共感する力 ~カリスマ経営者が横浜市長になってわかったこと~ (ワニブックスPLUS新書)
- ワニブックス (2013年4月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847065392
作品紹介・あらすじ
フォルクスワーゲン、BMW、ダイエー、日産自動車販売など数々の企業でカリスマ経営者として手腕をふるった林文子氏が、横浜市の市長に-。なぜ横浜市長に立候補したのか?市長に就任してまず感じた違和感とは?本書では、林氏が自らの信念である「共感力」「おもてなし精神」を市役所に吹き込み、市民に寄り添った改革に挑戦した日々を辿りながら、幼少〜セールス時代、林氏がどのようにして共感力を培ったか、また共感力を得られるヒントなどについてもつまびらかにし、「共感力」「おもてなし精神」が、官民問わず成果を出す秘訣となっている理由を明らかにする。
感想・レビュー・書評
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2009年から2021年まで12年間、横浜市長を務めたのが本書の著者である林文子氏。本書の発刊は2013年で、市長になってからの3年間の取組が書かれている。
民間企業で活躍した彼女のキャリアは車の営業職でスタートした。飛び込み営業で成績を上げた彼女は、その成功体験に市長になっても実践した。
林市長の功績は企業誘致。中田市長時代の2004年に制定した企業立地促進条例を改正して助成金や減税を行い、京急グループの本社やKFC本社など104件の企業誘致に成功した。2008年のリーマンショックで落ち込んだ税収を増やした功績は小さくない。
しかし、それが行き過ぎた。カジノ誘致に反対する市民の声は大きく、2021年の市長選で落選。カジノ誘致撤回を掲げた山中竹春が当選した。
本書で彼女が繰り返す「おもてなし」の精神。市民を「お客様」と呼ぶのはダイエー会長まで務めた彼女には当然だったかもしれないが、行政においては古かった。一昔前のマインドだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
横浜市長として様々な成果をあげている林文子さんの著書。確かに役所の対応も良くなりましたし、変わっているなという実感があります。どんな仕事でも対ヒトの仕事は共感する力とかおもてなしの心が大切だと思います。最後の章はまとめとして自分にも通ずる話ばかりで、私自身、肝に銘じて仕事をしようと思いました。
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著者はこの無害っぽいところが横浜市長に成り上がった秘訣なのだろう。ホントのところ、どういう人かに興味ある。
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あんまて章立てがうまくいっているとはあんまり思えないが、多数著作がある模様。
積極性ほしいものです。
初対面の人に懐にとびこんでいけるのかーー。
勇気いな、。
結局、歴々としているが、そういうことなのだと思う。 -
市役所にサービス精神が欠けているのは、営業部がないから 商品に恋をさせるのが営業マンの仕事 上司は職場の人間関係を整える。
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共感するには?
→広い世界を自分の足で一歩一歩踏みしめ、さまざまな体験をしていくことで、偏見や固定観念がなくなり柔軟な発想ができるようになる
相手が歩み寄って来ないのであれば、自分から歩み寄る -
ダイエーCEO、日産自動車の執行役員などを経て、2009年に全国で仙台市に続いて2番目に女性市長(横浜市)になった林文子氏の著書。昨年の2013年に横浜市長として再選しているので、現役の市長さんの著作になっている。
本の前半は、横浜市という一地方自治体が、市役所改革や地域活性化をどのようにしてきたかに多くポイントを置いて書かれている。傍目から見ても、横浜という街は変わってきており、僕の印象では神奈川県と共同で健康増進などの取組みも独自にしており、今後の高齢化社会を見据えた都市づくりというのに着手しているという印象が強い。
<引用>ふとした瞬間に「あ、市役所にサービス精神が欠けているのは”営業部がない”からだ」と気づきました。(P.23)
学生時代から一人暮らしをしている自分としても、今までいろんなところに行って、そのたびに役所の手続きとかしてきました。市役所や町村役場に行くと、その街のカラーというのが分かって面白いかと思います。今、僕が住んでいるところは都内でもさすがお金持ちな区だけあって、市役所にコンセルジュみたいな人がずっと立っていて、こういうことがしたいという、こちらの意図をスムーズに読み取って窓口につないでくれたり、電話や手紙でのアフターサービスも細かくて感心したりします。横浜市を変えるために、まずは市役所から変えていくというのは、あながち間違っていないかなと思っています。
後半は横浜市の改革から、”人の意識を変えるために、、”というところから、部下を育てる理論というところに話が及びます。
<引用>相手への共感を続けていくと、その瞬間は相手に気持ちが伝わらなくても、時間の経過とともに大地に雨滴が浸透していくかのように、こちらの気持ちがじんわりと心に染みこんでいきます。そういった経験を重ね、相手の気持に寄り添うことが何よりも重要であることを肌で感じてきたので、私が管理職をしていた時代は、「部下とともに悩む」ということを日々心がけてきました。大所高所からものを言われると、下にいる人間では頭で理解したつもりでも、心のどこかに反感を抱いたままになってしまいます。(P.130)
「部下とともに悩む」って、簡単に書きますが結構難しいんですよね。僕の場合は、一緒に悩んで、自分で解決策(答え)を見つけてしますので、長期的に見ると部下を育てることにならないのかなと、いつも感じてしまいます。
<引用>私は相手がいい人であれ、嫌な人であれ、あるいは気の合う人であれ、気の合わない人であれ、一度自分の中に受け入れてしまいます。そうすると嫌なことをされたとしても、相手の立場になって物事を考えられるようになるのです。”辛抱”という文字は「辛さを抱く」と書きます。私もこれまでの仕事人生において、相当苦しい思いもし、その度に”辛抱”をしてきました。(中略)楽しいことも悲しいことも、うれしい事も辛いことも、すべてただ受け入れ、抱きしめる。そうすることで人生の味わいは、より深いものへと変化していくはずです。(P.141)
「辛さを抱く=辛抱」という表現が素晴らしいですね。人生というのは、いいことも悪いこともある。人が生きていくということは、そうしたいいことも悪いことも共有し合うことで、いいことを何倍にもし、悪いことをどう解決するかをとことん考え抜くことだと思います。何事も自分らしく、勇気をもって接していくこと。そんな当たり前のことに気づかされた本でした。 -
マーカーをとても多く引いてしまう本でした。
褒めることの大切さ。
基本的に、みんな仕事熱心という視点にたった上で、やる気を阻害している原因を取り除く(人間関係)
市の職員も人間的であることをもう少し出して仕事する。(相手の気持ちに寄り添う。ミスを恐れない)