鎌田實の人生図書館 あなたを変える本と映画と絵本たち400
- マガジンハウス (2020年11月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784838731336
作品紹介・あらすじ
鎌田先生、渾身の読書案内! 「読書は人生の羅針盤の役割を果たしてくれた」
実の親に捨てられ、養父に育てられた著者。貧乏な家庭の事情をわかってくれていた学校の先生が「図書館の本を何冊でも借りていっていい」と言ってくれたことが、鎌田先生の人生を変えていきました。
世界を広げてくれた400を超える本や絵本、映画を取り上げ、生きること・死ぬこと、人生の面白さや心の機微にいたるまで鎌田流に読み解いていきます。本は世界で起きていることへの関心を持ったり、物事を考えるうえでの武器にもなります。さらに心の健康づくりのヒントにも。
メジャーな作品からビジネス書まで、コロナ禍の今だからこそ、ゆっくりと手にとってみてはいかがでしょうか。
●大災害、大恐慌、そしてパンデミックを生き抜いた宮沢賢治は、今を生きるヒントを与えてくれる
●「ほっとけない作家」ベスト10
●「人生なんでもあり」で生きようーー檀一雄の生き方
●読書は「いま世界は」「そして自分は」を考える武器になる ……など。
鎌田先生の持つ温かな心や、豊かな知恵や、深い知識や。
細やかな人情や元気の源が分かった! みんな本を読もう!
まずこの本から! ーーさだまさしさん
ページをめくるにつれ、
ふと、自分が子供時代に読んだ本、若い頃に観た映画と、
もう一度、あいたくなった。ーー阿川佐和子さん
感想・レビュー・書評
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時々メディアで拝見する鎌田實さん。
諏訪中央病院名誉院長で作家さんという認識だったが、他にもたくさんの顔があると知った。
チェルノブイリを支援し、イラクへの国際医療支援、被災地支援にも足を運び、佐賀には「まちなかライブラリー鎌田文庫」をひらいている。
長野県民の健康寿命が長いことも、鎌田さんの尽力に負うところが大きい。
八面六臂の活躍だが、そんな人生の支えだったという本・映画・絵本400点余りの紹介。
昨年11月刊行の本書は、コロナ禍のさなかにある人々へのエールになっている。
海外の医療支援に出向くことも出来ず、価値観の大変換がなされつつ今。
本や映画・絵本からコロナに負けない新しい人生のヒントを得られるのではないか。
ステイホームを良い時間にしてもらうための指針になれたら、と語っている。
語り口は平易で優しく、隣で話しかけられているような気持になる。
▪第一章 自分好みを追い求めてきた
「物語る」日本の作家ベスト7
1.堀辰雄 2.中原中也 3.宮沢賢治 4.川端康成 5.中上健次 6.三島由紀夫 7.夏目漱石
「骨太の作家たちベスト10」&「ほっとけない作家ベスト7」も。
▪第二章 僕の人生を変えた、この本!
「クローニン全集」「どくとるマンボウ航海記」「非営利組織の経営」他
ノーベル賞作家のスベトラーナ・アレクシエービッチに大変影響を受けている
▪第三章 人生を彩った名画たち
1.第三の男 2.ライムライト 3.カサブランカ 4.道 5.タクシー・ドライバー 6.ひまわり 7.荒野の決闘 8.ジョーカー 9.アラビアのロレンス 10.市民ケーン
▪第四章 人生に迷ったら映画館へ行こう
時代を切り開いた映画ベスト10や邦画のお勧め作品の紹介
▪第五章 絵本は「心の癒し」です
好きな絵本ベスト10
1.100年たったら 2.100万回生きたねこ 3.3つのなぞ 4.なまえのないねこ 5.ヤクーバとライオン 6.空の飛び方 7.わすれられないおくりもの 8.マリールイズいえでする 9.おちゃのじかんにきたとら 10.ルリユールおじさん
上記に載せたのはごくごく一部の作品。
まだたくさん掲載されているので、ぜひ読んでみてね。
悲惨な生い立ちに言葉を失ったが、挽回してなおあまりあるほどの人生だ。
いいんだ、大丈夫、なんとかなる。
そう繰り返されるたびに、そうか、これでいいんだと小さく頷く自分がいる。
絵本の読み聞かせの写真で、おかしな持ち方をされていたのもご愛敬。
困っているひとに手をさしのべること。見えないところで努力すること。
人生の不条理を受け止めること。希望をなくさないこと。
鎌田先生の熱意が伝わる佳作。 -
〝僕は子供時代、貧乏の中で生きてきました。親にも捨てられました。子供時代は夏休みや冬休みが嫌いでした。でも学校の先生が、家の事情をよく分かっていて、「図書館の本を何冊でも借りていっていい」と言ってくれました。何処にも行けないのは僕だけ、それでも本が僕を救ってくれました・・・〟本が人生の土台をつくり、映画が心の栄養剤となり、絵本が心の癒しとなる<鎌田實>先生からの “幸せな時間” のおすそ分けです。
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鎌田さんの人生に大きく影響を与えてきた本や映画が紹介されている。印象的だったのは、「不条理」に向き合った作品だから、という理由でオススメされていたものが多かったこと。どうしたってどうにもならないことにどう対処するか、は本の中で擬似体験しておくべしと言う。養父母に育てられたおいたちや、医師という職業柄多くの生死を目の当たりにしたからこその鎌田さんの視点なのだと思う。朝起きたら虫になっていた、というカフカの「変身」は「不条理の極み」として紹介されていた。そりゃ虫になったらパニックだ。
まさに「不条理」に見舞われている今こそ読むべき本にも言及している。以下の一節がとても興味深い。
"「カミュの手帖」に「孤独であることが悲劇なのではなく、孤独でいられないことが悲劇なのだ」と言うフレーズがあります。コロナ時代をどう生きるかを考えたとき…洗脳されるかのように「ニューノーマル」を押し付けられますが、とても不愉快です。新型コロナが振るう猛威は、とても不条理、しかし僕自身がこの世界の一部なのだから、この不条理や悲劇を受け入れるしかないと考えています。勝手に「ニューノーマル」なんて言われるよりも、この数年、積極的に孤独で生きてみようと思っています。"58
時代は変わり生き方は大きく変われども、人の心の葛藤は今も昔も大して変わらない。そう考えると、時代を超えて読まれている作品にこそ、真理があったりするのだろう。問題は、難しい本を読むと3分で私の頭がオーバーヒートしてしまうのだが、この自粛GWに大作に挑戦してみるのもひとつかもしれない。 -
読書がその人の血肉になるだけでなく、血肉踊るような体験も、そして国境も時間も心を繋いでいくこともあるのだなと、本当に本好きな鎌田實さんの魅力ある図書館と言える本。次々と読んで、感想も話したくなります。
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新しい本や映画との出会いのために。
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少しスリムになられた著者をTV番組で見かけました。
「本と映画と絵本」は共に歩んできた私の友!
著者がお好きな作家たちへの関心も高まりました。 -
いい人生は「自分好み」を作っておくこと。
「足るを知る」を心がけ自分なりの満足度合いを知っておくことかもしれない。 -
2020年11月刊行。
本書の製作中から筆者のブログに記事があり注目していた本。物語、映画、絵本と多分野からの選択、邦画が少ない気もする。
惜しいのはおすすめが一覧になっておらず、すべて文中に記される。これだと参考にしようと思っても見難い。が絵本のところは鎌田先生が特に思い入れがありそうなのが伝わってくる。映画はおすすめの1、2割くらいは見ているかなという感じ。 -
鎌田實先生による、本と映画と絵本のおすすめ集。非常に参考になった。鎌田先生については新聞などで名前を知っている程度だったが、書店でこの本を見て、その表紙の感じや中身をパラパラ見て迷わず購入した。とても興味深い人だということがわかった。この半年間かなり読書をするようになったが、私の読書には偏りがあったので、今後読みたいと思う本がたくさん出てきてとても嬉しく思った。また、私の敬愛する沢木耕太郎同様映画にすごく造詣が深く、見たいと思うものが多数出てきた。読んでて楽しかったし今後鎌田先生には注目し続けたいと思う。
ありがとうございます!
ちょっとシュールでオシャレなお話なんですよ。
教訓のある本は私はむしろ読みません。
そ...
ありがとうございます!
ちょっとシュールでオシャレなお話なんですよ。
教訓のある本は私はむしろ読みません。
それは学校でやってくださいって感じかな。