彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家

  • フィルムアート社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845923144

作品紹介・あらすじ

女性映画作家たちのまなざしからよみとく
日本映画の最前線。

“「映画監督」と呼ばれる人々が一人残らず女性であったなら、当然そこに「女性監督」という呼称は生まれえない。かつて映画監督には、男性しかいないとされていた時代があった。”(「序論」より)
そのような時代は果たして本当の意味で「過去」となりえているのだろうか?
本書は、この問題提起を出発点として、日本映画における女性作家の功績を正当に取り上げ、歴史的な視座を交えながらその系譜をたどり、彼女たちのまなざしから日本映画の過去・現在・未来を読み替えていくことを試みる、これまでにない映画批評である。

対象をあえて女性のみに限定し、大勢の男性作家たちのなかにいる数少ない女性作家という図式をまずはいったん解体することから始めるというアプローチから、これまでの日本映画の歴史にひそむ性の不平等や権力の不均衡の問題にせまり、日本映画史の捉え直しを通して、新しい地図を描き出す。
伝統的な家父長制から脱却し、多様な属性とオルタナティヴな関係性を個々人が模索する2020年代以降の時代精神から読みとく、日本映画の最前線。

取り上げる主な作家
西川美和、荻上直子、タナダユキ、河瀨直美、三島有紀子、山田尚子、瀬田なつき、蜷川実花、山戸結希、中川奈月、大九明子、小森はるか、清原惟、風間志織、浜野佐知、田中絹代……ほか多数

論考から作品ガイドまで、全原稿書き下ろし
作家ごとの評論だけでなく、日本映画史における女性監督の系譜、次世代の新進作家紹介、今見るべき日本の女性監督作品の100本ガイドまで。作家論、歴史、状況論、作品ガイドまでを網羅した、著者渾身の書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 装丁なんかも含め、気合い入りまくってて最高だった。
    女性映画監督の戦いの歴史を総覧しつつ、個別の作家性にも存分に語り、作品ガイドまで付いてくる。これが2000円台で手に入るんすよ。

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/711956

  • 3.5

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著者プロフィール

映画研究者/批評家。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。単著に『椎名林檎論——乱調の音楽』(文藝春秋、2022年)、『アクター・ジェンダー・イメージズ——転覆の身振り』(青土社、2021年)、『24フレームの映画学——映像表現を解体する』(晃洋書房、2021年)、『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩書房、2019年)、『スター女優の文化社会学——戦後日本が欲望した聖女と魔女』(作品社、2017年)、共編著に『川島雄三は二度生まれる』(水声社、2018年)、『リメイク映画の創造力』(水声社、2017年)、翻訳書にポール・アンドラ『黒澤明の羅生門——フィルムに籠めた告白と鎮魂』(新潮社、2019年)などがある。

「2023年 『彼女たちのまなざし 日本映画の女性作家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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