イスラム教 (世界宗教の謎)

著者 : ニール・モリス 佐藤正英

• ゆまに書房 (2004年3月1日発売)

作品紹介・あらすじ

イスラム教(イスラム)は今から1400年前、預言者ムハンマド(マホメット)が神(アラー)からの啓示を受けたことにより、現在のサウジアラビアにあたる地域に誕生しました。その啓示を記録したものが『コーラン(クルアーン)』とよばれる聖典です。イスラム教は、ムハンマドの弟子や後継者によって広められ、まもなくアラビア以外の地域にも伝わりました。ムスリム(イスラム教徒)にとって、イスラム教は人生そのものとなり、彼らの文化や社会を作り、導いてきました。イスラム教は世界中に広がり、今では10億以上の人々が信仰しています。

感想・レビュー・書評

[有坂汀さんの感想 · 2012年8月14日]

本書はイスラム教の起源、預言者の生涯、イスラムの基本的な教え、イスラム勢力の拡大、イスラム国家の出現、現代のイスラムなどについて美しいイラスト入りでイスラム教を紹介したものであります。面白かったです。

実を言うと大学時代、僕はイスラム圏に行ってみようと画策していた時期があって、そのときにいろいろと文献を読んでみたり、中村哲先生など、現地で活躍されている方の話を実際に聞きに行ったりしたことをこの本を読みながら思い出しておりました。

ここにはイスラム教の成り立ちが記されており、今から1400年前に、預言者であるムハンマド(マホメット)が唯一神(アラー)からの啓示を受けたことにより、現在のサウジアラビアにあたる地域に誕生した。というところから始まり、ムハンマドの弟子や後継者によって広められ、まもなくアラビア以外の地域。北アフリカの諸国や東南アジアやロシアの北の地域にも伝わりました。

彼らにとって、イスラムを生きるということは、人生そのものであるということや、社会の成り立ちや、宗教画や文字にいたるまで、多大な影響を与え続け、現在では10億人以上もの人たちが信仰する世界宗教になっているということを豊富なイラストとともに記していて、パラパラとめくりながらでもイスラム教の概要が頭に入ってくるものでした。本当にあるのかどうかは別として、もしも将来、彼らと接する機会があったときに、ここで得た知識が役に立ってくれればと思います。