- Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838713929
作品紹介・あらすじ
金正日からアニータまで、養老孟司から森喜朗まで、ボブサップからタマちゃんまで、叶美香から田中真紀子まで、近年の有名人物を網羅して、顔面の真理に迫る問題の書。
感想・レビュー・書評
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本棚に登録するつもりもなく読んだのだが、あまりにも面白いので載せてみる。
もしやどなたかの読書欲をそそるかもしれない。そそらないかもしれないが。
「野蛮な読書」の中で、著者の平松洋子さんが紹介していた本。
南伸坊さん自身が様々な「本人」になりすまし、「本人」の身になって文章を書いている。左ページにその写真。右側に「本人」の言葉。
順番に挙げてみる。
金正日、カルロス・ゴーン、養老孟司、椎名誠、鳥越俊太郎、安藤忠雄、キアヌ・リーブス、村上龍、清原和博、日野原重明、田岡俊次、瀬戸内寂聴、市川新之助、マイケル・ジャクソン、綾小路きみまろ、デイビッド・ベッカム、安倍晋三、ボブ・サップ、みのもんた、松井秀喜、竹中平蔵、Gackt、えなりかずき、梅宮アンナ、デヴィ夫人、叶美香、アラファト、引田天功・・・
まだまだもっとある。雑誌「ダ・カーポ」の連載64回分の単行本化だ。
南伸坊さんのお顔を、表紙でよーく眺めてから上記の人々になりきれたかどうか想像してみてね。
結構クオリティの高いものから、無謀としか言えないものまでもう色々。
これはダメでしょと思っても、メイクと表情や仕草、小道具でいかにもそのように見せている。
時々ものすごいギャップで悶絶しそう。
「ぎゃはははは」という笑い声が部屋中に響き渡る。南伸坊、恐るべし。
「昔から『ヒトの身になって考えよ』という。なかなかそうはいかないのだが、それは人びとが『ヒトの身に』ならないからなのだ。私は文字通り『ヒトの身』になってみようと思った(まえがき)」
そしてまたこう言う。
「人びとが思うほどに『本人』とか『自分』といったものが、確固としたものではない。
というのは、こうしたことを実践してみると容易にわかることだ(まえがき)」
不思議なことに右側の文章を読んでいると、まさにご当人(元の、本物の、本人)が喋っているかのようで、声まで聞こえてくるような気がしてくる。
本人て、何だろう。
ちょっとお疲れ気味の方へおくる、可笑しな可笑しな一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フォローしている方のレビューを読んで、最寄りの図書館で発見し、借りてみた。ご紹介頂き、ありがとうございます。
いやー、面白かった。
南伸坊さんといえば、記憶にあるのは「チキンラーメン」のCM。
今やガッキーがチキンラーメンの顔であるが、私の記憶では、おむすび顔のオジサンが一番印象に残っている。
母に、「このオジサンだ〜れ?」と聞いたら、
「イラストレーターの南伸坊よ、知らないの?」と言われ、知るわけない!と思ったことまで覚えている。
ちびまる子ちゃんのクラスメイト永沢くんを彷彿とさせるお顔のフォルムなのだが、こんなに面白い方とは知らなかった。
20年ほど前に本人術なるワザを使って、南さんが扮している人たちは既に鬼籍の人も多いのだが、ウワッ似てる!という人も、いやー努力はされたのでしょうけれど…という人も。
ムリがあるな〜という人は、ご本人も自覚しているのかエラや顔の大きさを自虐してらっしゃる。
本人術の写真もさることながら、本人になりきって書かれている文面も秀逸だ。
私にはなつかしのタマちゃん(アザラシ)が一番刺さった。2020.7.22 -
本人の特徴を捉えた変装術と、本人が言いそうな感じの言葉。声が聞こえてきそう。今となっては、ちょっと古いネタもあるが、面白い、懐かしい。
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南伸坊が本人に扮装して、短文を書く。
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顔面学の第一人者である南伸坊がさまざまな有名人「本人」になりすまし、コメントまで寄せた愉快な一冊。21世紀初頭のニッポンを騒がせた人々が勢揃い! 『ダカーポ』連載「本人だもの」をもとにした面白フォトエッセイ。
あー、面白かった!
こういうゆる〜い企画を真剣にやってるのが面白い。
息抜きになった! -
似ていれば大笑い、似てなくても思わず口元が緩んでしまう。いわゆるモノマネというのは、声や姿かたちは似ているかもしれないけれど、基本的にはそれだけ。本人の内面などに迫って本人を”演じる”ものではない。そこまでやりきってしまうのがこの著者、南伸坊さん。
キアヌ・リーブスやGacktなど、本人になりきれているのかいないのか、見た目のギャップについて自己批判めいたコメントを付け加えているところも面白い。
僕自身が笑わせられたのは、まず瀬戸内寂聴さん。最後の最後で何の脈絡もなしに「私はイラク戦争に反対です」と言い出すものだから笑ってしまった。あと猪瀬直樹さん。表情がそっくり、「だからねー」という出だしから本人の声で聞こえてしまうほど。そして田嶋陽子さんと舛添要一さん、「本人」同士の対談。ヒステリー気味の雰囲気、キャラクターが立っているからのりのりで本人を演じている様子が容易に想像できてしまう。
もう、これは、見てくださいと言うしかない。 -
9年前の話題の人々。懐かしい人もいました。すみません、最新刊の「本人伝説」は立ち読みしました。でも最新刊のほうが本人ぶりがあがってました。
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2013年4月14日 中央図書館
2000年から2003年頃の時の人(含・あざらしのタマちゃん)を中心に、本人になりすました写真(撮影は夫人)+なりきって書いた文章が70余人分。多くの資料からとりだしたエッセンスが効いてて写真も文章もいかにも本人な雰囲気を醸し出しているのがさすが。イケメン・美女キビシイと思われるにもかかわらず、市川新之助(今の海老蔵)や叶美香はすばらしい。扇千景、土井たか子、和泉節子みたいなおばさんもそれぞれよくわかる。文章もいかにも本人らしい文体で、でもときにけっこう過激なことを主張していたり、自己批評が入っていたり、ついにやにやしてしまう。