神なる姫のイノセンス (MF文庫J)

著者 : 鏡遊

• メディアファクトリー (2010年5月22日発売)

作品紹介・あらすじ

ある日突然謎の集団に拉致された、平和を愛する一人暮らしの男子高校生・神堂祐貴。仕組んだのは、ある事情により十年間、別々に暮らしていた双子の妹、貴理だった。さらに祐貴は、貴理が通う桃花泉女子学院-通称・桃女に強制的に転入させられる。祐貴に与えられた使命、それは学院に存在する七人の才女"ヒメ神"を「落とす」というものだった。最初のターゲットは、成績優秀で気の強い生徒会長・鳴神かなみ。しかし祐貴とかなみの出会いは最悪で-。女子校に一人放り込まれた祐貴の命運やいかに!?人気シナリオライターが送る、正統派学園ラブコメディーがついに登場。

感想・レビュー・書評

[薄螺羽蜻蛉さんの感想 · 2013年5月29日]

超大金持ちの実家に呼び戻された主人公の少年が、唯一の男子生徒として女子高に通い、女の子とたちとキャッキャウフフするという、ラノベ界では掃いて捨てるほど存在する物語。
ちなみに、ヒロイン達は「ヒメ神」という特殊な能力を持つ少女で強い。うわ、ありがちー。
はいはいどうせつまらないんでしょおつおつ、と思いながら読み始めたんだけど、意外と面白い。
面白いというか、比較的に文章センスが俺の好みに合致しているので嫌味を感じることが少ない。
そうとくれば、この手のお話は大好物なので、美味しかったりする。
この作者、元々はエロゲのシナリオライターをやっていたみたいね。
代表作は「明日の君と会うために」かな。俺でも聞いたことのある人気タイトルだ。
さすがに地力のあるライターなのか、文章は読みやすいし、会話のセンスも良い。
ラブコメで「一緒にお風呂」というシチュエーションは、珍しくはない。
「体が女の子と入れ替わった状態で、女の子と一緒にお風呂」というシチュエーションも、珍しくはない。
でも、「妹の体に兄と妹の精神が同居した状態で、別のヒロインと一緒にお風呂」というこのシチュエーションは、ちょっと珍しいかもしれない。
先にも述べたとおり、全体的なプロットはどこにでもあるハーレム物語といえる。
そのステレオタイプなストーリーに、一積み、一捻り加えることで、ありがちで、かつ食べなれた大好物に新鮮な感動が生まれる。
・・・・いいじゃないか。（ ﾟдﾟ）
着々と読み進める。文章が安定していて読みやすい。それだけでも十分価値はあるんだけど・・・、典型的なエロゲ主人公、エロゲヒロイン群で、安定感はあるんだけどさ。
まあ、それぞれのキャラクターは特筆するほど好感度は高くないね。いろんな意味で普通。
ただ、主人公は・・これも典型的なエロゲ主人公なんだけど、なにか設定がふわふわしてて好きになれそうもないね。
鍛えられてるのに弱い、スケベなのに女体に遠慮する、捻くれた生い立ちのわりに正義漢ぶるなどなど、何かと中途半端な気がする。
戦闘力に差があるとは言え、日本刀を持ったヒロインにサブマシンガンで対抗してしかも負けるとか。
戦闘訓練を受けたとか言いつつ、実際は動物を銃で狩ったことがあるだけとか言い出すし。どこのやられ役お坊ちゃんだよ。
とまあ、細部をほじれば引っかかる点はチラホラ見つかるんだが、及第点レベルのエロゲからエロを抜けばこんな感じだろうなぁとは思わせる。
文章力的に十分楽しめるけど、主人公、ヒロイン、シナリオが普通すぎて評価はもう少し伸びない感じかな。惜しい。
伏線の貼り方も、その回収も雑すぎる。
ハルカが「影ヒメ」についてベラベラしゃべりだしたときにも、もっとやり方があるだろうと感じだもんだが・・・説明臭すぎるだろ。
同様に、今すぐにでも殺されるかも？という場面で、のんびりと自分の生い立ちや秘密にしていた思い出を語りだすかなみも相当おかしい。めっちゃ和んでるし。
途中まではいい感じだと思ったんだけど、最後でどっちらけになってしまった。ページの都合なのか？
読了。期待したほどの面白さではなかったけれど、とりあえず読みやすいし、読んでいてムカつくラノベあたりと比べれば十分楽しめそうかな。行くぞ、続巻。

[二次元研究所さんの感想 · 2012年2月14日]

9784840134019　295ｐ　2010・5・31　初版１刷

[かりおんさんの感想 · 2011年2月1日]

読みましたよー．

普通の高校に通っていた男子高校生が

突然お嬢様学校に編入してハーレムを作るために頑張らされる話ですね．

まぁ，この主人公君，実はその学校の御曹司だとかなんとかだけども

その暮らしが嫌になって家出してたんだけども

いつの間にやら実験を握っている妹に連れ戻されて…，という展開だそうで．

で，普通のお嬢様学校ハーレムモノかと思うとそうでもなくて

どうやらこの男，特殊能力があるそうですよ．

王の声という「命令に絶対服従させる」能力を．

なんてこったい．

で，夜な夜なロボットと刀を持ったお嬢様が戦闘を行い

MP5から実弾が飛び交い殺す殺さないの関係があったりと

ぜんぜんお嬢様っぽくない罠．

まぁ．お嬢様っぽいってのがどういうものなのかも

勝手なイメージに過ぎないわけだけど…．


それなりに面白かったけども続きを読むかどうかは分からんなぁ…．

[Takeさんの感想 · 2010年6月13日]

女子校に強制編入させられた主人公が双子の妹の指示で学院にいる『ヒメ神』と呼ばれる7人の少女を「落とす」ために動くというお話。
最初のターゲットは生徒会長の鳴神かなみ。
……ってことなんだけど、正直自分には合わなかったな～。

美少女といちゃいちゃラブラブするお話かと思ってたら、唐突にバトル始まって、むしろそっちがメインって感じだし。

ヒロインの魅力がさっぱり伝わってこなかったのもマイナスだなぁ～。
なんか唐突に話が進んでいって、唐突に終わっちゃったって印象が否めませんでした。

主人公の『王の声（オーバーロード）』なる特殊能力もルルーシュのギアスの二番煎じの印象が否めないし。
自分に能力を使うってのもコードギアスでもやってたよね？

これ、たぶん話は続いていくんでしょうが、自分には合わなかったので今後は読まないと思います。

著者プロフィール

シナリオライター、小説家。人気ＰＣゲーム「ef」シリーズのシナリオ、ノベライズを担当。「剣神の継承者」、「僕のカノジョ先生」（ともにMF文庫J）、「アスガルド武皇戦記」「最強パーティは残念ラブコメで全滅する!?」（ともにファンタジア文庫）などを刊行。

「2023年 『妹はカノジョにできないのに ４』 で使われていた紹介文から引用しています。」