地図男 (MF文庫 ダ・ヴィンチ し 5-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840138260

感想・レビュー・書評

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  • 読書好きの友人(講談社メフィストがもっぱら)が薦めていた一冊。
    メフィスト系が好きな友人が好きという理由も分かったが、自分には合わなかった。舞城王太郎や佐藤友哉が好きな人は好きかもしれない。
    自分がダメだったという理由は、地図男と主人公が呼ぶ人物が地図帳にその土地で見た出来事を物語として綴っており、エピソードを幾つか読み明かす、という構造を取っているのだが、地図男が綴った文章が勢いばかりで何も仕掛け的なものが無かったり(印象的な文章という意味ではあったのかもしれない)、読了した時に感じたことはテンションの上下が激しくて、何の感慨も沸かなかったという事だろうか。
    主人公と地図男とのやり取りはあるが、さほど多い訳では無かった。そこが自分がダメだった所だと思う。

  • 『宝島』を予感させる疾走感。

  • 月刊誌『ダ・ヴィンチ』の「ダ・ヴィンチ文学賞」 で、第3回大賞を受賞、2008年に刊行された真藤順丈氏のデビュー作の文庫版。

    語り手の「俺」は、映画制作の下請けで働く男。この男がロケハンで関東各地に出掛ける先々で出会う、一人の小奇麗なホームレス男がタイトルの地図男。この地図男、付箋が無数に貼り付いた一冊の関東地方の地図帳を持っているんですが、この付箋に書かれているのが、地図上の土地にまつわる物語。

    我々読者が読むことが出来るのは、その物語群のわずか3編。その他、数篇のあらすじが「俺」によって語られるのみなんですが、そのあらすじのみの物語も含め、どの物語も突拍子もない奇妙な物語です。あらすじのみの物語も、読んでみたい、と思わせるあらすじですが、これらが作中で書かれなかったのは、ページ数の都合かもしれません。
    ダ・ヴィンチ文学賞が募集するのはは、400字詰め原稿用紙換算で100枚から200枚の小説だったようなので、この『地図男』もその募集要項を満たす長編小説とも中編小説とも言い難い微妙な長さの出来上がり。
    もっと長い作品が募集されていたら、あらすじのみの物語もあらすじのみで終わらず、我々読者が読めたんでしょうね。
    未完成作ともとれるこの作品、その未完成さも含めて、アンバランスで奇妙な印象を与える作品です。
    この奇妙な作品で世に出た真藤順丈氏は、自身が地図男であるが如く、この後も奇妙な物語を紡いでいくことになります。

  • 得体の知れない地図男が物語を紡ぐ理由をそれこそ紡いで欲しかったが。まぁそれが作者の次作以降の小説家としてのテーマということか…。軽いタッチで、器用さが目立つ。書き込んだ後の作品がどう変化するのか興味はある。最新作の『宝島』など。

  • 読み始めはあまり好きではないかな、しばらく読まずに時間を置こうかな、とも思ったが、流し読んだり飛ばしたりしてとにかく読み進めた。
    アキルとムサシの話からは引き込まれた。

  • ダ・ヴィンチ文学賞大賞、解説:吉田大助

  • 関東圏の地図に沿って“語り書き”する「地図男」が記す小さな物語と
    それを没頭して読みつつも、地図男が気になって仕方がない「俺」。
    情報量が多く、読んでいて目が回るような感覚になりました。

  • 再読 すっかり忘れていたので一気読み。結構好き‼

  • 地図大好きだし、設定が面白そうだったので期待して読み始めたが、少々残念。

    作品中の物語がいかんせん中途半端。もともと文字数に規制のある文学賞に応募するため仕方なかったらしいが、本にする際に増ページにすれば良かったのでは。作中作の完全版が読みたい。地図男自身の物語ももっとしっかり描いて欲しかった。

  • 面白いというよりは衝撃的、斬新。 
    地図男のことが気のなる俺によってこの物語が完結するんですね。

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著者プロフィール

1977年東京都生まれ。2008年『地図男』で、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞しデビュー。同年『庵堂三兄弟の聖職』で第15回日本ホラー小説大賞、『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で第15回電撃小説大賞銀賞、『RANK』で第3回ポプラ社小説大賞特別賞をそれぞれ受賞。2018年に刊行した『宝島』で第9回山田風太郎賞、第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞を受賞。著書にはほかに『畦と銃』『墓頭』『しるしなきもの』『黄昏旅団』『夜の淵をひと廻り』『われらの世紀』などがある。


「2021年 『宝島(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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