- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847017339
感想・レビュー・書評
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1997年から05年までの9年間、主に中継ぎ投手としてMLBで活躍した著者が、メジャーリーグの楽しさ面白さと魅力を伝えるために、様々な角度からメジャーの魅力を語ってゆく一冊。現役生活の経験を基礎にしており、MLB体験記といった趣もある。初版が07年8月なのでさすがに情報は古いが、今でも通じる意外な発見や知識があると思う。
著者によれば日本の球団のエース級の投手なら、全員が十分にメジャーで通用するという。ただし役割を問わなければだが。ならばもっと挑戦してほしいと願うのがファン心理。今でも投手を中心に日本人選手が活躍しているのは、技術の高さにある。だがメジャー生活も楽ではないようだ。移動はきついし、長い期間家族とも会えない。引退を選択したのも、それが理由のひとつという。ブルペン投手だった著者は、プルペンのしきたりについて詳しく触れている。MLBには明文化されていない掟がいろいろあり、掟を守るために、あえて打者にぶつけることもあるとか。日米の野球文化がいろいろと違うのが面白い。だが最近は日本の野球も米国化してきているように思う。
5章はMLB30球団の特長を概括しているが、情報が古いため各球団の個性と思想を確認するだけでいいだろう。日本人選手の章も松井秀喜、桑田、岡島、大塚、斉藤といった顔ぶれが懐かしい。来年も多くの日本人選手の活躍を見ることができるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
選手目線でメジャーリーグを紹介してくれている。
本が出版された7年前のメジャーリーグの勢力図がわかる。 -
一つの話が短く、2〜4ページくらいに収まっていて、次々と気軽に読み進めていける。
その内容は、選手としてグラウンドに立った人の視点から書かれているので、それぞれの話に説得力や臨場感がある。
中でも、選手やチームの特徴・傾向に関する記述は興味深かった。
ただ、著者の主観がやや強いので、数字などのデータも並べてもらえたら、もっと面白いと思う。
日本にいては、テレビで見ていてもわからないメジャーリーガーの姿が伺えて面白かったです。 -
1995年の野茂選手に続いて1997年に渡米、その後9年間にわたりメジャーリーグの一線で活躍され、
2006年1月にユニフォームを脱いだ長谷川選手、今では野球解説者として味のある解説が楽しかったりします。
そんな長谷川さんが自身の9年間の経験をエッセンスに、今年のメジャーの観戦ポイントをまとめたのが、こちら。
短めのコラムというとっつきやすい形式に加え、その内容も的確にまとめられていて面白い。
また、随所にご自身の経験を織り込まれており、よりイメージの翼を広げやすく、グイっと引き込まれてしまいました。
中でも、球団運営の視点からの各チームの特色分析の章が、個人的には非常に面白かったです。
程度の差はあれ、メジャーリーグの球団は「パワー勝負」で直情的なんだろう、なんてイメージがありましたから。
それが、育成システムや運営方針一つとってみても様々な色彩を見せてくれるというのは、目から鱗でした。
「バッターズ・パーク」と「ピッチャーズ・パーク」といった球場の切り分けや、
「セプテンバー・コール」といった、競馬で言う新馬戦の開拓を行うかのような風習や、独特の育成理念などなど。
また、FA、フリーエージェントの活性化に伴う人材の流動性の高まりと、その問題点、
プロパー組と中途組の高レベルでの融合の必要性は、普通の会社でも喫緊の問題ではないでしょうか。
そんな、どこかビジネス書のような雰囲気が盛り込まれているのは、
長谷川さん自身の経営学(経済学?)への造詣の深さもあるのかも知れません。
球団経営、そんな、自分自身がオーナーになったかのような観点からの観戦もまた面白そうです。
一つ残念だったのは、できれば今年の開幕前に読みたかったなぁ、、なんて辺りでしょうか。
長谷川さんの大リーグへの愛情が感じられて仕方が無い、そんな一冊。 -
(単行本(ソフトカバー) - 2007/7/26)
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初心者向けメジャーリーグ紹介本。後半のチーム紹介や日本人選手評はいらないので、永年メジャーで体験した貴重なエピソードや裏話をもう少し多く書いて欲しかった。