- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845919208
感想・レビュー・書評
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ホラーとは何か。その目的は何か。なぜホラーを求めるのか。
この点に関して数十年間遡って調査し、哲学として500頁近くかけてまとめたもの。
ホラーとは、超自然のモンスターに向けられる不浄と嫌さ(キモいとコワイ)の混合的な感情のこと。一部サイコホラーなどを除いて「アートホラー」と定義。
その上で、人はなぜ、不快であり存在しないと知っているもの、いわゆる「怖いもの見たさ」に心を動かされるのか?というパラドックス(魅力と拒否感の両立)に迫る。
27冊目読了。
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小説や映画におけるホラージャンルを哲学的に論じた本。哲学書のため難解な表現はありますが作品の例示が非常に多いため時間をかけて読む事できちんと理解できると思います。ホラーにおける恐怖や魅力を詳しく知りたい方におすすめです。
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ホラーについての哲学的論考。ホラーの本質の定義から始まり、フィクションのパラドックス─なぜ存在しないと分かっているものに怯えることが出来るのか、そしてホラーによく現れるプロットの分析を経て、ホラーのパラドックス─なぜ人は恐ろしいものを求めわざわざ鑑賞するのか、と進む。なかなか読み応えがあって楽しめるし、それぞれの考え方も一考に値する素晴らしいものなのだが、全てにおいて過去の様々な説を考察した後に自説を披露する、その「披露」で終わっている感じ。そこから先、もう一歩も二歩も踏み込んでホラーについて考えてもらいたかったかな。原書は1990年発行なのである程度の古さは否めないのだが、さほど気にはならない。私が読んだ限りでは、SFXが素晴らしいホラー映画を観た時に感じる、「これは良く出来てる〜という感心」という側面には触れられていないかな。