すべてを疑え! (フェイクニュース時代を生き抜く技術)

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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845115877

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  • 産経新聞の号外平成9年8月2日安倍総理逮捕のフェイクニュース
    大本営発表から始まった。1941年12月から。3年9か月の間に846回あった。
    転機は、1942年6月のミッドウエー海戦。
    『噂が走るー情報伝播の社会心理』
    webサイトの広告収入で一攫千金のチャンスができた。
    半分嘘で半分ほんとのこと。
    アメリカの政治を狙うのは、一番広告収入が高いから。
    (マケドニアの大学生)月に36万を稼ぐ。

    愉快犯=国際信州学院大学のサイト。大学は実在しない。
    蛞蝓屋うどん店のツイッター、実在しない。

    アルコリズムによって検索結果がかなり違う。
    アルコリズムが提供する自分の宇宙に包まれる。

    偽かな、と思われる情報は慎重に確認する。
    アメリカCBSラジオの「宇宙戦争」火星人が侵入したという臨時ニュースに騙される人が続出したが、冷静な人もいた。

    在仏の皮膚科専門医岩本麻奈による「フランスの子は勉強に鉛筆を使わないー間違いを消さない教育で身につくものとは?」本当か?単に手に入る文房具を使うだけではないか。

    アベノミクスの成果を大きく見せるため、毎月勤労統計の調査に不正が見つかった。

    ネット上のコピペを判定してくれるソフトがある。

  • すべてを疑うのだから、当然、この本自身も疑うべき。まず、この本自身をファクトチェックしてみてはどうか。

    p.100において、作家百田尚樹の「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。基地の周りに人が住み出した」を、琉球新報による情報、「普天間基地は、沖縄戦中に、宜野湾住民の住居や畑を奪って建設された」をもって、フェイク情報と判断している。

    「田んぼの中」であるから、田は人が耕す以上、人が居なかったとは言っていない。

    戦時中の強制収用は、現在において高速道路を通すための強制収用が違法とは限らないのと同様、違法とは限らない。

    基地が出来る以前に比べて基地周辺の人口が増えたのであれば、「基地の周りに人が住み出した」との認識は正しいことになるが、著者は「基地が出来る以前に比べて基地周辺の人口が増えたかどうか」について言及せずに、「これは事実誤認のフェイク情報のようだ。」と書いている。不適切なフェイク情報判定は、言論の自由を圧迫するおぞましい所業と思える。

    pp.100-101において、著者は、「沖縄関連のフェイク情報」として、作家百田尚樹と、評論家櫻井よしこ両氏の、「琉球新報」と「沖縄タイムス」両紙への批判を取り上げる。両氏の批判は、両紙の偏向度合(事実)と、それに対する評価(意見)に分けられる。事実に関し、フェイクかどうかの判定はあり得ても、意見に関しては、民主主義下においては、多数意見や少数意見はともかく、「間違った意見」というものはあり得ない。著者には著者なりの政治的意見があるのだろうが、著者以外の人にも当然政治的意見がある。著者と政治的意見が異なるからといって、その意見そのものをフェイクニュースと評することは許されない。

    p.101に「百田、長尾などは、沖縄二紙をはたして毎日読んでいるのだろうかと疑問さえ持ちたくなる。」とあるが、問題は沖縄二紙への評価が正確かどうかであり、評価の正確さが同じ限り、「毎日読んでいるか」は無関係である。著者の評価基準の不適切さがよくわかる。

    p.112「10年以上前であるが、筆者が大学教員に転身する以前に勤務していたメディア企業で、不特定多数が利用する会社備え付けのパソコンと自宅の専用マシンでの検索結果を比較し、かなり異なっていることを知り、驚いたことがある。」

    検索結果が人により異なるのは、検索エンジンが、過去の検索履歴などの個人情報を収集しているからである。その個人情報の収集は、当然その個人の許諾の下に行っている。著者は、自分の行った個人情報に関する許諾に関し、無自覚であったことには驚かないのか。

    p.132「マスコミの絶大な威力を示す戦前の古典的ケースとして、米CBSラジオが放ったSF番組『宇宙戦争』がある。」と紹介しているが、例えば、『うわさとは何か ネットで変容する「最も古いメディア」』(松田美佐、中央公論新社、2014/04/25)(pp.34-37)の、「ただし、このパニックについては、疑いも持たれている。全国の警察に膨大な量の問い合わせの電話があったことは事実であるが、それ以上の行動が起こったという証拠はほとんどない。実際のパニックはごく僅かなもので、当時まだ若いメディアであったラジオに対して、警戒心をあらわにしていた新聞がことさらにバッシングを行ったことが都市伝説化したものだとする説も有力である。」と言った見解(旧メディアである新聞による、新メディアであるラジオへのバッシング、SNSに対する新聞、テレビのバッシングに似ているね)は、考慮しなかったのか。

    「火星からの侵入 - パニックの社会心理学」(H.キャントリル、川島書店、1985/01/01)も30年以上前に日本語で出版されている。著者のいう、フェイクニュースに対応するためのファクトチェックとは、その程度のものなのか。

    p.146
    1995年から2015年にかけて、日本のGDPが円ベースでは増えているが、ドルベースでは縮小していると述べ、後者を重視すべきと言うが、そもそも著者は経済学についてきちんと理解しているのか。著者は、GDPに連なる主要な指標に関して、常にドル換算値で論じているのか。もしそうでなければ言行不一致であろう。

    pp.146-147
    GDPを国際基準に合わせるための見直しについて、説明が不足していると述べるが、他国においては、基準に合わせることはされているのか、その際の説明はどの程度かについての記述はない。言いたいことを主張するために都合の良いデータのみを切り取って使用しているのではないとの疑いが残る。

    p.151 (学生の卒業研究の「コピペ」チェックのための)「盗用を判定してくれるコンピュータソフトがある。」とのことだが、この本自身、または、この本のp.150までに対し適用すると、どういった結果が出るかを明示してくれると、「コピペ」チェックのイメージが湧きやすい。

  • 東2法経図・6F開架:KW/2019//K

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