- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845636648
作品紹介・あらすじ
影と『ドッペルゲンゲル』。私はこの二つに、月夜になれば憑かれるんですよ。
満月の夜、療養で訪れた土地の砂浜で私はK君と出会った。
梶井基次郎の『Kの昇天』が、
美しい空間の色彩構成で叙情的な余韻のある作風で知られ、
書籍の装画などで活躍する
イラストレーター・しらこによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感想・レビュー・書評
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梶井基次郎文学忌、結核の為死去。
1926年の作品。
イラストレーターは、しらこさん。
魂が影に移り 月へ向かう そんな情景
去年も「Kの昇天」レビューしている記憶が。同じような事書いてしまうな。
Kと療養地で知り合った「私」
満月の夜 海岸の砂浜
Kは、影が人格を持ち月へ昇るという
Kは、溺死する
「私」は、Kの死因について語る
それは魂の昇天
痛みのない死
病気に苦しむ梶井基次郎の希望だったのか
京極堂の「魍魎の匣」の少女達が月夜に影を見る場面は、この作品を思い出していた。意識されてたんじゃないかと思っている。
しきみさんのイラストが独特な哀愁ある色合いで良い。とてもよく小説とあっている。
月夜の顔立ち等が朧げなのも良い。
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ヒボさん、こんにちは!
十六乙女読了、お疲れ様です(*^-^*)
しらこさんのイラストが、どこまでも静寂な青を
感じさせてくれます...ヒボさん、こんにちは!
十六乙女読了、お疲れ様です(*^-^*)
しらこさんのイラストが、どこまでも静寂な青を
感じさせてくれます!
ストーリーの方は、
私うまく解釈できなったかもしれない(^-^;2023/08/27 -
かなさん、こんにちは♪
私もストーリーは入ってきてないです(´;ω;`)
ただ青色がすごく印象的だったなぁって。かなさん、こんにちは♪
私もストーリーは入ってきてないです(´;ω;`)
ただ青色がすごく印象的だったなぁって。2023/08/27
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「K君はとうとう月世界へ行った」
満月の夜の海
月光の美しさと映し出された影の危うさ……
「影」というのは私達にとって、もう一人の自分であったり、または本当の姿であったり、どこか不思議な存在なのかもしれない。
色彩が印象的な絵は、しらこさん。
青や紫の濃淡で描かれた世界に、夜の海の怖さを感じた。
朝日の淡い色合いと黒い影絵で描かれた日の出の場面も好き。
やはり文章だけで読むよりイメージしやすく、難しいと敬遠していた作品も、ぐっと読みやすく感じる。
“その時刻の激浪に形骸の翻弄を委ねたまま、K君の魂は月へ月へ、飛翔し去ったのであります”
影に導かれるように他の世界へ行った魂
現実世界には抜け殻が残される……-
aoi-soraさん、こんばんは!
「Kの昇天」読まれたんですね♪
きれいな、情景が浮かんでくるような
ステキなレビューをありがとうご...aoi-soraさん、こんばんは!
「Kの昇天」読まれたんですね♪
きれいな、情景が浮かんでくるような
ステキなレビューをありがとうございます(*´▽`*)
読むのが、ますます楽しみになりました!2023/07/20 -
かなさん、おはようございます♪
何度も読み返してみました。
「乙女の本棚」って本当にすごいですね〜
活字だけの文庫だと難解なイメージなのに、...かなさん、おはようございます♪
何度も読み返してみました。
「乙女の本棚」って本当にすごいですね〜
活字だけの文庫だと難解なイメージなのに、この本なら絵本みたいな感覚で何度も読めちゃうの。
かなさん、次々にシリーズ読破していますね(◍•ᴗ•◍)
私もゆっくり追いかけます♪2023/07/21
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乙女の本棚シリーズから、梶井基次郎さんとしらこさんのコラボ作品「Kの昇天」です。全体的に青を基調としたイラストは、この作品にぴったりです。
私はK君と満月の夜、療養で訪れた地の砂浜で出会った…。K君は自身の影に魅せられていた…。K君が他界したと知ったとき、「K君はとうとう月世界へ行った」と…。直接の死因は溺死だったとしても、月へと昇天したんだと私は語る…。
K君は何を思って月を影を見ていたのかな…。月と影に一筋ならない思いを抱いていたんだろうなって…。私もこんな風に月を見て自身の影に魅せられる日がくるのかもしれない…色々と考えさせられらた1冊になりました。 -
満月の夜、療養地のN海岸で偶然K君と出会った私が、K君の謎の死について瞑想した<梶井基次郎>の叙情的幻想に<しらこ>の華麗なイラストが融合した「乙女の本棚シリ-ズ」の一冊。 ・・・〝影ほど不思議なものはないとK君は言いました...月の光が一番いいと...K君の魂は月へ月へ、飛翔し去ったのです〟
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乙女の本棚3連発、の一つ目。
正直、よくわからんかった!
純文学と言われるものを桃ちゃん読むと、本当に昔はすぐ隣に死があったのだな、とよく思うのですが、今回もそこに着地しました。
2024.3.24
51 -
病に冒されているKという青年が海に入水し、溺死して亡くなる。
彼と直前親しくしていた謎の人物によって、その不可解な死の真相が明かされていく。
「K君はとうとう月世界へ行った」という言葉が孕む意味が分かったとき、死ぬのは怖くないかもしれない、とむやみに思った。
満月の夜、影とドッペルゲンゲルに導かれて旅立ったさきの世界は、きっと海のように広々として、光と静けさに満ちた心地好いところだろう。
『Kの昇天 或はKの溺死』というタイトルも、それを言い表しているよう。実体がどちらなのかはもう分からない。 -
作者が結核を患っていて、いつも死を意識していたかと思うと、この作品も本人の心境、様子を反映したものだと思えてきて切迫した気持ちになる。きっともう、病気で苦しみすぎたのだろう。作者の安らかに死にたいという思いが映し出されているようで、いたたまれなくなった。
普通の元気な人なら、夜、海に出ても、自分の影に見とれたりはしない。何度も阿片という単語が出てくるように、精神的に参っていて、早く楽になりたいという思いで一杯だった様子がよく伝わる。
イラストが穏やかで美しく、その透き通るような綺麗さばかりが印象的なこの作品。彼の自殺かもしれない死が美しく見えるけれども、荒々しさも、抵抗する様子も描かれることもなく、昇天してしまうのは、何だか悲しいと思った。生に執着できないほどの事情が場合によってはありうるのだということを学べた気がした。
俺は印象に残ってないわ。
美形の少女と人形つくりの母親がいる娘っていうヒントがなければ、さっぱりわから...
俺は印象に残ってないわ。
美形の少女と人形つくりの母親がいる娘っていうヒントがなければ、さっぱりわからなかったよ。