- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838729708
作品紹介・あらすじ
虫のいい話のどこが悪い!?
自虐の神がお届けする新刊はいまだかつてないくらい超ポジティブ!
cakesの人気連載「やらない理由」が待望の書籍化!
自分のワガママを許すと、気がラク~~~になるんです。
Q)以下のジレンマ、あなたはいくつ当てはまりますか?
・痩せたいが、食べるのを我慢するのは嫌
・部屋はきれいしたいが、片付けするのは嫌
・寂しがり屋だが、人付き合いは嫌
・結婚したいが、縛られるのは嫌
・浮気したいが、浮気されるのは嫌
・SNSに「いいね!」してほしいが、「いいね!」するのは嫌
・話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌
・セックスはしたいが、自分から積極的に誘うのは嫌
・浮きたくないが、人とかぶるのは嫌
・優しい男は好きだけど、優しすぎる男は嫌
3つ以上当てはまってしまったあなた、
自分の虫のよさに嫌気がさしていませんか?
メンヘラになっていませんか?
ジレンマに苦しめられるのは万病のもとです。
一人でも多くの人が健やかな心を保つために、
自分勝手な虫のいい話がいかに正しいことか、
カレー沢薫氏が立ち上がり、理論的に解説します。
あなたがやるべきことは、
反省ではなく、自己肯定である!!!!!
心にもやもやが沸き起こったら、
何度でも繰り返し読んでみてください。
感想・レビュー・書評
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やらない理由の目次だけ見ても、おお〜っと共感するものがある。
すべてのことにやらない理由があるってのもなるほどなぁと…。
あなたがやるべきことは反省ではなく、自己肯定である。
ここまで言ってくれるとそうなんだよ、仕方ないんだよ…ともはや自分の駄目さを認めている。
つまり自分に甘くて弱い人間で、努力もしない私はクソ野郎であるって思う。
01 痩せたいが、食べるのを我慢するのは嫌
これは私の場合、もはや痩せる努力を放棄した。
身内に太ったやんって言われたら、少しだけ我慢するかも知れないが…
04 彼の家に遊びに行くのはいいが、自分の家に来られるのは嫌
彼に限らず、人を家に呼びたくないのは何故か?と考える。
かつてはマンション住まいで、ご近所さんやママ友達とお茶していたが、一軒家になりフルタイムで働き出してからは、誰も呼ぶこともなく来なくなった。とにかく忙しいから…なのか。
仕事が変わって時間に余裕ができた今でも全く誰も呼ぶこともなく、来て欲しくないとさえ思っているのに気づいた。
行くのはいいのだが。
人の家に行くのは好きなのに…だ。
よく考えると、まめに掃除しなくなったのもあるが、こんな趣味してるんだと勝手に想像されるのがイヤなのかもしれない。
特に変だと自分では感じていないが…
見せたくない、見られたくない…。
ここでのことを一部抜粋すると
これは結婚しても同じことであり、夫婦だからといって、相手のことを全て理解し、理解してもらおうというのは傲慢だ。もちろん、借金がある、隠し子がいるなど、物理的情報は共有した方が良いと思うが、特に性癖に関してだけは知ったところでどうにもならない。「借金は返せる」「隠し子は法廷で決着がつく」だが「性癖は治らない」のだ。絆創膏の下には、決して治ることがない傷があるのだ。だったら貼ったままにしておいてあげるのが愛情である。
自分の領域に入って趣味に触れてほしくないと思っている私もイヤな奴だろうなと思う。
32項目、いろんな嫌がある。
だけど理由があるわけで、勝手だが人それぞれだ。
頷けることも多かった。
ここまで理由があると凄い!と思ってしまうが…。
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タイトル通り、やらない理由をひたすら肯定してくれる、むしろやる側を非難までする勢いである。しかもその言葉には一理も二里もあるし共感できるしすごく自己肯定にはつながってさらには面白かった。1つ、痩せたいテーマが複数あるのだが、痩せた先にはなにがあるのかというと何もないのだ。ダイエットに成功した自分に希望をもちすぎでむしろ成功したらその希望も打ち砕かれる。ならダイエットは成功しない方が希望がありまだましなのだそうだ。これをすべて実践したらと思うと人生どうなるか笑。改めて書くが面白かった。
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マンガ家兼コラムニストとして、すっかり売れっ子になったカレー沢薫。つねづね言っていることだが、私はこの人をマンガ家としてよりもコラムニストとして評価している。
本書は、日常生活の中のささやかなジレンマを一つずつ取り上げ、そのジレンマに悩んで自己嫌悪や反省をしがちな読者に対し、〝反省など必要ない。『○○したくない』という貴様の気持ちは正しい!〟と訴えかけるコラム集である。
取り上げられているジレンマはたとえば、「お金は欲しいが、働くのは嫌」「痩せたいが、食べるのを我慢するのは嫌」「話は聞いてもらいたいが、あれこれ言われるのは嫌」……などというたぐい。
それらのどうでもいいジレンマに対し、カレー沢薫はアクロバティックな文の芸を駆使して、読者をやみくもな自己肯定に導いていく。たとえば――。
《遠足も当日より前夜のほうが楽しいものである。ダイエットに成功するよりも、ダイエットに成功した自分を想像するほうが楽しい。(中略)
つまり永遠にダイエットに挑戦&失敗することで、死ぬまで遠足前夜の気分が味わえるということだ。逆に成功してしまうことにより「痩せても無意味」という事実に直面してしまうことがある。自分で己への希望を断ち切るという愚か極まりない行為だ。つまり「ダイエットに失敗した」というのは「明日へ希望を繋いだ」ということである。》
……とまあ、こんな感じの〝屁理屈芸〟が、33問・33答分くり返される。
そこそこ面白かったが、最初期の『負ける技術』のように「何度読み返しても面白い」というレベルにはとうてい達しておらず、「一度読んだらもういいかな」という感じの出来。
カレー沢薫の本を読んだことがない人には、まず『負ける技術』『もっと負ける技術』をススメたい。
なぜクオリティが下がってきたかを考えるに、いまのカレー沢薫はあまりに忙しすぎるのだろう。
いまやマンガ/コラムあわせて20本近くもの連載を抱えているそうだし、なおかつ月~金のOL生活もいまだに続けているというのだから、筆が荒れても仕方ない。
大谷翔平の二刀流をディスる江本某のように、「カレー沢選手は、いまのままではマンガとコラム、どちらでも大成できません。どちらか一本に絞るか、もしくは会社を辞めるべきでしょう」と進言したい。
それでも、随所にこの人ならではの独創的フレーズがちりばめられていて、そこにはまだ才能のきらめきが感じられる。たとえば――。
《「普通は嫌だ」そんな想いが、いつでも俺たちを普通以下にしてきた。その雄姿は卒業アルバムや文集にしかと刻まれ、それを見るたびに「普通」の尊さを知るのである。》
《非リア充の朝は早い。毎朝4時には起き、邪神像に向かい、リア充の爆発を祈る。》
《コミュ症の特徴として「世間話ができない」というのがある。どんな世間話を投げかけても全く続けられず、1ターンで終わらせるため、周りはそのうち世間話すら投げかけるのを止めるのだ。「世間にとやかく言われるには世間に入れていないとダメ」なのだ。》 -
できない自分を肯定してくれる、ありがたい本。
様々なジレンマについて語ってくれてる。
適当なことを言い散らかしてるように見えて、名言が多い。
「会社で承認欲求を満たそうという行為自体ハイリスク」というのに目を覚まされた気分。
人生の選択肢はそのほとんとが「一番マシなものを選ぶ」作業。
節約の時は節約、消費の時は消費のことしか考えない。「楽しみの最中に明日のことを考えるのは愚の骨頂である。」
パートナーとは趣味よりも距離感覚が一致した方がいい、というのに何度も頷いた。
「お金さえあれば」はお金があれば本当に色々解決するが、「時間さえあれば」と言ってる人に時間を与えても何も解決しない、というのに納得。
「加齢の恐ろしさは肉体の衰えではない。肉体の衰えに心が折れることだ。」は覚えておきたい。
「やらかした」ことは全て肯定、「やらなかったこと」も全て英断、と言ってくれる著者に励まされ、ポジティブな気持ちになれた。
「無駄で無根拠なポジティブシンキングは心を疲弊させるだけだが、逆に根拠さえあればなんでもポジティブに捉えてよいのだ。根拠がないなら自分で作っていけば良い。」 -
やらなければいけないことをできなかったと落ち込んでいる人に、ぜひ読んで欲しい本。毒舌で自己嫌悪ぶった切ってくれるそんなエッセイです。
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この本を読むという英断を下した自分に乾杯したくなる本です。
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毎度毎度、カレー沢先生のボキャブラリーに感心します。どうせ自虐になるならこんな自虐になりたい。
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最初の数ページは面白かったし、着眼点というか各お題は興味をそそるが、その”理由”にわからない単語が多すぎて内容が理解しづらく、途中で苦痛になってしまった。先だって読んだブスの〜と同じくボキャブを選ぶセンスやテンポは良いです。