りぼんにお願い

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838725717

作品紹介・あらすじ

毎日をつつがなく送るには、何も考えずにルーティンを続けて行くことも必要。でも、ときにははた、と立ち止まり改めて〝考えて〟みる。「あたりまえに思っているけれど、それは本当にそうなの?」と。
 結婚指輪って必要なもの? 悲しみと淋しさは扱われ方に違いがあるんじゃないか。失くしたポーチは何故見つからないのだろう……。
 『乳と卵』や『ヘヴン』など、うねるような物語世界にぐいぐいと引き込む小説家・川上未映子。雑誌『Hanako』で現在も連載中の本エッセイは、一見楽しげな女子トークのようにも見えるけれど(未映子姉と呼びたくなる親しみやすさ!)、そこで問うのは本質。あたりまえに思うことも、必ずしもそうとは限らないこと。自分たちの意識を変えることによって、いくらでも自由になれることを軽やかにさりげなく伝えてくれる。つきつめて考えることの面白さ。哲学的思考の愉しさ満載。男性読者に響くポイントもたくさんあります。
 装丁はガーリー・デザインのカリスマ千原徹也。今城純の写真、飯嶋久美子のスタイリングで著者をモデルにしたカバーは妖しく、キュートこの上なく、バッグに1冊、お守りがわりに持ち歩きたくなるエッセイなのです。

感想・レビュー・書評

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  • 楽しくて、気楽に読めるエッセイです。
    表紙がすごく可愛い!
    中にも同じシリーズの写真が入っていて、栞に出来るとも。
    作者も、本が出来たとき嬉しかっただろーなー。
    これだけ着映えしたらオシャレも楽しいよねえと微笑ましい。

    hanako連載のエッセイをもとにしたもの。
    じつに女の子っぽい内容で、面白くて可愛くて笑える。
    化粧ポーチを落としたときのショック。
    まつげバサバサになる美容液。
    ストレートパーマで傷んだ髪を伸ばしていた頃。
    かつらが似合う理由。
    浮気されたら懲らしめると妄想する少女たち。
    時々吹き出しちゃうので、電車の中では読めません。

    写真撮影のときに「川上さん、アヒル口、いったんやめてもらっていいですか」といわれた恥ずかしさ。
    生まれつきの口の形なのに~アヒル口をして、しかもそれがイマイチだったと思われた作家って‥!

    ほとんどは出産前に書かれているので~
    「長編小説を書いているときは毎日禁錮刑にあっているようなものなので、こんな生活のどこに子育てを入れられるのか?」などと実感持って書かれていたりする。
    そういう普通の女の子とはかけ離れた部分も持っている作家さんなんだけどね。
    その後、無事のご出産、おめでとうございます。

  • すごくいい。大好き。

    川上未映子さんのガールズトークはふんわり可愛くて、ふわっと笑えて、不思議とリラックス出来て、しかもめっさ面白い。
    まずあの文章のテンポが好きみたいで、話の良し悪し以前に(いや、良いのですよ。念のため)心地良いんです。文章そのものが。

    女の子とか言える年齢は何歳までかよく知らないが、女性はいつまでも女の子やら乙女の顔を持っている。
    女子力(とかいうもの)には個人差があるけれど(そして私から見ると川上さんの女子力は見上げるほどに高いのだけど)、レベルに関係なく女の子であり、乙女なのだと思う。
    そしてこのエッセイは女性の(、女の子の、そして乙女の)可愛さの詰め合わせのような気がする。
    ちょっと毒入りなのがまた良いのです。

  • ジャケットがとても印象的。未映子さんがいっぱい。
    さくっふわっとしたメレンゲ菓子みたいな、夜もふけたお泊まり会でのガールズトークみたいな、そんなあれこれ。
    各話のさいごに付け加えられている、現在の未映子さん視点のひとことコメントが好きだな。春樹さんのエッセイの村上ラヂオを思い出した。
    天使のエプロンという呼び名にどんびきする話、慢性淋心炎、運転席の冬、なるちゃん、「撮影でアヒル口をしてみたら駄目だしされた可哀想な人(34歳)」の大いなる誤解など、おもしろかった。

  • 書店でこの本に出会った時の第一印象は、「うわぁ川上さん、かわいい!!!」だった。真っ赤な口紅、真っ赤なワンピの川上さんが様々なポーズを取った表紙はデザインは勿論、表紙カバーの紙質までこだわりぬいている。装丁の担当は、ZUCCaやPARCOのアートディレクションでおなじみの「れもんらいふ」の千原さん。れもんらいふのサイトを覗いてみたところ、「たくさんの女の子の気持ちが連鎖し、りぼんのように見えるグラフィック」を目指したようですね。
    その通り、「女の子」にまつわるあれこれをテーマにしたエッセイはHanako west及びHanakoで連載していただけあって、ポップで読みやすくて軽やかでかわいらしい。彼女による他のエッセイ「発光地帯」系の浮遊するシュールさ、「オモロマンティックボム」系のおっさんぽい(いい意味での)下世話さとも違う、ラフな感じのガールズトークが個人的には一番好きです。や~今回もそこかしこで噴いた噴いた。どのエッセイにも共通している彼女のユーモアセンスとトホホ体験の多さは相変わらずで(笑)もしかしたらエッセイの連載が重複してたかもなぁ、よく内容が重ならず、それぞれの連載媒体の読者層を意識しながら書き分けてたよなぁと感服。それでも、別の連載で読んだ「襟足」に対する劣等感やトホホなほどの絶壁についてのエピソードが別の形で書かれてたときはちょっと嬉しくなりました。
    この「りぼん」シリーズは次も出るのかしら。だとしたら装丁もまた楽しみでありまする。

  • 乙女だなぁー、川上さん。女子会でお友達とあーだこーだお喋りしているときのあの感じ。とりとめもなく、秩序もなく、ころころと変わる話題。

    浮気もされないうちから、浮気された場合の制裁について発案し合う女子会…怖いよ!でもそれも女子だよ!

    カツラ(ウィッグ)、持ってたけど川上さんみたいに綺麗に被れないのです。地毛が長いから?

  • 面白かったです。
    川上さんが33歳のときのエッセイなので、年齢も近くて書かれているあれこれに、わかる!となりました。
    しんどさもありますが、でも心が重くなりすぎす、キラキラもあって良かったです。
    「あきらめと悲しみのマーブル模様」とかの表現も好きです。
    「社会というのは女性にとっては基本的にしんどいつくりになってるのな」と書かれながらも、『「なんだかんだ言ったって、今が最高なんじゃないかなぁ」ぐらいで過ごしてゆくのが結局いいような気がするなぁ』となってるのが良いです。「今は基本的に最高なのだ」と思いながら暮らすのは精神衛生上良いことです。たぶん。
    そして装丁の女性たちはきっと川上未映子さんで…お美しいです。「パンドラの匣」のときも美しかったけど。

  • 川上未映子さんのエッセイ。とってもかわいい…。

    面倒くさくて、大変で、つよくて、よわくて、醜いけれど、やっぱりかわいい、おんなのこ、といういきもの、について。

  • 可愛かったー。装丁も内容も、とっても可愛かった。
    今文春のwebで連載しているエッセイもすごく面白いけど、こちらは
    妊娠のこと以外にも話題が多いので、
    私にとってはこっちのほうがより自分に近い内容かな。
    この著者に関しては、やはり小説よりエッセイのほうが好きだ。

  • ふだん見逃していそうなことや、モヤモヤっと感じていることを、軽いタッチで言葉にしてくれるエッセイ集。
    本のデザインがしゃれていて、ザ・女子本て感じです。

  • 軽くて読みやすかった

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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