- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784839929770
作品紹介・あらすじ
本書で語られるのは、ゼロ年代ビジネス書の総括から、出版業界の裏側、振り回される読者の実態、ビジネス書との賢い距離感の探り方、自己啓発・成功本における定番ストーリー解読、古典的ビジネス書のエッセンスまで…いわば「ビジネス書の攻略本」ともいえる充実の内容。
感想・レビュー・書評
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有名どころのビジネス書を読んでき。この本を読んで自らが思い描いていたことが書かれていて納得。ただ、もう少し踏み込んで、ビジネス書を売るというビジネスを考えた出版社の思惑まで考えていなかった。言われてみれば当たり前なのだけれど、。本とて商品なのだから。
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ビジネス書の根底にある『成功哲学』の源流として、ニューソートについて言及しているところなど、著者の分析はなかなか深いです。amazonのレビューでは安易なビジネス書批判の駄本という評価をされているようですが、それはあてはまらないと思います。そもそも読書の目的は何か、それによって自分の行動をどう変えるかが重要なのだということを忘れてはいけない、という警告書です。ビジネス書マニアならず、すべての方にとって一読に値する本だと思います。
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ビジネス書はビジネスマンに夢を見せてくれるという点で「島耕作」シリーズと同じ。それが“現実的かどうか”は問題ではない。ビジネス書は「栄養ドリンク」みたいなもの。一時的に血糖値を上げヤル気にさせてくれるが、医学的効果は果してどうなのか。ビジネス書はいうなれば「道に迷ったときのタバコ屋のおばさん」。方向を教えてはくれるものの、歩き出すのはあくまで当人……。
本書で語られるのは、ゼロ年代ビジネス書の総括から、出版業界の裏側、振り回される読者の実態、ビジネス書との賢い距離感の探り方、自己啓発・成功本における定番ストーリー解読、古典的ビジネス書のエッセンスまで……いわば「ビジネス書の攻略本」ともいえる充実の内容。
これさえ読めばもうビジネス書なんかいらない。 -
自己啓発本をまったく読まない自分を正当化するために読んだら,あ,やっぱり読まなくていいんだ,と安心させてくれた。薄利多売・粗製乱造・劣化コピー,ビジネス人の不安心理につけこむ煽りマーケティングが横行するビジネス書ブームの諸事情。
20世紀のビジネス書は,著名な経営者の手になる成功哲学がメインだったが,今世紀に入って,なんちゃらコンサルタントとかいう有象無象の執筆する仕事術・ライフハック・自己啓発関連書籍がとても増えているそうだ。でも内容は昔のものの焼き直しが多く,小手先の小技もあまり役に立つかどうか。
自己啓発本にお約束のストーリーはこんな感じらしい。
①ザックリした問題提起,
②歓迎,鼓舞,共感や仲間意識の醸成,
③対処すべき対象,目標の特定,
④目的意識の強化,
⑤スケジュール管理や継続のメリットを力説,
⑥主題の念押し,激励と送り出し。
いかにもありそうw(読まないが)。
本書の構成としては,ゼロ年代のビジネス本ランキングを振り返ってから,自己啓発本の源流を探りに19世紀から大恐慌ころの資本主義アメリカへとさかのぼり,現在のビジネス書をめぐる読み手・書き手・業界の抱える問題を概観。最後にビジネス書といかに付き合うかでまとめてる。明快で良い。
コーチングとか自己啓発の最も核になる「ポジティブシンキング」というイデオロギーは,キリスト教ニューソートに淵源するという。現世利益の追求を戒める古い宗教の考えを打破し,成功したい,金持ちになりたいという欲望を解放。それが原動力となって世界のアメリカを作っていった。
それにしてもビジネス書漬けの人々が結構いるらしくて驚く。勝間女史は月に50冊読んでるとか,本田氏はビジネス書を年間400冊読んでるとか言って煽るものだから,それを真に受けたり,読まなきゃ後れを取ってしまうという強迫観念から自分を追いつめている人たちがいるんだって…。
著者はそういうのを戒めて,ビジネス書はこれはという原典を一冊(多くても数冊)じっくり読むのが吉としてる。『7つの習慣』とかね。そしたらあとは,もっと仕事に直接役に立つ実務本をもっと読めと。とてもまっとうな意見だと思った。 -
『土井英司の超ビジネス書講義』の次に読んだのがこのタイトルというのも、土井さんが著書内で紹介していた振り子の話のようです。
『もしドラ』が流行った頃には『マネジメント信仰が会社を滅ぼす』が出版されたり、スティーブ・ジョブズ関連本がベストセラーになれば『成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈』が出版されたり。そうやって時代はバランスをとっていくものかもしれません。
タイトルから想像できるとおり、ただブームだからビジネス書を読んだだけ、それをそのまま受け売りでやったみただけでは何の意味もないといったことを説いています。当然の主張だと思います。ただ、この著書内で紹介されている事例が、あまりにも極端な気がして(少なくとも私は出会ったことがない)、それ以上にただビジネス書に対する悪意というと言い過ぎかもしれませんが、敵視しすぎている印象があり、あまりこの内容を素直に受け取れない気がします。
出版不況の結果、ビジネス書を薄利多売方式で出版した結果、価値のない本が出回っている、ということも指摘していますが、私は少し見方が違います。従来、専門家が理論や研究などを出版していただけの時代から、ソーシャルメディアの登場のように、いろいろな人が著者として、発表する機会があるのはいいのではないでしょうか。つまり、これまでのマスコミのように画一的な理論などはネットで十分調べられる中で、様々な立場の人が、自分の経験をもとに手法や考えを紹介し、自分にあった考えや役に立つと思える書籍を購入していく。これは当然の流れだと感じます。
結局は、そのビジネス書をどう活かすかが問題であって、自分自身がどういうスタンスで臨むのかが大事になってくるわけです。何事も目的意識が求められるというのが正直な感想です。
・苦境の出版界の打開策としての薄利多売戦略、その結果としてのビジネス書の出版ラッシュ
・ライフハック自体は、“ちょっとしたコツ”の集合体
それを取り入れるために大切なのは、とりあえず試してみて、何となく合う、どうも合わないという大まかな印象をもとに適宜取捨選択していくこと
・ビジネス書は曖昧でこぢんまりとした危機感から読まなくてはいけないような感覚に陥る
ただ、ビジネス書を読むだけでその気になっていないか、思考停止に陥っていないか。そのような読み方をしてしまうのなら、ビジネス書は害悪にしかならない。
<この本から得られた気づきとアクション>
・ビジネス書読書に限らず、何事にも目的意識を持つこと。
・ブームの背景には理由が存在する。それをつきとめることもおもしろい。
<目次>
第1章 ゼロ年代のビジネス書幻想
第2章 ビジネス書の掟と罠
第3章 「ビジネス書」というビジネス
第4章 ビジネス書に振り回される人々
第5章 “そこそこ”賢いビジネス書とのつき合い方
第6章 ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない -
ビジネス書に対する辛辣な意見多数。
たくさん読んでいる方の自分としては、
反省するところもあった(耳が痛い…汗)。
ただし、ここで言う「ビジネス書」とは、
主に「自己啓発系」と言われるライト名ビジネス書のことをいう。
(著者も補足していますが)実務書は含まれておりません。
(そいういう意味では、この本もタイトルを奇抜にして
目を引くような本の一種と言いたくなるような気も…。)
そんな自己啓発系を読むのではなくて、
読むなら骨太な経営者の哲学を書いた本を読みましょう、
必要以上にビジネス書作家の不安を煽るような言動に
騙されないようにしましょうと警告してくれています。
ビジネス書を読むことが目的化してしまっている人には、
ちょっと心が痛いところもあるかもしれませんが、
よい薬となってくれるかと思います。 -
ビジネス書読者の方策は、安直な煽りにのらずどんな目的を持ってビジネス書を読むのかを良く考えながら目を通すこと。
本質は今も昔も変わらない。長く読み継がれてきている定番ものを中心に攻めるスタイルがオススメ。
七つの習慣と思考は現実化する、が筆者の厳選書。
日本の本なら松下幸之助や本田宗一郎、井深大、盛田昭夫、稲森和夫。
ジワジワと効くのが本来のビジネス書。 -
『読書で賢く生きる。』繋がり。ビジネス書は割と好きだったので本書の内容は響くものだった。
本にどう向き合いどのような読書をしていくのか考え直す契機にする良い本だった。 -
ビジネス書マニアへのアンチテーゼとしての一冊。
ネットで評判だったので読んでみた。
著者が主張する、
ビジネス書を読む(読んだ気になる)効果、
出来る人間になれる気がする中毒性は確かにそうだと思った。
読むこと自体が目的となってしまうこともありがちで、
本来はこれを手段として仕事に活かすことが大事なのだと。
単に批判するだけでなく、
両署も紹介しているので読んでみる価値は充分ある。 -
手品のタネを明かされた感覚に陥った。
僕はビジネス書は結構好きので、本書はとても興味深く読めた。
自己啓発本は一時の高揚感や万能感を満たしてくれる、いわば「栄養ドリンク」みたいな効果を持っている。
確かにその効果があることは否めない。
僕も昔は古典を薄増しにしたような自己啓発本・ビジネス書を手にしたことがたびたびあったが、その時はビジネス書って何?という何も知らない段階だったので読んでいたが、だんだんとその内容の薄さ・同じことの繰り返しに違和感を感じ、今ではその類の本はほとんど目にしなくなった。
僕も本書で指摘されている「ビジネス”駄”本」を読めとは、決してお勧めしないが、(むしろ読むなと言いたい)、しかしそれらの本が、僕に本を読む習慣を身につけてくれたのも事実である。
様々な「ビジネス”駄”本」を読んでいく内に、自分の中で審美眼みたいなものが培われ、良書と悪書の違いも少しは分かるようにはなったと思う。
確かに世の中には読む価値ある本というのがあるが、それを最初から見抜くのはほとんど不可能だろう。
悪書を読むことは最初は避けられないと思うし、しっかりと自分の頭で考えられる人は、段々悪書にも手を出さなくなると思う。
ビジネス書を読むのなら、しっかりとなんのために読むのか目的を持ち、玉石混交の数少ない玉の本を手にとって欲しい。
決して精神安定剤みたいな本ばかり読むのは時間的にも経済的にも損である。
読んだだけの自己満足で終わらせないためにも、世の中の大半の本は悪書であるという事実に気をつけるべきだ。
読書はとても素晴らしいと思う。
僕の読書のきっかけは「ビジネス”駄”本」であったが、結果的に読書の楽しみをしれたことは大きい。
様々な本を読んでいくとだんだん興味や関心の幅が広がっていき、知的好奇心も湧いてくる。
本からは、新しい視野、知識、考える力など得るものはたくさんある。
これからも主体的に様々な本を読んでいきたい。