具体と抽象

著者 :
  • dZERO(インプレス)
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784844376576

感想・レビュー・書評

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  • 2015年の25冊目です。

    タイトル通り、具体とはなにか?抽象とは何かをわかりやすく、途中で、4コマ漫画を入れながら説明しています。

    一般的に「抽象的なのでよくわからな」と他人から言われたことが多くの人にあると思います。
    私もそういう経験があります。
    この場合、抽象的=あいまいでわかりにくいものという解釈だと思います。
    本書では、抽象の本質的な意味を解説し、むしろ新しい考えや物事の進化のためには、抽象化が非常に重要であると説いています。
    この本を読んで、もう、「あんたの話は抽象的でよくわからん」と言われても気分を害さなくてもいいと思えました。
    確かに、曖昧でわかりにくい伝え方、表現方法はありますが、それが抽象的だという方は、間違った考え方だと思います。抽象化がなければ、スムーズに話が進まないことが現実には多く、無意識に多くの人は抽象化することで、円滑なコミュニケーシンをしています。

    抽象とは、特徴を抽出するという意味で、「枝葉を切り捨てて、幹を見ること」です。個々にある共通の特徴を見つけ出しそれを一括りにできることを抽象化できるといっています。例)
    私は魚類について研究しています。は「あじ」「さんま」「タイ」「マグロ」「。。。」といった個別の魚の名前を挙げて説明することは煩雑で、却って相手の理解度を低下させます。
    また、具体と抽象にはレベルがあって、どんどん具体方向、抽象方向に進んでいけます。
    魚類をさらに抽象化したら、私は、生物について研修してます。となる。具体化は、マグロの中のカジキマグロについてとかになる。

    また、抽象化の重要な役割として、関係性を一般化して法則化できることがあります。F=maのように。これがなければ、科学技術の進歩もあり得ませんでした。

    さらに、大きな方向性や将来ビジョンを立てるのにも有効です。
    わかりやすさだけが求められ組織や社会からは連続的な変化は生まれても、大きな革新的な変化は生まれない、抽象化の概念を持てないと、本質的な変化を見いだせなくなってしまう。

    抽象化=分かりにくく悪いことというレッテル貼りは、抽象的な概念構成による本質へのアプローチが苦手な人が創りだしたステレオタイプなのかもしれません。

  • 個人的には読みやすく理解しやすい内容だった。
    若手のうちから身に付けなければ残念な中堅社員になることが想定される。仕事をしてるとどうしても具体を重視する傾向になり大きな枠で捉える事が出来ない時がある。職場は抽象を嫌う人だらけなのでこの傾向が強い人は上の考えをくみ取る力がなく、文句ばかりで言ってる気がする。

  • 今まで抱えていた問題やモヤモヤしていた気持ちは、具体と抽象を意識して考えてみると、だいぶすっきりするのかもしれない。苦笑交じりに読む漫画とともに、とてもわかりやすい説明でよかった。

  • 2回目の読了。
    短いけどいい本。
    抽象化はシンプルであればあるほどいいと中に書いてあるがそれを実践している感じ。
    進捗報告でうまくやる人とそうでない人の差は抽象化力の差だとつくづく思う。
    具体的な事象を知れば知るほど抽象的レベルしか知らない上位層への報告は抽象化しないと伝わらない。
    抽象化こそビジネスマンが大切にすべき能力。
    国語や数学という本質的、抽象的な学問を学ぶことの重要性は今になって思う。
    考え方や思考力を鍛えるには抽象的なことを学び抽象化して表現出来なければ身につかない。
    国語: 出来事、人の主張を解釈して表現する力
    数学: 事象を「数」という抽象物で表現する力




    抽象化と具体化の往復。
    ズームアウトとズームインの視点。

    最近意識的にやっていることをより上げた本でなかなかの良書。
    抽象化とは一言で言えば、要するに。。。と言えること。
    それが出来る人は会議でもちょっとした話し合いでも組織-会社経営においても的確な考えを持って発信出来る人であり、いわゆる「出来る人」なんだと思う。
    印象的だったのは、
    マジックミラーの話(抽象化世界を見えるようになった人は具体世界を見れるがその逆は難しい)
    と一方通行の話(一度抽象化世界が見えて来ると中々具体世界に戻れない。一度コンサルを経験すると開発に戻れないという話も頷ける)。

  • 抽象的な話が通じる人と通じない人がいる。また、なかなか具体的な話にならないのはやきもきする。職場では役職、経験など立場によって物事の捉え方が根本的に違うことにより噛み合わないのだから仕方がないのだなと改めて気づかされた。じたばたしてもわかりあえるはずがない。最初から違うのだから。具体と抽象どちらもバランスよく持ち合わせていたい。

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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