ミウラさんの友達

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838731985

作品紹介・あらすじ

大切な関係だって
小さなヒビから
パリンと割れてしまう

友達って
むずかしい

漫画デビュー20周年記念作品
渾身の描き下ろし漫画

「思ってもなかったな〜
あたしがさ〜
ルームシェアするなんて」

新しく出来た「トモダチ」は、
5つの言葉を話すロボットでした!

…………

原画展開催のお知らせ

『ミウラさんの友達』の刊行を記念して青山ブックセンター本店にて原画展を開催します。

日程 
2022年3月22日 (火) ~ 2022年4月12日 (火)

時間
平日 10:30~21:00
土日 10:00~21:00
       *最終日は17:00まで
       *状況により、営業時間の変更がある場合もございます。お手数ですが、お出かけ前にご確認下さい。

場所 
青山ブックセンター本店ギャラリースペース
東京都渋谷区神宮前5丁目53−67 コスモス青山地下 2階

感想・レビュー・書評

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  • 話せる言葉はたった5つだけ。
    「うん」「そうなの?」「大丈夫」「ただいま」そして「きれい」(「きれい」はミウラさんが登録した言葉)
    不動産屋で手に入れたロボットの「トモダチ」は、人間の表情を読み取って登録された5つの言葉から自動的に選んで返事を返すのみ。そこには自分の意思も感情もない。友達というよりは自分の写し鏡のような存在。

    ぱっと見リアルなヒト型ロボットの友達…一家に一体とか近い将来そうなりそうでちょっとフクザツ。。
    ミウラさんもボヤいていたけれど、生身の人間の友達は大人になるにつれ減っていく一方。
    そんな時、自分の都合に合わせられる便利な「トモダチ」かいれば寂しさは軽減されるのかな。

    ミウラさんの母親の、友達についてのセリフ
    「会えない時は会えない。また会える時は会える。そんな感じなんじゃないの?友達って無理して会うものではないし」に共感。
    今は疎遠になっていてもいつかタイミングが合えば、きっとまた会える。無理して作るものでもない。
    ロボットみたいに思い通りにはならないけれど、自分の意志や感情を持つ人間の友達がやっぱりいい、と思わせてくれる作品だった。
    益田ミリさんの作品は決して押しつけがましくなく、大切なこともさらりと流すように胸にすっと入り込むところが心地よい。

  • ことば数の少ないおとなしい友達だなぁ〜なんて思って読み進めて、あぁ、そういうことね、と気づく。

    ミウラさんの友達は、とても意外な友達。
    癒してくれて、居るだけで安心できて…
    でも、自分だけが楽しいって淋しい気分に…

    ずっーと友達といるかな、と思ってたけれど
    友達が繋いだような…友達以上に素敵な出会いがあった。

    とても温かくてホッコリできる、流石ですね。

  •  小説と思って図書館で借りたら、まさかの漫画でした。あっという間に読み終わってしまったけど、すごく良かったです。

     主人公のミウラさんは一人暮らし。以前とても仲の良かった大好きなお友達と、ミウラさんが推測するに、返信したメールが原因で、疎遠になってしまっている。そんなこともあり、ミウラさんは新たな「おともだち」を手に入れる。

     こう書くとよくありがちですが、実際の内容は割とぶっ飛んでいて、それでいてハートフルです。

     私も、人生で一番好きで仲が良かった友達を多分怒らせてしまい、(情けないことに私はよく理由がわかっていないのですが…)唯一繋がっている年賀状で、また話したいなど書いてみるのですがダメで、ミウラさんと状況が似ていて、心に突き刺さる内容でした。

    私とその友達との関係性にそのまま当てはまって、私が思っていること、誰にも口にしたことがないことを全部言ってくれていて、泣きそうになりました。

    ミウラさんや他の登場人物も、こんな優しく、色々と健気に考えて感じている人がいるんだ、静かに一生懸命生きている人がいるんだ、と思うだけで、温かい気持ちになれました。時々、新聞で益田さんの文や漫画を拝見して、短い中にもしっかりと情緒が込められていて素敵だなと思っていましたが、大好きな一冊になりました。

    刺さった言葉の抜粋…

    ○その子さ、基本真面目で、義理堅くて、よく言えば一途だけど、好き嫌いがはっきりしてて、頑固とも言える。嫌いってなるとずっと嫌い。そういうとこあるのあの子。だからさぁ、もうさ、だめなわけ。何に怒ったのか理由どうこうより、もう私とは友達ではいたくないって、あの子が決めたのがわかるから。おかしいんだけど、私、あの子のそういうとこも友達として嫌いじゃないの。てか、むしろ好きなとこでもあった。だからいいんだ。多分もう。。

    ○きっと元には戻んないんだろうな、少なくとも今はね。嫌いにはなりたくないんだ、このまま会わなくなったとしても。一晩中話したこともあったんだよ、私たち。あんな友達、もう新しくできないかもしれない。できたとしても、いつかまたこんな思いするのが怖くて…。
    友達だった事は変わらないし、楽しいこともいっぱいあったし、お互いに助け合って、信頼しあって、人生のある期間一緒にいたっていう真実は、残ると思うんだ。

     私も、そのお友達と一緒にいた時間が今でも宝物です。

  • ミウラさんの新しい友達はロボット。
    喋る言葉は初期登録の四つと自分で登録できる一つのみ。
    四つ目の言葉がなかなか分からずだったが、「そうきたかー」と驚かされた。
    自分で登録できる言葉もその人を表しているなぁと。
    私なら、、、何かな。
    友達とは、改めて考えさせられるお話でした。

  • じんわり心が温まる。
    帯の『大切な関係だって小さなヒビからパリンと割れてしまう』という言葉を読んで惹かれた。
    人間関係って難しいな〜と思っていた時期だったので、より心温まる感じがしたのだと思う。






    ★友達ってむずかしい
     ものすごくうまくいってた関係でも
     小さなヒビからパリンと簡単に割れてしまう
     これまでだってうまくいかなくなった友達はいたけれども慣れる、なんてことはたぶんなくて

    ★友達も変わってくんだね
     変わっていくっていうより
     会えない時は会えないまた会える時は会える
     そんな感じなんじゃないの?
     友達って無理して会うものではないし

    ★わたしがチカと友達だったとこは変わらないし、楽しいこともいっぱいあったし、お互いに助け合って信頼しあって
     人生のある期間一緒にいたって言う真実は、残ると思うんだ

  • なんとも、シュールな物語。ロボットの「トモダチ」を購入。その子は五つの言葉しか話さない。最初に設定されているのは「そうなの?」「うん」「大丈夫」「ただいま」の四つ、あとひとつは、購入者が自由に設定できる、そこで選んだのが「キレイ」。ああ、これってシンデレラのように人を見てではなく、夕陽や青空を見たときに発せられる言葉。


    この、たった五つの言葉でもそばに居てくれるだけで癒しになり、会話ができる。
    言葉って何・・・会話って何・・・友って何・・・家族って何・・でおます。


    作者は、益田ミリさんです。

  • 面白かったし
    とても良いお話でした。

    谷中が舞台だったから
    ずっと会っていない大好きな友達を思い出しました。

    ミウラさんにお友達ができて
    良かった。

    そして自分の、友人とのかかわり方を
    反省しました。
    まあ、すんだことはしかたない。

  • 5つの言葉だけを話すロボットの「トモダチ」とのルームシェア。予想と違う展開だったが、温かい話でじんわり沁みる。そして、切ない気持ちになる。

  • トモダチが、まさか、○○ッ○だったとは!
    続編、出ないかなぁ。

  • ミウラさんのお母さんの「会えない時は会えないし、会える時にはまた会える」が刺さったなぁ。女性は特に、人それぞれライフステージが変わっていくスピードも違うから、友人関係ってずっと一緒ではいられないと思う。今は会えない友達でも、何年も経ってまた会えるようになる日が来るかも。
    登場人物みんな良い人で最高でした。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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