男がつらい! - 資本主義社会の「弱者男性」論 - (ワニブックスPLUS新書)
- ワニブックス (2022年10月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784847066771
作品紹介・あらすじ
冴えない、裕福でもない、特別な才能もない
平凡な人生を幸福に生きていく――
男たちの新しい生き方のモデルを提示する意欲作
〝男らしさの呪縛″から解放されよう!
現在の男性たちには、案外、
低く鈍く冴えない人生を幸福に生きていくというモデルが
あまりないのではないか?
極端にマッチョな「男らしさ」だったり、
家父長制度的な意味での父親像だったり、
自己啓発的に勝ち抜けるような男性像だったり、
リベラルでスマートすぎる男性像だったり……
そのような「男」の人生のモデルはあるけれども、
それ以外にもいろんな選択肢や「物語」があってもいい。
「ぼくたちもだらだら、まったり楽しんでいい!」
(内容[一部])
●多数派男性の中の「弱者」たち
●「男性特権」が糾弾される
●男性たちはなぜ不幸なのか
●被害者意識のダークサイドに堕ちないために
●統計にみる日本の男女格差
●男たちのタテマエ、ホンネ、本心
●「すみっコ」としてのおじさんたち
●男たちにもセルフケアが必要だ など
感想・レビュー・書評
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つらい。読むのがつらい。5章に至っては本を閉じたくなった。
これは「弱者男性」に仮託した著者自身の嘆きやら不満なんじゃないかと思ったら、「あとがき」にエッセイとあって、少し納得した。全ての男性がマジョリティにいるのではなく、そこにはグラデーションがあるという指摘はそうだろうなと思う。データが活用された前半部分はふむふむと読み進めた。
とはいえ、私は男性だが、恥辱とか、正しい敵とかの表現が、どうもしっくり来ず読了。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
男らしさという価値観を意識的にも無意識的にも求められて、男性も大変だなとは思う。
女性も同様。
時々何言ってるかわからず、時々わかる、そんな感じ。理解しようと努めたら頭痛が。
生きるのが辛くもあるのは性別に関係ないね。
切り口によっては誰もが弱者になりうる。
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インセルの気がある自分としては救いになる箇所もあれば絶望になる箇所もあった。
インセルの息苦しさを、そのまま誰を攻撃することなく吐き出して良いという救いと、現状を耐え忍ぶ他ないという絶望を、両方を矛盾させながら行き来すること。
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つらいと感じるけれどつらいと言う先がない、どうしたらいいのか分からない、という状況のときに読んだ本
関連する書籍や映画が紹介されているので自分なりに調べる先を教えてくれました
その後『ジョーカー』をみたら、おそらくそれまでは気づくことのできなかったずっしりとした重圧のようなものを感じました -
●男性特権?多数派の男性たちと、それ以外の人々(女性や性的少数者)の間には、不平等で不公正な社会構造があるそうだ。昔と違い2020年代の差別批判は、1部の異常な人間だけではなく、差別構造に無自覚に加担している普通のマジョリティーたちも、同じように差別者であると言う方向へ。
●女性が、ある程度以上の社会的地位上がらない事を「ガラスの天井」と呼ぶが、これに対して、男性たちは、一旦弱者男性になると、ガラスを踏み破って地下室に転落して、誰にも気づかれないものになってしまう。それが「ガラスの地下室」である。
●政治的な承認の対象となり得る女性や、性的マイノリティより、マジョリティーであるとされる、男性の中も弱者、その方がいっそう不幸である孤独である。
●現代社会の真の被害者とは、男性弱者である。また、国家や社会からの制度的支援やフォローが何もない。 -
東2法経図・6F指定:367.5A/Su46o/Ishii
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弱者男性達のセルフケア、あるいは相互ケアの必要性。
家父長制やインセルの罠にハマらないために。 -
これより、沢木耕太郎の本の方が、指針になる。ノンフィクションの名誉、地位を超える価値感で生きた人の人生が描かれているから。
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学術的な内容を期待して読み始め、最初のほうは「うんうん」と頷きながら読んでいましたが、だんだん「?」になってきて、あとがきに「エッセイ」とあってズッコケてしまいました。まあ、自分が勝手に期待して読んだだけなので、杉田さんが悪いわけではありませんが・・・。
杉田さんの男性問題三部作のうちの、既刊の2部を読んでみる必要はあるかもと思いました。
自分は中年独身男性なので身につまされつつも、結婚には向いてないと気づいてもう生涯未婚かなと腹をくくり始めているので、開き直りつつ、でも女性に不快感を与えないように清潔感のあるおっさんを目指そうと思っています。嫌われたくはないけど、好かれる必要もないので、空気のような目立たない存在を目指そうと思ったのでした。