- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845914302
作品紹介・あらすじ
動画以降の世紀を生きるための、ポピュラー文化のタイム・トラベル。映画、ゲーム、アニメ、PV、アート、CG、マンガ…ハイカルチャー/ポップカルチャーの枠組みを超えて視覚文化を語る!
感想・レビュー・書評
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なかなか難しかった。PVやMV、アニメ、芸術(アート)、CG、映画などなど、「視覚文化」を見ていき、「視覚文化」に学ぶ。
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難しい部分も多かったけど『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は三部作の全てを見たことがあるので題材にしてくれた助かった。
特に興味深かったのはノスタルジーを感じる仕組みだったな。自分が体験した事が無いことでも失われた事と感じる事がノスタルジーを感じる事に繋がっているのは意外だった。
それにしてもミリタリー趣味が軍国主義の復権だと言われるのは昔からだったんだなとこの本を読んで感じたよ。まさか宇宙戦艦ヤマトでもそういった意見があるとは思わなかった。 -
コンテンツについて学びたいなら必読らしい
2章まで読んだ。
バックトゥーザフューチャーを使ったノスタルジーの考察は素晴らしい。
かなりカルチャーコンテンツの知識がないと吸収できないので、勉強してから再チャレンジしたい。 -
情報過多の時代に何を選び取り、いつ消費するか。歩くデータベースとしての教養人(またはオタク)は消滅し、コンテンツは多産多死の状況で生存競争を強いられる。
時間の重層性と消費社会におけるサブカルチャーについて。 -
こういった学問的な素養のない僕にとって、著者の抱える問題意識はよく理解できないし、本書の読解もどこまで正確に出来たのか自信が無い。
でも、本書が該博な知識をもとに、多くの資料を渉猟して、きわめてシャープに考え抜かれたものであることはなんとなくわかる。きっとこの方面の研究をしたい人にとっては、必読書になるようなレベルなんじゃないかな。 -
動画以降の世紀を生きるための、ポピュラー文化のタイム・トラベル。映画、ゲーム、アニメ、PV、アート、CG、マンガ…ハイカルチャー/ポップカルチャーの枠組みを超えて視覚文化を語る!
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【版元】
石岡良治|著
発売日:2014年06月26日
四六判|336頁|定価 2,100円+税
ISBN 978-4-8459-1430-2
<http://filmart.co.jp/books/composite_art/2014-6-24tue/>
【目次】
目次 [002-003]
はじめに なぜ視覚文化なのか? [004-011]
凡例 [012]
Lecture.1 カルチャー/情報過多 誰が「カルチャー」を作るのか? 013
1-1. Culture: 教養から文化へ 014
1-2. 現代日本におけるカルチャーを考える 030
1-3. 情報過多の時代における議論の出発点 041
Lecture.2 ノスタルジア/消費 消費文化の構造と「懐かしさ」の問題 051
2-1. アメリカン・フィフティーズの残したもの 052
2-2. 消費文化のモデルとしての『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 064
2-3. ノスタルジアという想像力の両義性 088
Lecture.3 ナラティヴ/ヴィジュアル メロドラマとPVにみる「フェイク」の可能性 103
3-1.「まがいもの」としての文化 104
3-2. メロドラマをめぐる再解釈 122
3-3. PV――ヴィジュアルのフェイク化がもたらす可能性 137
Lecture.4 ホビー/遊戯性 「ガジェット」が文化の意味をくつがえす 157
4-1. ホビーの領野 158
4-2. ゲームと遊戯性――デジタルゲームの位置づけ 177
4-3. ロボットアニメの諸相とガジェットの想像力 197
Lecture.5 メディエーション/ファンコミュニティ 「速度と時間」を複数化して考える 217
5-1. メディア、メディウム、メディエーション 218
5-2. 「動画」の時代は何を変えたか 239
5-3. ファンコミュニティの再編、文化をめぐる速度と時間 270
特別対談 國分功一郎×石岡良治 新しい時代のための、視覚文化をめぐる哲学 291
眼差しを複数化することから始める/無意味な障壁とミクロポリティクス/ノスタルジアは人間の本性である/消費社会は消費される商品である/新しい消費はいかに可能にするか/情報量という基準で文化を考える/情報過多の時代にどう生きるか/notes
参考文献リスト [316-323]
作品リスト [324-329]
あとがき(2014年6月1日) [330-332]
掲載作品DVD・Blu-ray情報 (333)
PROFILE (334)
【PROFILE】
石岡良治……1972年東京生まれ。批評家・表象文化論(芸術理論・視覚文化)・ポピュラー文化研究。東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)博士後期課程単位取得満期退学。跡見学園女子大学、大妻女子大学、神奈川大学、鶴見大学、明治学院大学ほかで非常勤講師。論考として、「メディウムの肌理に逆らう―ロザリンド・クラウスにおけるポストメディウムの条件」(『述―特集・舞台/芸術』3号、近畿大学国際人文科学研究所編、明石書店、2009年)、「『仮面ライダーディケイド』、旅の途中」(『ユリイカ』2012年9月臨時増刊号)、「クリスチャン・ラッセン、二つの世界のエッジで」(『ラッセンとは何だったのか?―消費とアートを超えた「先」』原田裕規編、フィルムアート社、2013年)など。また雑誌『PLANETS』やムック『文化時評アーカイブス』にて、マンガやアニメなどのレビュー・座談会に参加。
<http://filmart.co.jp/books/composite_art/2014-6-24tue/> -
2015年4月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
通常の配架場所: 開架図書(2階)
請求記号: 704//I81
【選書理由・おすすめコメント】
視覚的観点から現代の文化を知ることができそうだから
(マネジメント総合学科、1年) -
ですます調で、語りも丁寧なんだけど、こう頭に入って来づらいのが不思議。抽出した論点を「◎◎的な✕✕」、「◯◯化」みたいに適宜まとめないからでしょうかね。あるいは具体例とか、補足とか、本論に入る前の基本事項の確認とかが、かえって読みづらさを増しているんだろうか。
ホビーという概念は厳密に定義されているわけではないので、「わかるようなわからんような」という感じ。普段使いの意味に寄りかかりすぎていて、踏み込んで読書するのが難しかった。
石岡良治さん、どうやら新著も出るらしいけれど。
しかし、面白い本には違いない。 -
表象学や文化論の基礎知識は必須の印象。例えば、ハイカルチャー、ソシュールの二元論やボードリヤールのシミュラークル、近現代哲学の有名人などは、講義で必要最低限な解説のみ。
対談でも明示されているけど、全体的に「時間」の認識の変遷を意識しているように思う。単視点での時間軸に留まらず、過去の人が想像した未来を現代の視点から考える、みたいな。その意味でノスタルジーと視覚文化の関係というのは非常に興味深い。
時代の終わりという観点に、故人の神格化には(敢えて?)触れていないのは好印象。