世界の経済が一目でわかる地図帳―お金、人、資源、環境……世界はこう動く! (知的生きかた文庫) (知的生きかた文庫 ら 2-1)
- 三笠書房 (2009年12月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837978350
感想・レビュー・書評
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(2010年出版の本)
・アメリカとインドは時差12時間。ちょうど昼夜が逆転している。=24時間ノンストップで作業できる。
・海なしデトロイト。ビック3(自動車製造業)の本社はすべてデトロイト。
・WASP:アングロサクソン系のプロテスタントの白人。19世紀末アメリカ社会の実権を握っていた。
・北欧でIT産業が急成長したのは国の政策。ノキアやエリクソン。
・コーヒー:経済格差の象徴。消費国の大手企業に価格決定権を握られている。全世界の取引額は石油に次いで2番目に多い。
・シンガポール:アメリカとヨーロッパの時差を埋めるような位置。プライベートバンキングを強化。
・エジプト:観光収入&スエズ運河の通行料(=不労所得)
・ダイアモンド:南アフリカに本社をおくデビアス社が市場の独占的支配をしてきた。(美しく希少なことだけが高値の理由ではない。独占的な流通体型によって高値が維持されている。)
・鄧小平の改革開放政策により設置された経済特区。深圳、厦門、海南島など。沿岸地域に偏っているのは外資を呼び込みやすいように。
・ドバイ:石油産業からの転換を図って成功をおさめた国。金融・観光・物流の中心地。
・ロシアの石油やガスなどの資源はおもにヨーロッパ諸国で使われる。資源を外交の武器にしている。
・東南アジア:なぜ国境地帯にカジノを建設するのか?→外貨をかせぐため。ベトナムやタイなど、自国のカジノには立ち入れない。
アイスランド:水素立国。環境先進国。
・レアメタルの最大の特徴のひとつは産出地が偏っていること。
・エルニーニョ現象:南米ペルー沖の太平洋赤道海域の海水温度。農作物の収穫量と価格変動に関わる。
・水資源:欧米では水道事業の民営化が進んでいる。料金を払えない貧困層がサービスを受けられず生命が脅かされる恐れ。
・ルクセンブルク:少ない人口で金融業を中心に多くの儲けをだしているから。
・産業の空洞化:生産拠点が海外に移り、国内の生産量が減少する。
・恐慌は必ずバブルのあとにやってくる。
・イスラム金融:コーランでは利子の受払を不公平な行為として禁じている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20100209開始〜20100211読了
<b>帯コピー:</b>
<b>たとえば30年前、「あと30年しかもたない」と言われた石油はどうなった?答えは本書の中に。
</b>
もう一冊買った池上彰さんの本と併せて読む目的で買ったが、殆ど知ってる事ばかりで役に立たなかった。
帯コピーの答えは「正確にわからない」って、あんた・・・。40年から50年なんて書いているが、それは昔も一緒。つまり帯コピーに書いておきながら答えが無い。しょーもない本だね。
しかも、温暖化に関しては基本的に進んでいる事前提で議論が展開されており、所々矛盾/意味不明な文面も見られた。(排出権取引のところなどは特に意味不明)
温暖化には政治的背景が大きく関与していおり、それらを言及するための本だったはずなのに、ここでは語られていない。なんで?
間違った情報は少ないが、個人的には知ってる情報多すぎなのでソッコーで売却予定。
それでもいくつか知識として得られた部分はあったのでメモっておく。
一枚の地図でわかる「世の中の動き」
IT産業(P.16)
<blockquote>シリコンバレーでIT産業が盛んになった理由は、?気象条件:アメリカで最も理想的な機構、?交通の便:大都市サンフランシスコまで自動車で数十分、ロサンゼルスまでは飛行機で1時間、?スタンフォード大学の存在:彼らがこの地でベンチャーを次々設立した
</blockquote>
こういった理由だったというのはなんとなくでしか知らなかったので確定情報にできた。日本でも同じような地の利を生かした地方都市が生まれてきているらしい(福井県鯖江市とか)し、国土が狭い日本では逆転的な発送で条件を組み合わせて別の産業を復興させるなどという新しい考え方もできるかもしれない。
P.18
<blockquote>インドがIT産業で躍進した理由は、アメリカとちょうど12時間の時差があるので、アメリカに居る技術者とインドにいる技術者が引継ぎを行うことで24時間ノンストップの作業工程を繰り返すことができるからだ。
</blockquote>
これを日本にあてはめると、緯度と経度が正反対なのはブラジルということになる。ブラジルといえばBRICSだし、ブラジルと日本はもともと友好関係にあるので、実はつかえるんじゃないだろうか?
携帯電話産業【北欧】(P.26)
<blockquote>北欧の携帯電話メーカー(フィンランドの「ノキア」とスウェーデンの「エリクソン」)が強い理由は、国が将来を見据えて国内産業を森林資源ベースのものからITさ産業にシフトした際、産学官の共同による研究開発を実施したから。ノキアの近くにはヘルシンキ工科大学、エリクソンの近くにはスウェーデン王立工科大学が置かれている。
</blockquote>
シリコンバレーもそうだが、大学と企業が近いところにあるというのは成長の条件なのかもしれない。確かに即戦力につながる若い人材を安く手に入れられるという意味では強力な人材発掘モデルだ。
やはりビジネスモデルに地の利を組み入れるのは必須かもしれない。
これから注目の石油、
BRICSに続く新興国
VISTA(ベトナム、インド、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン) -
インドのIT産業:成功のカギはアメリカとの時差、昼夜が逆転しているため24時間ノンストップの作業工程を繰り返すことが可能。
政府系ファンド:コモディティ型と非コモディティ型 -
読みやすかった。スキマ時間に読むのに丁度いい。
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まあまあかな。
もう少しつっこんで解説して欲しい -
鳩山首相が本屋で大人買いをしたニュースが数週間前に流れていましたが、その中に購入した本のリストがありました。確かこの本もその一冊だったと思います、世界経済に関する80項目の解説がなされていますが、どの項目にも対象となっている国や地域が地図の中に示されていて、地図帳を見るのが好きだった私は楽しく読むことができました。
以下は気になったポイントです。
・19世紀末に始まったアメリカ映画産業はWASPによるニューヨークが中心であったが、1910年頃からユダヤ、イタリア系がハリウッドを選んで映画会社を興した、雨が少なく撮影スケジュールが延びないというメリットもあった(p25)
・北欧の携帯電話会社であるノキア、エリクソンが栄えているのは、産学官による研究開発が進んだから、本社の近くには工科大学(ヘルシンキ、スウェーデン)がある(p27)
・カナダアルバータ州のフォートマクマレー一帯にはオイルサンドが広がり、8年後には1日生産量が400万バレル(日本の1日の消費量)になるといわれ、世界2位の石油埋蔵国となる(p36)
・全世界のダイヤモンド原石の約半分はロンドン、デビアス社に集められ、4つのダイヤモンド取引所のあるアントワープに送られカットされる(p41
・中国ではまず経済特区を指定した後に、84年には経済開発区(沿岸14都市)、さらにデルタ地帯を経済開放区として、社会主義市場経済へ移行した(p53)
・ロシアの飛び地であるカリーニングラードは、琥珀の埋蔵量(世界の90%)、1000万トン以上の原油埋蔵、バルチック艦隊が置かれていた場所であり、バルト海の香港になると期待されている(p65)
・ドイツの大きな問題は東西格差で、旧東ドイツの失業率:12.8%は、旧西ドイツ(7.1%)の2倍に近い(p80)
・石油埋蔵量は新たな油田が開発されれば増えるので、30年前に「あと30年しかもたない」と言われていても現在でもあと、40~50年もつと言われる、2009年にはメキシコ湾で巨大油田が見つかった(p95)
・地球温暖化によって北極の氷がとけて、新たな北西航路が開ける可能性あり、欧州とアジア航路が6000~8000キロも短くなる可能性あり(p103)
・文明が栄えるのは平均気温11度の地域、重債務貧困国は40カ国あるが、赤道付近の地域が多い(p133)
・中国の新疆ウイグルは、石炭、石油、天然ガスのエネルギー資源の他、鉄鉱石や銅も豊富に採れる、またパイプラインの通行路であり、資源と貿易の玄関口である重要拠点(p136)
・日本の都市鉱山の埋蔵量は驚くべきことに、金:16%、銀:22%、銅:8%、プラチナ:4.6%、インジウム:61%(世界埋蔵量比較)もある(p138)
・イスラムでは利子を受け取ることは禁止されているので、割賦販売で一括払いより多く金額を支払うことで銀行は対応している(p212)
・最近はG20(米英仏独日伊加+EU露中ブ印韓インドネシア、豪ト、サウジ南ア、メキ、アルゼンチン)である、G20のGDPは世界9割、G7は6割以下(p214)
・2008年にはジンバブエで、220万%(100円のものが220万円で販売)のインフレを起こした(p216)
・株式市場は、NY(9.2兆ドル)、東京(3.1)、ナスダック(2.3)、ユーロネクスト(パリ、アムステルダム、ブリュッセル、2.1)、ロンドン(1.8)、上海(1.4)@2008の順に大きい(p219) -
毎回絵がありわかりやすい。
VISTA
アジアハイウェイ。 -
なんか途中から経済用語の解説になってるような。
広く浅く。 -
世界中の経済の動きを一冊でまとめた本が欲しかったので購入。
見開きで「地図と解説」という形でコンパクトに事実がまとめてある。
今後の経済動向の出発点にしたい本。本を片手にgoogle earthで調べながらの勉強もオススメ。
この本で学んだ事は、地理的影響が産業・経済にものすごく影響を及ぼすということ。今後、途上国の経済的発展も、地理的要因をどうプラスに転換できるかにかかっている気がした。
そしてグローバル化・IT化が進めば進むほど、必ず全ての国ならではの地理的要因が強みの要因となり、相互依存がより深まるフラットな世界になることも確信した。
いかに世界は相互依存が進んでるかを理解する上で、この本は入門書として幅広い産業を網羅してる点でおすすめ。
外語大生は持っといてもいんじゃないかな? -
インドはアメリカと逆の時差の為にITが発展