翻訳文学ブックカフェ

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  • 本の雑誌社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860110369

感想・レビュー・書評

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  • 翻訳の奥深さを伝えます。

    翻訳というのは、外国文学を専攻した人は一回考える職業だと思う。でも、実際に翻訳家になる人は少ないだろう。翻訳家の人との対談を収録した本。翻訳家の仕事の様子が垣間見えて面白い。当たり前だが、原文との距離、著者との連絡、仕事の進め方、この仕事を始めたきっかけ、翻訳家の心得など、それぞれ全然違うのが面白い。

    原文に忠実に直訳するか、意訳するのか。翻訳家の個性が出た方がいいのか、あくまで黒子で個性を消すのか。私は結構翻訳家の個性が出るのも好きです。あくまで、読みやすいの前提で。原作が英語なら、頑張れば読めるので、こんな風に訳すんだ、という発見も楽しいから。ハリー・ポッターとか、自分で英語読むと全然あの日本語訳にはならないけど、それも自分のキャラクターの捉え方だし、プーさんは石井さんの訳のしゃべり方がもう身に染みついちゃっていて、英語読んでもあのしゃべり方のプーさんで。それぞれの人が一番馴染む日本語で読めたらいいと思う。

  • 翻訳家の方が作品について語るのを読むのは面白い。
    ニコルソン・ベイカーを読んでみようと思った。

  • 翻訳
    文学

  • 翻訳の奥深さを知ることが出来た。それ以前に、当たり前のことだけれど、翻訳者の方が本をとても愛していることに心打たれた。残念ながら本書で取り上げられている本のほとんどを読んだことがなかったので、これを機会に翻訳者のことを考えながら読みたいと思った。

  • 翻訳文学がどーも苦手なので、入口になれば、と読んでみました。
    何冊かは読んだことあるけど、大半は未読。
    魅力ある邦題ばかり。これこそ翻訳家のチカラなのかしら。
    徐々に読んでいこうと思います。

  • 翻訳家の生の声!
    「翻訳」についての考え方、訳してきた本、気になる海外作家など、
    11人の翻訳家が話している。

    村上春樹さんの話も収録されてた。
    やっぱり、村上さんの話がいちばん興味を引かれる。
    いろんな点で特殊だからかな。
    ただ単にすきっていうだけかな。

  •  登場する翻訳者十一人との対談集。
    若島正,柴田元幸,岸本佐知子,鴻巣友季子,青山南,上岡伸雄,小川高義,
    中川五郎,越川芳明,土屋政雄,村上春樹など。
     何故その作家のその作品を訳したのか,どういう工夫があったのか、この後訳す予定は何か等々。

     英語と日本語との違いといったこともあるが,何といっても歴史の違う異質の文化を,現代の日本に相応しく「訳す」ということは、黒子であるとする翻訳者の、しかし新たな文学活動でもあることだろう。

     日本と云う島国で古代から、長らくこうした翻訳者に助けられて,外国の仏典はじめもろもろの典籍などを読んで来た訳だが,そういう流れのなか現代のかれらのお陰で、わたしたちもヨーロッパの小説類に親しむことが出来て有り難かった。

     さてここに登場する翻訳家の訳した作品を,わたしは殆ど読んでいないことに気づく。かつての翻訳家たちは既に鬼籍に入ってしまった。つまり時代は次第にあるいは急激に変わりつつということだろう。

     例えば光文社の古典文庫には「新訳」が次々と加えられのを見てもひとつの「時代」を感じる。
     逆に大袈裟に云えば,一代で二世を生きられたと云うことかも知れない。                       

  • 本の雑誌社」の企画の元、池袋ジュンク堂を会場に、「新元良一」をホスト役として、当代きっての売れっ子翻訳家を次々と招いて行われたトーク・セッションを収録したもの。実は恥ずかしながら、翻訳家としての「新元良一」はあまり良く知らなくて、むしろ『あの空を探して』という作品の作家として認識していたものだから、この本を知って少し複雑な気分となった。このところ私自身が読み耽っていた「柴田元幸」や「岸本佐知子」といった翻訳家を相手に、随分前(2004年頃)から、彼がホスト役としてこのような対談をこなしていたことを今頃知ったからだ。私自身が時代の流れについていけてなかったということか。(苦笑)あまり、翻訳物までは手が出ないのだけれど、余裕があれば読んでみたくなる作家がたくさん紹介されている。これからの読書待機リストが増えそうだ。この本の続編もすでに出ており、近々目をとおすつもり。

  • まず、装丁がボン・シック(笑)。

    私は子供のころから翻訳文学で育っている面があるので、翻訳家さんという、日本語と外国語の間を渡り歩いていらっしゃるかたがたにはとても興味があります。この本はアメリカ文学に造詣の深い新元良一さんというかたが、柴田元幸さん、若島正さん、青山南さんをはじめとする現代アメリカ文学のトップランナー翻訳家のみなさん11人に話をうかがった対談集です。

    とはいっても、「いま風の」エッジの利いたアメリカ文学を読まなくなってしばらく経つ(アメリカのエンタメとノンフィクションは今でも見事な作品がたまに出るのでときどき手に取る)ので、紹介される作品を見てもあまりイメージがわかないよ…というのが正直な話です。ですが、それぞれの翻訳家さんのスタンスや好み、翻訳で大事にされているポイントやあたためている作品などが紹介されており、「あ、これならついていけそうだ…」と思う作品が欄外に注で紹介されていることもあって、読書ガイドとして楽しむことができました。あー、こんなにたくさん本が訳されていくのに、人生って短いわー(笑)。

    個人的にはパワーズ「ガラテイア2.2」がぶっ飛び+複雑テイストで面白そう!とアンテナに引っかかりました(SFもたまに読むとすごく美味しい:笑)。少し前の出版ですが、今のアメ文の流れを知ることもあわせて楽しむにはいい1冊です。私の不勉強分を引いて、この☆の数ですが…。

    [2008.5.30にアップした感想を並べなおしました]

  • 翻訳モノって、何か苦手で。。
    世界に入り込むまで時間がかかるというか頑張って読まなきゃ読めない。
    っていうか、とりあえずどこから入っていいのかわかりません!!

    インタビュー形式で翻訳家たちの想いを綴っているこの本は、私の「翻訳モノ苦手」意識を変えてくれました。
    翻訳家という仕事ってすごく興味深い。
    作品に対する考え方や、仕事の仕方も人それぞれ違っていて、何よりこういう人が翻訳した本なら読んでみたいという興味が沸きました。

    「翻訳モノ」読みたいけど、なんか苦手…何読んだら?という方はまず、この本読んでみて!

     


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