- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846002688
感想・レビュー・書評
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他の演出家の引用などがあってこの本だけで考えがいろいろ見れる。俳優のために書くってのは半分いいと思ったけど全面的には支持できん。体の身体性凄い人を探そうと思う。
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読んでいて妙な感じがしたのは、既視感があったからだ。恥ずかしい話なのだが、自分が演劇に書いた文章によく似ているのである。もちろん、後に書いたのは僕の方だ。かつて読んだこのエッセイからずいぶんいろいろなことを学び、自分の言葉で解釈して人に伝えているうちに、いつの間にか出典を忘れていたような気がするのだ。とっても恥ずかしいことだと思うが、それだけ影響を受けた文章であり、共感を持てる文章であったのだと思う。
本書は、演技者に当てた部分と、台本作者に当てた部分とに大きく分かれる。どちらも示唆的でおもしろい。どちらかというと、演技者に当てた部分は、ある意味わかりやすく、ある意味常識的な内容である。ただ、当たり前のことを切り込むやり方が、とても鋭くてなるほどと思えるのだ。たとえば「演技感覚」のようなものを、これほどシンプルにわかりやすくまとめてくれている文章はあまりないように思う。一方、台本作者に当てた方は、あまりこの手の文章にはお目にかからないせいか、僕にはとても興味深かった。とにかく古典を大事にしていくという姿勢には共感。
筆者は、いろいろな場面でこのようなノートを書いているようだ。もっともっと読みたいものである。自分の「with BACCHUS」も、こんな風に読んでもらえるものになるといいなと思ったりもした。
2004/6/26