それが普通になるかもしれない。
    ・何事も、「ハマる」ためにはあんまり考え過ぎるとダメ。「やりたくなるまで」放っておくのも教育。夢中になれるものをたくさん作っておくと、楽しく幸せに生きていけるように思われる。
    ・アメリカは、高校まではやりたいことを見つける場で、大学に入ってからやり方を考えはじめる。やり方を高校まで教えないから、大学で必死に勉強する。日本はその逆なので、新しいものをつくろうとする人間にとっては厳しい社会。大学で、今まで考えた事を全部フラットにして、そこから新しく何かを構築できる場が必要。

    〇アリ社会から学ぶ
    ・高度な社会性は、高度に発達した「利他性」であると言い換えることができる。
    ・アリもハチも、一見何もしていないように見えるときでも、実はそれぞれの役割を果たしている。全体の利益を考えると、全てが常に動き回ると邪魔になることもある。人間の組織でも同じことがあるかもしれない。

    〇曖昧という真実
    ・とりあえず「疑ってみる」ことが大切。疑ってみて、考えることが重要。より深く考える機会になり、理解が深まる。
    ・「科学」とは、実験や観察の結果によっては仮説を放棄せざるを得ないもの。覆るリスクを乗り越えて、まだ覆っていないからこそ科学的主張として受け入れるに値する。ときには反証主義に反するような態度をとることが、いい結果につながる。
    ・無理にどちらかだと割り切らず、グレーゾーンとしてそのままに捉えたほうが、両方の側面をバランスよく捉えることができる。曖昧さをなくすと、微妙な存在に目が向かなくなる。
    ・哲学は答えを出す営みではない。何か1つ疑問が解けたら、それは次の疑問につながる。「おもしろがる」のも、哲学のセンスの1つ。

    〇アートはサイエンス
    ・アーティストとは、心理的、美学的、政治的、科学的、情念的な断片を集めて、それらに意味や形を与え、思考に具体的なイメージを与えて表現する人。アートとは単なる自己表現ではない。自分の興味の対象が作成制作の原動力になっている。まず、自分を客観的に見て、自分が得意な情報源は何かを知ることが重要。自分が好きな情報源を通して、アートを深く理解し、感じることができる。
    ・人間は自然をコントロールすることができない。だから想定外が起こりえる。
    ・やりたいことをやるために、いらないものをどんどん捨てる。今は、嫌なことはキッパリ「嫌」と主張しないと、進むべき道が開かない時代になっている。
    ・偉大な発明は、絶対につながらないような遠いもの・意外なものをつなげることによって誕生している。この「遠いものをつなげる力」のもととなるのは知識。知識だけでは不十分で、両者をつなげるための「飛び越えて考える力」が欠かせない。これからはこの「飛び越えて考える力」がますます重要になる。

    〇手話と学問の意外な関係性
    ・意見交換をしているうちに、全然違う考えの持ち主に触発され、アイデアがどんどん浮かんでくる。そのアイデアを持ち帰って一人で検証し、それを次回の議論で提示して反応を確かめる。
    ・目指したいのは視点の変換。自分の立ち位置を変えて、相手の立場で考えようとする意識の変革が重要。「わからない」という自覚がすべての出発点。自分と異なる知識を持っている人のところへ行き、「わからないので教えてください」と素直に聞くことが、多様性理解であり、学問の基本でもある。
    ・新しい学問を生み出すことができるのは、常識を脱した人。真面目な人こそが常識を脱した変人になれる。真面目な人は「ちゃんと自分の頭で考えている人」。自分の頭で考えている人は確実に変人になる。周りに合わせていると「常人」になっていく。

    〇「できない」から「できる」
    ・昔は欲望が先にあって、その欲望を満たすために生産していたはずだが、今は生産が欲望に先行している。いつの間にか生産者が、「こんなモノをつくったら、こんな欲望ができるかもしれない」と考えるようになってきた。
    ・自殺願望を防ぐのは「自分にしかできない」という「唯一性」。機能=他人事に偏りすぎると危険。唯一性=自分事が大事。
    ・「できる」という機能だけでは、「わたし」という主体性は成立しない。「わたし」という主体性の成立には、「他者」が必要。「他者」「見る私」「見られる私」の間には、適度な矛盾関係が必要。そのためには、ニセモノの仮面を演じることも重要。「SUKI」が、ニセモノの行為をホンモノのしぐさに変えていくコツ。

  • 第1弾に続いての。またもや第1章「地球の教室」からして、アリの話が面白すぎる。アリやハチが、オスとメスの産み分けをしているのはすごいね。章間の対談で、テレビの視聴者と製作者やテレビ局側から見るのでは見え方がまるで違うという話があるけれど、オケでも同じだなとは以前から思っていた。受け手側として関わるのと、送り手側として関わるのでは、見え方がずいぶん違う。どの章も興味深く読めた。続刊を希望。

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著者プロフィール

昭和34(1959)年、千葉県生まれ。千葉県立千葉高等学校、早稲田大学教育学部を経て、早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学、文学修士。中京大学文学部・大学院文学研究科教授。

「2022年 『森鷗外 ー作品と周辺ー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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