- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838729722
作品紹介・あらすじ
人は、なぜそれを買うのか。
安いから? 質がいいから?
否。そんなまっとうな理由だけで、人は行動しない。
そこには、より人間的で、深い原理が横たわっている。
この本には、その原理が描かれている。
漫画という娯楽の形を借りながら。
雑誌「BRUTUS」の人気マンガ連載「ヘンテコノミクス」が
ついに単行本化!
いま最も注目されている学問「行動経済学」の理論が
サザエさん並みに楽しく学べる唯一無二の一冊です!
人間の経済行動の真実とその理論が
なんと漫画になってあなたに迫る!
全23話にのぼる「行動経済学まんが」から内容をいくつか紹介
◎「塀の落書き」の巻――報酬が動機を阻害する
悪ガキたちの塀の落書きに悩む家の主が
行った秘策とは?
――【アンダーマイニング効果】
◎「れんが亭の新メニュー」の巻――真ん中を選ぶ心理
仲良し三人組がよく使うレストランに新メニューSが登場。
その時から、彼女たちはいつも避けていた
高いランチAを選んでしまうのであった。それはなぜ?
――【極端回避性】
◎「保母さんの名案」の巻――罰金による罪の意識の軽減
お迎えの時刻を守らない母親たちに対して
保育園が取った対抗策は
なんと逆の結果を招くのであった。
――【社会を成立させているのは、モラルかお金か】
全23話の「行動経済学まんが」に加え、
書き下ろしコラム「発見!こんなところにヘンテコノミクス」、
ユニークなビジネス用語解説マンガ「ヘンテコミック」など
愉快痛快でためになるページが次から次へと連続登場!
発見と驚きがクセになる「行動経済学」の決定版。
読むと、新しいあなたがそこにいます。
ここには、本当の経済学がある!
感想・レビュー・書評
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行動経済学はダン・アリエリーさんの本で興味を持ち、その後も何冊か読みましたが、
どの本も同じような内容なので、これ以上読む必要はないと思っていた分野の本です。
今回この本を手にしたのは、著者が佐藤雅彦さんだから。
人間の「考え方」を深く研究している佐藤雅彦さんは行動経済学をどのように捉えているのか。
どの部分に強く着目し、それをどのように説明するのかを知りたくて読んでみた。
行動経済学を知らない人が、ざっくりと理解するにはいいのではないでしょうか。
マンガにしてはゴチャゴチャしすぎですが、文章だけで説明されるよりも遥かに分かり易い。
あとがきに、行動経済学をどうやって皆に伝えたらよいかをいろいろと考えたことが書いてあった。
・展覧会にする … 手間とコストの割に体験する人数が限られるし、未来に残らない
・芝居や映画やドラマにする … 役者を探すのも大変だし、そんなものを観に来る客がいるのか疑問
・サザエさんにネタを提供し放映してもらう … サザエさん製作チームに伝はないし、採用されそうにない
「そうだ、自分たちで漫画化すればいいじゃないか。」ということでマンガ本にしたのだとか。
マンガにしたことで、うまく読者に体験させることに成功したのが、第7話の「代表制ヒューリスティック」の説明の仕方。
これは、物事を見聞きした時に、既に抱いているイメージに囚われて、直感的に偏った判断をしてしまうことで、
まず、絵のないセリフだけで2ページのマンガを読ませる。
「拳銃を持った男がいた」「女は金と引き換えに白い粉を手に入れた」「遅かったな」「白い粉を男に渡した」…
これはヤバイ話だと大多数の人が思う。
その後に、絵入りで読ませるというもの。
ついさっき自分の頭で想像したことと、実際はどうだったのかが全く違うことに驚かされる。
本書は、マンガで23の要素を説明しているが、それ以外は文章で10項目ほど簡単に紹介している。
「デフォルト効果」では、私が最も効果的な使用例だと感じている「最高裁判所裁判官国民審査」が取り上げられていた。
やめさせたい人に×を書くアレです。
どんな人か良く知らないし、やめさせたいと思う以前にそもそも関心がない。
自分には影響なさそうだし、こんなことに×を書くなんて面倒なだけ。
デフォルトが〇だから、誰も罷免されない。
もしデフォルトを×にすれば、全員が罷免されるという、思い通りの結果を導くための証拠ねつ造システム。
あなたがどのような行動をとるかを見越して作られた投票方法なのです。
「確証バイアス」は、思い込みによる判断の偏りで、クイズで体験させている。
ある規則で並んでいる数字があります。(?)にはどんな数字が入るでしょうか。
5-10-15-(?)
5の倍数で順に並んでいると規則をみつけ「20」と答えたでしょう?
「20」も間違いではありませんが「30」も正解です。
では次の(?)にはどんな数字が入るでしょうか。
5-10-15-30-(?)
ある規則が「前の数より大きい数が来る」なら30より大きな数であれば正解です。
ある規則を発見すると、別の可能性を排除しがちです。
行動経済学の復習をしたい人にもいい本でしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
行動経済学を漫画で説明した本。
あとがきで、著者が、行動経済学を"サザエさん"で描きたかったと書いてある通り、サザエさん一家がとりそうな行動がたくさん紹介されていて、わかりやすい。
経済行動学は心理学とかなり近いなぁ。 -
ピタゴラスイッチのピタゴラ装置の企画や制作などをしている研究室の熱気が伝わってくるよう。
人間の非合理的な経済行動をどのような心理が働いているかわかりやすく漫画で第23章にもわたって解説。
同じ金額なのに心の中で価値を独自に優先順位をつけるメンタル・アカウンティング、ホームベーカリーの値段再設定というおとり効果、値段設定は中間のものが選ばれやすい極端回避性、無料にのせられた選考の逆転など自分もしらないうちに踊らされているんだなと痛感。目標勾配仮説は自分を奮い立たせるのに良さそう。
名誉や報酬が動機を阻害する様子はイチローを例にしたり、宝くじ高額当選者だけに渡される冊子、保有効果に中原中也の『月夜の浜辺』の紹介など章末のコラム欄も面白い。 -
レーガノミクスでもアベノミクスでもなくヘンテコノミクス。
著者はピタゴラスイッチで有名な佐藤雅彦。
人間の判断は合理的に行われている、というのが旧来の経済学の考え方だったが、実は人間は非合理な行動をしているということがわかった。これが行動経済学である。
人間の非合理な行動パターンを漫画でわかりやすく、くだらなく面白おかしく描いている。
著者は経済学者ではないし、監修もいないが、巻末に参考資料がきちんと挙げられている。どれもベストセラー書籍だ。ベストセラー書籍のアンソロジーにも読めるともいえる。
あとがきによるとサザエさんをやろう、と思いついたらしい。その名残が残っているな、と思いました。 -
行動経済学をわかりやすいマンガにして、それの解説が書いてあるという構成の本。1話完結のマンガが23話あり、一つのマンガを読むと一つの行動経済学の概念が分かる。
読んでいると、確かに人間の行動は合理的では無い事が多いなぁ、というのを改めて感じるし、行動経済学という学問って非常に面白いなぁ、と思ったりもした。行動経済学の入り口としては、これ以上の本は無いんじゃ無いかな、と思うくらいの出来。自分自身が取る理不尽な行動についても良く理解できたので、うまく生活に生かしていきたいな、とそんなことを感じた。 -
新しいジャンルの漫画だった。
というか、非合理的な人間の経済行動を分かりやすく、人々に広めよう!としたら漫画による表現に行き着いた…ということらしい。
懐かしい感じの絵柄は、あの「バザールでござーる」の生みの親高橋秀明さんらしい。
「フレーミング効果」とか「プラセボ効果」とか名前は聞いたことあるけど、何だっけそれ?みたいなモノを日常を舞台にした漫画で分かりやすく、面白く解説してくれる。
どれを読んでも、「あー!分かる分かる、コレってそういうことだったのね〜」となること請け合い。
計算通りにはいかない、人間ってやっぱりフクザツですね。2019.8.20 -
あとがきにこの本が出来た経緯がある。バザールでござーるなどでおなじみの高橋秀明さん、佐藤さんの研究室から出てきた菅俊一さんとともに作られた本。行動経済学の原理を昭和風な絵柄の漫画で描かれている。
ひとつひとつのエピソードが日常の生活でよくあるものでなるほどと思う。人は真っ当な理由だけでは動かない、もっと人間的な深い原理で動いていると。
川村元気さんとの対談で、佐藤雅彦さんは難しい内容を平易に分かりやすく面白く伝えることが好きな人だと評されていたけれどまさにそういった本だった。 -
行動経済学というなんとも難しそうなテーマだか、どれも身に覚えのある、所謂あるある、を学術的な根拠に基づいて説明している。身近な事柄を実例にしていて楽しみながら知的好奇心を満たしてくれる。
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人の行動の不思議さが色々理解できて面白かった。
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あるある