パリの空の下で、息子とぼくの3000日

著者 :
  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838732074

作品紹介・あらすじ

★★予約殺到につき発売前重版出来★★

幸せというものは、欲ばらない時にすっとやってきて
寄り添う優しい光のようなものじゃないか。

ぼくが離婚をしたのは息子が10歳になったばかりの年だった。
本書は14歳の頃からスタートするが、回想するように、息子が10歳だった当時に遡ることもある。
小学生が大学生になるまでの間の父子の心の旅の記録である。


ぼくは父であり、母であった。
シングルファザーになったあの日から 



目次

まえがきに代えて  

2018 息子14歳  
2019 息子15歳
2020 息子16歳    
2021 息子17歳     
2022 息子18歳    

あとがきに代えて  

感想・レビュー・書評

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  • シングルファーザーになってからの息子との生活エッセイ。
    父の繊細さや悲しみや葛藤が素直に記録されている。反抗期を迎えた息子は、口をきかない、何を考えているのか分からない、友人とは和気藹々と会話するのに父にはぶっきらぼう。
    仲の良い父親にもこんな態度なのかと、読みながら安堵した。

    息子との会話の合間に、「かっちーーーーん。」
    「じーーーん。かんどうしてる。」等、辻さんの気持ちも自然で違和感はない。

    「パパ、いい?友だちを大切した方がいいよ。本当に苦しい時には友だちがたすけてくれる。いい?仕事の仲間は、お金を貸してくれても、助けてはくれない。でも、友だちは損得で動かないから、苦しい時にこそ意味のある話に面倒くさがらずにのってくれる。」げ、涙が出そう。
    息子さんの言葉で会話が多く記録されており現実的。

    男の子を育てる男親・女親に、反抗期に入る前に読んでほしい。

    #シングルファーザー#シングルマザー#中学生男子#反抗期

  • 突然フランスで二人になって、その後もフランスに留まり毎日温かいご飯を作り続けて息子さんを育ててきた辻さんは本当にすごい人。自分の非は認めずシニカルで主張の強い言葉を放つ息子さんはフランス的だなと思ったけど、こんなすごいお父さんいないよ!と言ってあげたい。それでも母親への寂しさが随所随所にこぼれていて、苦しくなった。スーパーで辻さんのいとこを間違って「ママ!」と呼んでしまい泣き出してしまった場面は想像するだけで悲しかった。今20歳かな?どんな道に進んでいくのか楽しみです。

  • 本だったり、BSの番組だったり。
    辻さんと息子さんの生活はいつも目に入ってきてた。
    だから彼の成長が本当に嬉しいし、なんか切ないですね。
    親目線から見ると。
    ずっと一緒だったのに、これからはそれぞれの生活が始まるんですね。

    世界中で1番気になる親子なんで、辻さん、すみません。
    これからも息子さんの事教えてくださいね。

  • 題名通りのエッセイ集。バンドの頃は知らないが「海峡の光」を読んで大好きになった。息子さんが10才の時に離婚して、パリで8年余りを2人で過ごした日々を描いている。辻仁成氏のインスタをフォローしていたので、息子さんの成長過程が親類のお子さまの様に近しく感じたし、料理作りを通しての父子の関わりも素晴らしかった。

  • 必要な時に話し合える親子関係は良いなと思った。

  • 2021年からは日記ほとんど読んでたので、その前の、息子くんと父ちゃんの歴史を覗かせてもらった。
    つじーの言葉はいつも元気をくれる。
    元気、というか、元気じゃない時もそんな時もあるよね〜、だし、疲れた時もそんな時もあるよね〜みたいな、そんな優しい感じ。
    子育てしたこともシングルになったこともないけど、きっと、同じ立場で救われてる人は多いんじゃないかな、と思う。
    父ちゃんみたいな人が、この世にたくさんいてくれたらなあ
    いつか自分が子供を産めたら、そして、もしも、シングルになったら、料理でコミュニケーションをとれたらいいなあと思うし、ちゃんと一人の人間として接したいなあ、と、父ちゃんの日記を読んで、思うのでした。

  • 等身大父ちゃんのドキュメンタリーで非常に面白かった。
    素敵な親子関係。息子さん頭良さそう。
    サクサク読めました。
    コロナ禍でのリアルタイムなシングルファザーエッセイ。今年一おすすめエッセイ!

  • 親としてどういうふうにしたらいいか考えるヒントになる。

  • シングルファーザーとしてパリで息子を育てている辻さんの日々が、日記として綴られた作品。
    息子さんが10歳から18歳になるまで、笑いあり涙あり… ときにぶつかり合いながらも、手探りで親子の形を模索していく姿、そしてどんな時でも父子の絆として、「美味しいご飯」を作り続けていく姿に、感動したり切なくなったり。
    日本とフランスの文化や生活の違い、辻さんの子育て論など、ためになる発見も多く、とても面白く読んだ。

    ”幸せというものは欲ばらない時にすっとやってきて寄り添うこういう優しい光のようなものじゃないか、と思った。”
    “子どもは巣立ってなんぼなので、飛び立つまで見守るのがぼくの役目だと思えば、残さず食べてくれたシンクの中の丸い皿はぼくにとって特大の子育てメダルなのである。”
    ”人生はいくらでも自分次第で、どこであろうと、面白く楽しく生きることが可能だ。”

    辻さんの愛のある言葉たちが、心に強く残った。

  • 生きるって考えることと感動の連続だ。

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著者プロフィール

東京生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。以後、作家、ミュージシャン、映画監督など幅広いジャンルで活躍している。97年「海峡の光」で第116回芥川賞、99年『白仏』の仏語版「Le Bouddha blanc」でフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『十年後の恋』『真夜中の子供』『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』『父 Mon Pere』他、著書多数。近刊に『父ちゃんの料理教室』『ちょっと方向を変えてみる 七転び八起きのぼくから154のエール』『パリの"食べる"スープ 一皿で幸せになれる!』がある。パリ在住。


「2022年 『パリの空の下で、息子とぼくの3000日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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